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2025.5.11

遺言能力鑑定

遺言の8つの有効性とは?遺言が無効になる可能性も解説|遺言能力鑑定

遺言書は、遺された家族や関係者にとって大きな意味を持つ大切な書類です。しかし、せっかく作成した遺言も、法律上の要件を満たしていなければ無効とされてしまう可能性があります。

 

「親が残した遺言は本当に有効なのだろうか?」「自分の意思を正しく残すにはどうすればいいのか?」と不安を感じる方も少なくありません。

 

本記事では、遺言の有効性について、押さえておくべき条件や無効になるケース、検認手続きまでを分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/5/11

 

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遺言の有効性は8つある

特定の人に多めの遺産を渡す

遺言によって、特定の相続人に多くの遺産を分配することが可能です。ただし、他の法定相続人の遺留分を侵害しないように注意が必要です。

 

遺留分とは、法定相続人が最低限受け取る権利のある財産の割合で、これを侵害すると、後に遺留分侵害額請求が発生する可能性があります。遺言を作成する際は、遺留分を考慮して、公平性を保つことが重要です。

 

 

法律上の相続人でない人に財産をあげる

遺言を通じて、法律上の相続人でない友人や内縁の配偶者などに財産を遺贈することができます。遺言は、遺言者の意思を尊重して、特定の人に感謝の気持ちを示す方法として有効です。

 

ただし、遺留分を持つ法定相続人がいる場合は、その権利を侵害しないように配慮が必要です。

 

 

財産を寄付する

遺言によって、特定の団体や慈善事業に財産を寄付することが可能です。遺言によって、遺言者の社会貢献の意思を実現できます。

 

寄付先としては、NPO法人や公益法人などが一般的です。遺言書には、寄付先の正式名称や所在地を明記して、誤解やトラブルを避けるようにしましょう。

 

 

子どもとして認める(認知)

遺言を通じて、非嫡出子を認知することができます。これにより、認知された子は法的な相続権を持つようになります。

 

遺言による認知は、遺言者の死亡と同時に効力を発揮します。ただし、認知の意思を明確に示す必要があるため、文言には注意が必要です。

 

 

相続させたくない人を除外する

遺言により、特定の相続人を相続から除外することが可能です。これを「廃除」といい、被相続人に対する虐待や重大な侮辱などが理由となります。

 

廃除を行うには、家庭裁判所の審判が必要です。遺言書に廃除の意思を明記して、必要な手続きを行うことが求められます。

 

 

財産の分け方や分ける時期を決める

遺言を通じて、財産の具体的な分け方や分配の時期を指定することができます。例えば、不動産は長男に、預貯金は次男にといった具合です。

 

また、特定の条件を満たした場合にのみ相続させる「条件付き遺贈」も可能です。これにより、遺産分割に関する争いを未然に防ぐことができます。

 

 

判断できない人のために後見人を決める

遺言によって、認知症などで判断能力が低下した人のために後見人を指定することができます。これにより、財産管理や生活支援を適切に行うことが可能となります。

 

後見人の選任は、家庭裁判所の審判が必要ですが、遺言での指定は、その手続きにおいて重要な参考となります。

 

 

遺言の内容を実行する人を決める

遺言執行者を指定することで、遺言の内容を確実に実行することができます。遺言執行者は、遺産の分配や手続きの実施などを担当します。

 

信頼できる人物や専門家を選ぶことで、相続手続きを円滑に進めることが可能です。遺言書には、遺言執行者の氏名や連絡先を記載して、明確に指定することが重要です。

 

 

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遺言の有効性はいつから始まる?

遺言者が亡くなった時から始まる

遺言の効力は、原則として遺言者の死亡時に発生します(民法第985条第1項)。ただし、遺言に条件が付されている場合、その条件が成就した時点で効力が発生します(民法第985条第2項)。

 

例えば、「孫が20歳になったら50万円を遺贈する」という遺言では、孫が20歳になることが条件となり、その時点で効力が生じます。

 

なお、遺言者が条件成就の効果を死亡時に遡らせる旨を明示している場合は、死亡時に効力が発生します(民法第127条第3項)。

 

 

遺言の有効期間は?

遺言には法的な有効期限は設けられておらず、遺言者が死亡するまで有効です。ただし、遺言者が生前に遺言を撤回した場合、その遺言は無効となります。

 

また、遺言書の形式や内容に不備があると、無効と判断される可能性があります。遺言の有効性を確保するためには、法的要件を満たした正確な内容で作成することが重要です。

 

 

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遺言が無効となるケース

遺言書が法定形式を満たしていない

遺言書が法律で定められた形式を満たしていないと、その遺言は無効となります。例えば、自筆証書遺言では、全文を自筆で書き、日付と署名を自書して、押印する必要があります。

 

これらの要件を欠いた遺言書は、法的効力を持ちません。公正証書遺言や秘密証書遺言にも、それぞれ特有の形式要件があり、これらを遵守することが重要です。

 

 

第三者からの指示による遺言

遺言は、遺言者の自由な意思に基づいて作成されるべきものです。したがって、第三者の強制や詐欺、脅迫によって作成された遺言は、無効とされる可能性があります。

 

遺言者が自らの意思で内容を決定して、署名・押印することが求められます。遺言の自由意思が侵害されたら、その遺言は法的効力を持たないと判断されることがあります。

 

 

