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【遺言能力鑑定】軽度認知障害(MCI)の初期症状

軽度認知障害(MCI)とは、認知機能低下の一種で、認知症の前段階に位置するとされています。軽度認知障害の人は、認知症による日常生活への支障がなく、社会生活や仕事はできます。

 

しかし、まだ認知症ではないと思って軽度認知障害を放置していると、認知症に進行してしまう可能性もあります。

 

本記事は、軽度認知障害を理解することで、遺言時のトラブルを回避するヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2023/9/8

 

 

Table of Contents

軽度認知障害とは

軽度認知障害は認知症の前段階

軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment; MCI)とは、認知機能低下の一種で、認知症の前段階に位置するとされています。しかし、軽度認知障害の人は、認知症による日常生活への支障がなく、社会生活や仕事はできます。

 

 

軽度認知障害の定義

厚生労働省 e-ヘルスネットによるち、軽度認知障害の定義は以下のごとくです。

 

  • 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
  • 本人または家族による物忘れの訴えがある
  • 全般的な認知機能は正常範囲である
  • 日常生活動作は自立している
  • 認知症ではない

 

 

<参考>
厚生労働省 e-ヘルスネット 軽度認知障害

 

 

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軽度認知障害の初期症状

軽度認知障害の症状は、記憶力、言語能力、判断力、注意力などの認知機能の低下です。しかし、日常生活に支障をきたすほど重度な症状ではありません。

 

軽度認知障害の初期症状の例として、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 過去の経験を詳しく思い出せない
  • 何度も同じ話を繰り返す
  • 物の置き忘れやしまい忘れ
  • 家事をスムーズにできなくなる
  • 趣味や外出が億劫になる

 

 

過去の経験を詳しく思い出せない

認知症のように経験自体を忘れることはないものの、どのような経験だったのかを詳しく思い出せなくなります。軽度認知障害ではない加齢による物忘れであれば、ヒントを出すと思い出せます。

 

 

何度も同じ話を繰り返す

認知症の症状でもありますが、何度も同じ話を繰り返すことが多くなると、軽度認知障害の可能性があります。

 

 

物の置き忘れやしまい忘れ

物をどこに置いたのか忘れてしまい、誰かに盗られたと思い込んでしまうことが多くなると、軽度認知障害の可能性があります。物が盗まれるという妄想は、認知症の典型的な症状の1つです。

 

 

家事をスムーズにできなくなる

判断力や注意力が低下するため、家事をスムーズにできなくなります。手を洗った後に水を出しっぱなしにするなどの症状もこの一種です。

 

 

趣味や外出が億劫になる

趣味に対する興味が湧かなくなったり、外出が億劫になるなどの症状がみられることもあります。

 

 

軽度認知障害(MCI)と認知症の違い

軽度認知障害は自立した生活を送れる

軽度認知障害と認知症の違いは、自立した生活を送れるか否かです。人の名前を思い出せなかったり、何度も同じ話を繰り返すとしても、軽度認知障害は自立した生活を送れます。

 

 

軽度認知障害は記憶力低下の自覚がある

軽度認知障害では物忘れなどの記憶力低下の自覚があります。このため、カレンダーにメモするなどの記憶力の低下を補う対策を立てることができます。

 

 

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軽度認知障害の原因

アルツハイマー病

軽度認知障害の原因がアルツハイマー病の場合、アミロイドβいうたんぱく質が脳内に溜まっていることが原因と言われています。

 

 

レビー小体型認知症

軽度認知障害の原因がレビー小体型認知症の場合、レビー小体が脳内に蓄積して神経細胞を消失させることが原因と言われています。

 

 

脳血管疾患

脳梗塞などで脳の神経細胞が損傷されると、軽度認知障害を発症する可能性があります。

 

 

軽度認知障害の検査

神経心理学的検査

改訂版長谷川式認知症スケールやMMSE(ミニ・メンタルステート試験)などの神経心理学的検査で認知機能を評価します。

 

 

<参考>
【医師が解説】長谷川式認知症スケールの解釈|遺言能力鑑定
【医師が解説】MMSEの認知症でのカットオフ値は?|遺言能力鑑定

 

