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【遺言能力鑑定】遺言能力の判断基準4つのポイント|認知症

最近の終活ブームで、遺言書を作成する人が増えています。しかし、十分な遺言能力が無ければ、せっかく作成した遺言書が無効になるばかりか、無用なトラブルを引き起こす原因となります。

 

本記事は、相続における遺言能力の意味や、遺言能力有無の判断基準を知るヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2024/6/15

 

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遺言能力とは

 

遺言能力とは、自分が作成した遺言の内容を理解して、遺言が周囲の人にどのような影響を及ぼすのかを把握できる能力です。

 

遺言を作成する時点で、遺言能力が必要です。もし十分な遺言能力が無ければ、遺言は無効になります。

 

 

<参考>
【地主と家主】遺言や家族信託ができなくなる状態とは|遺言能力鑑定

 

 

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遺言能力の判断基準は4つある

 

遺言作成には、遺言能力が必須です。それでは遺言能力の有無は、どのようにして判断されるのでしょうか。

 

遺言能力があるのかの判断基準には「総合的に見て、遺言の時点で遺言事項を判断する能力があったか否かによって判断すべき(東京地判平成16年7月7日)」という判例があります。

 

「総合的に見て」とは抽象的な表現ですが、具体的には以下の4つの判断基準で、遺言者の遺言能力有無を判断します。

 

  • 精神医学的な評価
  • 遺言内容
  • 遺言者と相続人との人間関係
  • 遺言と同じ内容の別資料

 

 

精神医学的な評価

遺言を作成する人の年齢や健康状態は、遺言能力に大きな影響を及ぼします。具体的には、高齢であるほど、健康でないほど、遺言能力は低下します。

 

もちろん高齢者だからと言って、必ずしも遺言能力が低下しているわけではありません。個人差が大きいので、年齢だけで遺言能力有無は判断できないのです。

 

一方、癌や肝硬変などを患ったり、大腿骨骨折などで寝たきりになると、体力を消耗してしまい遺言能力が低下します。

 

 

遺言内容

遺言の内容が難しすぎるケースでは、遺言者が本当に遺言を作成したのかが疑われます。

 

 

遺言者と相続人との人間関係

 

例えば、遺言者(遺言を作成する人)にとって、関係性が深くない知人に財産を贈与する遺言は、いかにも不自然ですね。

 

このようなケースでは、遺言者に遺言能力が無いかもしれません。客観的に見て不合理な遺言は、遺言者に遺言能力は無かったと判断されやすいです。

 

 

遺言と同じ内容の別資料

遺言以外にも、日記などで同じ内容が記載されていれば、遺言能力が充分だった可能性が高いと判断されます。

 

 

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精神医学的な評価の実際

長谷川式認知症スケール

精神医学的な評価として、最も一般的なのは長谷川式認知症スケールという認知機能テストです。

 

長谷川式認知症スケールは、簡単に実施できるため、日本中の医療機関や介護施設で広く実施されています。

 

長谷川式認知症スケール以外では、FASTや MMSEなどの検査が、認知症の認知機能の判定に用いられています。

 

 

<参考>
【医師が解説】長谷川式認知症スケールの解釈|遺言能力鑑定
【医師が解説】認知症ステージ分類のFASTとは|遺言能力鑑定
【医師が解説】MMSEの認知症でのカットオフ値は?|遺言能力鑑定
【医師が解説】MMSEと長谷川式認知症スケールの違い|遺言能力鑑定

 

 

遺言能力の判断基準は長谷川式認知症スケール10点

長谷川式認知症スケールが10点以下では、高度な認知症とみなされます。このため、遺言者の長谷川式認知症スケールが10点以下だと、遺言が無効と判断されやすいです。

 

一方、遺言能力は、長谷川式認知症スケールなどの精神医学的な評価だけで判断されるわけではありません。

 

遺言内容、遺言者と相続人との人間関係、遺言と同じ内容の別資料などを総合的に見て判断されます。

 

 

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遺言の有効性や無効を証明する手段

遺言能力の有無を証明する資料

遺言能力の有無は、遺言時の各種資料から判断されます。以下の資料を収集することが望ましいでしょう。

 

  • 診断書
  • 遺言の頃に遺言者が記載した文書
  • 遺言の頃に撮影した遺言者の動画
  • 遺言の頃の遺言者に関する日記

 

 

これらの資料によって、遺言者の遺言能力の有無を、客観的に証明できる可能性があります。

 

 

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遺言能力鑑定という選択肢

遺言者の遺言能力の有無を証明する有力な資料の1つに、遺言能力鑑定があります。

 

遺言能力鑑定は、認知症専門医が各種資料を精査して、遺言書を書いた人の遺言能力の有無を鑑定します。

 

遺言能力鑑定は費用がかかりますが、訴訟の際の有力な資料となります。また、生前の遺言作成時に取得しておくと、遺言能力が存在した証明になるでしょう。

 

 

<参考>
【弊社ホームページ】遺言能力鑑定 特設サイト

 

 