内容が不明確

遺言書の内容が曖昧で、誰に何を遺贈するのかが明確でないと、その部分は無効とされる可能性があります。

 

例えば、「長男に財産を与える」とだけ記載されていて、具体的な財産の特定がない場合、解釈が困難となり、相続人間で争いが生じることがあります。

 

遺言書を作成する際は、財産の内容や受取人を具体的に明記することが重要です。

 

 

遺言能力が無い

遺言を有効にするためには、遺言者が遺言能力を有している必要があります。遺言能力とは、遺言の内容を理解して、自らの意思で判断できる能力です。

 

認知症や精神疾患などで判断能力が著しく低下していると、遺言能力がないと判断されて、その遺言は無効となる可能性があります。遺言作成時の遺言者の精神状態が、重要な要素となります。

 

 

遺言能力鑑定という選択肢

遺言者の遺言能力に疑問がある場合、認知症専門医による遺言能力鑑定を受けることが有効です。

 

遺言能力鑑定では、遺言作成時の遺言者の認知機能や精神状態を評価して、遺言書作成時における遺言能力の有無を鑑定します。

 

認知症専門医による遺言能力鑑定は、訴訟において当方の主張を補強する強力な医証です。

 

弊社では、全国からたくさんの遺言能力鑑定依頼があります。遺言者の遺言能力有無で、お困りの事案があれば、お問合せフォームから気軽にご連絡下さい。

 

 

<参考>
【遺言能力鑑定】意思能力の有無を専門医が証明|相続争い

 

 

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遺言を知ろう!

遺言の種類と効力

遺言には主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。自筆証書遺言は、全文を自筆で書き、日付と署名を自書して、押印する必要があります。

 

公正証書遺言は、公証人が作成して、証人2人の立ち会いが必要です。秘密証書遺言は、内容を秘密にしたまま公証人に提出する形式です。

 

それぞれの遺言には法的効力があり、形式要件を満たすことで有効となります。

 

 

遺言の検認手続きの流れ

遺言書が見つかったら、家庭裁判所で「検認」という手続きを行う必要があります。検認は、遺言書の存在と内容を確認して、偽造や変造を防ぐための手続きです。

 

自筆証書遺言や秘密証書遺言は検認が必要ですが、公正証書遺言は検認を要しません。検認後、遺言の内容に従って相続手続きが進められます。

 

 

遺言の争いを避ける方法

遺言による相続争いを避けるためには、内容を明確にして、法的要件を満たすことが重要です。

 

また、遺言書の存在を相続人に知らせておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。

 

公正証書遺言を利用することで、形式的な不備を避け、信頼性を高めることができます。

 

 

生前遺言能力鑑定の検討を!

遺言者の判断能力に疑問があれば、医師の診断書を取得しておくことが望ましいでしょう。

 

ただし、医師の診断書は簡素なものが多いため、本格的な争いになると十分な効力を見込めない可能性があります。

 

医師の診断書を補う医証として、生前遺言能力鑑定が有効です。生前遺言能力鑑定は、認知症専門医によって行われ、遺言者の遺言能力を評価します。

 

生前遺言能力鑑定を実施することで、遺言書の効力を担保して、将来的な紛争を防ぐことができます。

 

 

<参考>
【生前遺言能力鑑定】認知症になる前に遺言するメリットとポイント

 

 

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遺言の有効性でよくある質問

遺言の効力は絶対ですか?

遺言の効力は、法的に認められた範囲内で絶対的なものとされています。

 

しかし、遺言が法定の形式要件を満たしていない場合や、遺言者の意思能力に問題がある場合など、特定の条件下では無効とされることがあります。

 

また、遺留分と呼ばれる法定相続人の最低限の取り分を侵害する内容の遺言は、その部分が無効と判断される可能性があります。

 

 

遺言はどこまで有効ですか?

遺言の有効性は、遺言者の死亡時点から発生して、遺言に記載された内容が法的に認められる範囲で効力を持ちます。

 

ただし、遺言の内容が不明確であったり、実現不可能な指示が含まれていると、その部分は無効とされることがあります。

 

 

遺言状は強制力がありますか?

遺言状には法的な強制力があります。遺言に従わない相続人がいたら、他の相続人や受遺者は、家庭裁判所に対して遺言の執行を求めることができます。

 

ただし、遺言の内容が法的に無効と判断されたり、遺留分を侵害していると、その部分については強制力が認められない可能性があります。

 

 

遺言状は有効期限はありますか?

遺言状には明確な有効期限は設けられていません。遺言者が生存している限り、何度でも遺言を作成・変更することが可能です。

 

最新の日付の遺言が最も有効とされ、以前の遺言は原則として無効となります。そのため、遺言の内容を変更したい場合は、新たに遺言を作成して、古い遺言を破棄することが望ましいです。

 

 

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まとめ

 

遺言は、遺産の分け方や受取人を遺言者の意思で決められる重要な手段です。法定相続人以外に財産を渡したり、寄付したり、子を認知することもできます。

 

ただし、相続人の最低限の取り分「遺留分」を侵害すると無効になる場合があるので注意が必要です。

 

遺言は遺言者の死後に効力が発生し、有効期限はありませんが、書き直せば最新のものが有効となります。形式不備や遺言能力の欠如があると無効となるため、正しい作成法が重要です。

 

遺言の有効性で、お困りの事案があれば、お問合せフォームから気軽にご連絡下さい。

 

 

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