 

画像検査

脳血管障害が、軽度認知障害の原因となる可能性があります。脳血管障害はMRI検査やCT検査を実施すると診断できる可能性があります。

 

MRI検査やCT検査以外にも、脳の血流を調べる脳血流SPECT検査や、脳の糖代謝を調べる糖代謝PET検査などがあります。

 

 

血液生化学検査

甲状腺機能低下症が、軽度認知障害の原因となる可能性があります。このため、血液生化学検査を実施して、甲状腺機能を確認する場合があります。

 

 

血液生化学検査(自費)

健康保険の適応外ですが、MCIスクリーニング検査とApoE遺伝子検査という検査を実施することで、認知症の発症リスクを推定できます。

 

 

軽度認知障害の治療法

薬物療法

軽度認知障害の薬物療法では、認知症の治療薬であるアリセプトを処方される例が多いです。アリセプトは、認知機能に欠かせないアセチルコリンの減少を防ぐお薬です。

 

 

生活習慣改善や運動療法

軽度認知障害の人が認知症に進行するのを予防するために、生活習慣の改善や運動療法などが推奨されています。

 

 

定期的なフォローアップで早期発見・早期治療

軽度認知障害は認知症に進行するリスクがあるため、定期的なフォローアップが必要です。もし軽度認知障害と診断されても、早期治療によって認知機能低下は予防できるケースが多いです。

 

 

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軽度認知障害が疑わしい時には早目に財産分与の検討を

 

認知症が進行すると、遺言に必要な意思能力や遺言能力が失われる可能性があります。このため、軽度認知障害が疑われた時には、認知症が進行する前に財産分与について考えてみることが推奨されます。

 

 

意思能力とは

意思表示を有効に実行するためには、自分の権利、義務、そして結果を判断する能力が必要です。これらの判断能力を意思能力と言います。

 

 

遺言能力とは

日常生活で行う意思表示と比べて、遺言書を書く際には、より高いレベルの判断能力が必要です。

 

意思能力の中でも、遺言書を書くレベルの高い能力は、遺言能力と呼ばれています。

 

 

 

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ある程度の認知症なら遺言書作成は可能

法律上、遺言書を作成するためには遺言能力が必要です(民法963条)。一方、認知症があるからといって、遺言能力が無いわけではありません。

 

もちろん、親が高度の認知症を患っていて遺言能力の無い場合には、いくら遺言書を作成しても無効です。

 

しかし、認知症にも軽重があり、低下している能力にも大きな個人差があります。遺言能力を欠くほどの認知症でなければ、有効な遺言書を書くことは可能です。

 

 

遺言能力を有しているかの確認が必要

認知症の程度や症状を総合的に検討して、親に遺言能力があるのかを判断します。そして、遺言能力がある場合には、有効な遺言書を書くことが可能です。

 

 

遺言能力の有無の判断には遺言能力鑑定が必要

客観的に、親などの遺言者に遺言能力の有無を証明するのはとても難しいです。そんな中で、遺言能力鑑定は遺言者に遺言能力が無かったことを証明できる数少ない手段です。

 

 

<参考>

 

 

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遺言能力鑑定の必要資料

 

遺言者の没後であっても、下記のような資料があれば遺言能力鑑定は対応可能です。

 

  • 診断書(介護保険の主治医意見書を含む)
  • 診療録(カルテ)
  • 介護保険の認定調査票
  • 画像検査
  • 各種の検査結果
  • 看護記録
  • 介護記録

 

 

すべて揃っていることが望ましいですが、足りない資料があっても遺言能力鑑定できる可能性はあります。

 

これらの資料の受け渡しは、オンラインストレージもしくは郵送となります。安全性や利便性からオンラインストレージの利用を推奨しています。

 

ご依頼いただいた際に、オンラインストレージの使用方法を簡単にご説明させていただきます。

 

 

遺言能力鑑定作成の流れ

 

遺言能力鑑定をご依頼後の大まかな流れは、以下の通りです。尚、没後鑑定では事前審査(95,000円+税)が本鑑定(350,000円+税~)とは別途で必須です。

 