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遺言能力鑑定

遺言能力鑑定に必要な資料

遺言者の没後であっても、以下のような資料があれば遺言能力鑑定は対応可能です。

 

  • 診断書(介護保険の主治医意見書を含む)
  • 診療録(カルテ)
  • 介護保険の認定調査票
  • 画像検査
  • 各種の検査結果
  • 看護記録
  • 介護記録

 

 

すべて揃っていることが望ましいですが、足りない資料があっても遺言能力鑑定できる可能性はあります。

 

これらの資料の受け渡しは、オンラインストレージもしくは郵送となります。安全性や利便性からオンラインストレージの利用を推奨しています。

 

ご依頼いただいた際に、オンラインストレージの使用方法を簡単にご説明させていただきます。

 

 

遺言能力鑑定を作成する流れ

遺言能力鑑定をご依頼後の大まかな流れは、以下の通りです。尚、没後鑑定では事前審査(95,000円+税)が本鑑定(350,000円+税~)とは別途で必須です。

 

  1. 弊社による簡易な資料確認結果のご連絡、および事前審査に関する見積書の送付
  2. お見積りにご承諾いただいた段階で、正式に事前審査を開始
  3. 事前審査が完了後、ご請求書の送付
  4. ご入金確認後、事前審査結果のご提出(電子データ)

 

 

事前審査の結果を踏まえて遺言能力鑑定(本鑑定)に進む場合には、以下の流れになります。
 

  1. 弊社より見積書を送付
  2. お見積りをご承諾いただいた段階で、正式に遺言能力鑑定を開始
  3. 遺言能力鑑定案完成後、電子データにてご確認いただき、修正点があれば調整
  4. 遺言能力鑑定の最終稿が完成した段階で、ご請求書の送付
  5. ご入金確認後、レターパックにて医師の署名・捺印入り原本の発送

 

 

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遺言能力鑑定の作成にかかる期間

遺言能力鑑定を作成する期間は、お見積りをご了承いただいた時点から初稿提出まで約4週間です。

 

 

遺言能力鑑定の料金

生前鑑定

 

400,000円+税

 

 

没後鑑定

 

事前審査:95,000円+税
本鑑定 :350,000円+税

 

 

  • 没後鑑定では、事前審査が本鑑定とは別途で必須です。
  • 本鑑定に進まない場合にも、事前審査費用の返金は致しかねます。

 

 

 

 

遺言能力鑑定の実例

【脳神経内科】公正証書遺言作成時の遺言能力を鑑定

  • 80歳台前半
  • 男性

 

平成29年に公正証書遺言書を作成しました。しかし、当時すでに遺言者はアルツハイマー型認知症が進行しており、神経内科で治療中でした。

 

相続人Cは、公正証書遺言の有効性について提訴して一審勝訴、控訴審係属中に弊社に遺言能力鑑定依頼となりました。

 

脳神経内科医師が医証を精査したところ、頭部CTでは著明な脳萎縮を認め、脳血流シンチグラフィーでは左頭頂葉と両側後方帯状回に脳血流低下を認めました。

 

診療録や画像検査から、公正証書遺言の作成時に充分な遺言能力を有していたとは到底言えないことが判明しました。

 

公正証書遺言を作成した事実は、被相続人が遺言能力を有している証拠にはならないことの一例です。

 

 

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【消化器内科】癌末期の肝性昏睡患者の遺言能力を鑑定

  • 60歳台前半
  • 男性

 

平成27年に下行結腸癌、空腸浸潤に対して左半結腸切除術、空腸合併切除、リンパ節郭清を施行しました。多発性の肝転移を認めたため根治は困難とのことで在宅医療を行っていました。

 

しかし病状は少しずつ増悪して、食事摂取や体動が困難となり、平成28年に緩和治療目的で入院しました。多量の鎮痛剤で癌性疼痛のコントロールを行いましたが、徐々に全身状態は衰弱しました。

 

永眠される3日前に、疎遠だった兄弟に財産を贈与するという内容の自筆証書遺言が作成されました。遺言書の内容を不信に思った内縁の妻側の弁護士から、遺言能力鑑定の依頼を受けました。

 

消化器内科医師が診療録や画像検査を精査したところ、遺言書の作成時に充分な遺言能力を有していたとは到底言えないことが判明しました。

 

 

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まとめ

 

有効な遺言を作成するには、十分な遺言能力が必須です。遺言能力の判断基準は以下の4つです。

 

  • 精神医学的な評価
  • 遺言内容
  • 遺言者と相続人との人間関係
  • 遺言と同じ内容の別資料

 

 

精神医学的な評価の1つに、長谷川式認知症スケールという認知機能検査があります。10点以下の方は、高度な認知症とみなされます。

 

したがって長谷川式認知症スケールが10点以下のケースでは、遺言能力は無いと判断されやすいです。

 

遺言能力の有無を客観的に主張するためには、遺言能力鑑定が有効な手段となり得ます。お困りの事案があれば、お問合せフォームからご連絡下さい。

 

 

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