  1. 弊社による簡易な資料確認結果のご連絡、および事前審査に関する見積書の送付
  2. お見積りにご承諾いただいた段階で、正式に事前審査を開始
  3. 事前審査が完了後、ご請求書の送付
  4. ご入金確認後、事前審査結果のご提出(電子データ)

 

 

事前審査の結果を踏まえて遺言能力鑑定(本鑑定)に進む場合には、以下の流れになります。
 

  1. 弊社より見積書を送付
  2. お見積りをご承諾いただいた段階で、正式に遺言能力鑑定を開始
  3. 遺言能力鑑定案完成後、電子データにてご確認いただき、修正点があれば調整
  4. 遺言能力鑑定の最終稿が完成した段階で、ご請求書の送付
  5. ご入金確認後、レターパックにて医師の署名・捺印入り原本の発送

 

 

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遺言能力鑑定の作成期間

 

遺言能力鑑定を作成する期間は、お見積りをご了承いただいた時点から初稿提出まで約4週間です。

 

 

遺言能力鑑定の料金体系

生前鑑定

400,000円+税

 

 

没後鑑定

事前審査:95,000円+税
本鑑定 :350,000円+税

 

 

  • 没後鑑定では、事前審査(95,000円+税)が本鑑定(350,000円+税~)とは別途で必須です。
  • 本鑑定に進まない場合にも、事前審査費用の返金は致しかねます。
  • 上記料金は目安となるものであり、資料の分量・難易度によって変動する場合があります。まずはお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

【脳神経内科】公正証書遺言作成時の遺言能力を鑑定した実例

事案サマリー

  • 80歳台前半
  • 男性

 

平成29年に公正証書遺言書を作成しました。しかし、当時すでに遺言者はアルツハイマー型認知症が進行しており、神経内科で治療中でした。

 

相続人Cは、公正証書遺言の有効性について提訴して一審勝訴、控訴審係属中に弊社に遺言能力鑑定依頼となりました。

 

 

弊社の取り組み

脳神経内科医師が医証を精査したところ、頭部CTでは著明な脳萎縮を認め、脳血流シンチグラフィーでは左頭頂葉と両側後方帯状回に脳血流低下を認めました。

 

診療録や画像検査から、公正証書遺言の作成時に充分な遺言能力を有していたとは到底言えないことが判明しました。

 

公正証書遺言を作成した事実は、被相続人が遺言能力を有している証拠にはならないことの一例です。

 

 

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【消化器内科】癌末期の肝性昏睡患者の遺言能力を鑑定した実例

事案サマリー

  • 60歳台前半
  • 男性

 

平成27年に下行結腸癌、空腸浸潤に対して左半結腸切除術、空腸合併切除、リンパ節郭清を施行しました。多発性の肝転移を認めたため根治は困難とのことで在宅医療を行っていました。

 

しかし病状は少しずつ増悪して、食事摂取や体動が困難となり、平成28年に緩和治療目的で入院しました。多量の鎮痛剤で癌性疼痛のコントロールを行いましたが、徐々に全身状態は衰弱しました。

 

永眠される3日前に、疎遠だった兄弟に財産を贈与するという内容の自筆証書遺言が作成されました。遺言書の内容を不信に思った内縁の妻側の弁護士から、遺言能力鑑定の依頼を受けました。

 

 

弊社の取り組み

消化器内科医師が診療録や画像検査を精査したところ、遺言書の作成時に充分な遺言能力を有していたとは到底言えないことが判明しました。

 

 

CT

 

 

 

まとめ

 

軽度認知障害とは認知機能低下の一種で、認知症の前段階に位置するとされています。自立した生活を送れることが軽度認知障害の特徴で、認知症との大きな違いです。

 

軽度認知障害は、定期的なフォローアップで早期発見・早期治療することが重要です。治療法は主に薬物療法でアリセプトという薬が有名です。

 

軽度認知障害が疑われた時には、認知症が進行する前に財産分与について考えてみることが推奨されます。

 

遺言能力の有無を客観的に主張するためには、遺言能力鑑定が有効な手段となり得ます。お困りの事案があれば、お問合せフォームからご連絡下さい。

 

 

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