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2025.4.29

遺言能力鑑定

遺産分割のやり直しができる条件とは?注意点も解説|遺言能力鑑定

遺産分割協議を終えた後、「この内容は本当に公平だったのか」と疑問や不満を感じることは決して珍しくありません。

 

協議の場では感情的になりやすく、十分な情報が行き渡らないまま話が進んでしまうこともあります。

 

後になって新たな財産が見つかったり、自分に不利な内容だったと気づいたりするケースもあります。では、一度成立した遺産分割協議をやり直すことは可能なのでしょうか?

 

本記事では、遺産分割のやり直しが法的に可能かどうか、そしてどのような条件で再協議ができるのかを分かりやすく解説していきます。

 

不公平な遺産分割に納得がいかない方や、再交渉の糸口を探している方に向けて、解決への道筋をお伝えします。

 

 

最終更新日: 2025/4/29

 

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遺産分割のやり直しは可能なのか?

遺産分割のやり直しは可能!

遺産分割協議を終えた後でも、特定の条件下ではやり直しが可能です。​たとえば、相続人全員の合意がある場合や、協議に重大な瑕疵(かし)があった場合などが該当します。

 

​具体的には、財産の隠蔽、新たな相続人の発見、意思能力の欠如などが理由となります。​これらの条件を満たすことで、遺産分割の再協議が認められる可能性があります。​

 

 

遺産分割に時効は無い

遺産分割協議自体には時効が存在しません。​つまり、協議の成立から何年経過していても、一定の条件を満たせば再協議を求めることが可能です。​

 

 

取消権に時効はある

遺産分割協議自体には時効は無いものの、遺産分割協議の取消しを求める場合、民法に基づく取消権の行使には時効が存在します。

 

​例えば、詐欺や強迫によって協議が成立したら、取消権はその事実を知った時から5年、または協議成立から20年以内に行使しなければなりません。

 

​この期間を過ぎると、取消権は消滅して、協議のやり直しが認められなくなる可能性があります。​

 

そのため、協議に問題があると感じた場合は、速やかに専門家に相談して、適切な対応を取ることが重要です。

 

 

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遺産分割をやり直せる条件とは?

【解除】相続人全員の合意

遺産分割協議は、相続人全員の合意があれば、解除して再協議が可能です。​この場合、全員の同意を得た上で、新たな協議書を作成して、必要な手続きを行います。​

 

 

【取消】財産隠しが見つかった

遺産分割協議後に、相続財産の一部が隠されていたことが判明したら、詐欺を理由に協議の取消しを求めることができます。​相続財産隠しは、詐欺に該当します。

 

民法では、詐欺よる意思表示は取り消すことができると定められています。​しかし、取消しの行使には時効があるため、早急な対応が必要です。​

 

 

【無効】新たな相続人が見つかった

遺産分割協議成立後に、新たな相続人が判明した場合、当初の協議は無効とされる可能性があります。​

 

相続人全員の参加が協議の有効性の要件であるため、新たな相続人の存在は重大な影響を及ぼします。​このような場合、再協議が必要となります。​

 

 

【無効】意思能力の無い相続人が存在した

遺産分割協議時に、意思能力を欠く相続人が含まれていた場合、その協議は無効とされる可能性があります。​意思能力の有無は、協議の有効性に直結するため、慎重な判断が求められます。​

 

 

意思能力の証明には遺言能力鑑定が有用

意思能力の有無を証明するためには、遺言能力鑑定が有用です。​遺言能力鑑定は、認知症専門医が、協議時の意思能力を医学的に評価するものです。

 

相続人に意思能力が無ければ、遺産分割協議のやり直しが可能となるため、​鑑定結果は協議の有効性を判断する際の重要な証拠となります。

 

 

<参考>
【遺言能力鑑定】意思能力の有無を専門医が証明|相続争い

 

 

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遺産分割の基本的な流れと手続き

 

遺産分割の基本的な流れと手続きは、相続人が公平に財産を分け合うための重要なプロセスです。以下に、その一般的な手順を説明します。

 

 

1. 相続人と相続財産の確定

まず、被相続人(亡くなった方)の戸籍を調査して、すべての相続人を確定します。​同時に、遺産の内容を把握するため、財産目録を作成します。

 

財産目録には、不動産、預貯金、株式、債務などが含まれます。​正確な情報収集が、後のトラブルを防ぐ鍵となります。​

 

 

2. 遺産分割協議の実施

相続人全員で遺産の分け方について話し合い、合意を目指します。​協議が成立したら、その内容を「遺産分割協議書」として文書化します。

 

遺産分割協議書は、後の手続きで必要となるため、正確に作成することが重要です。​

 

 

3. 名義変更や登記手続き

遺産分割協議書に基づき、不動産の登記変更や預貯金の名義変更などを行います。​これらの手続きには、協議書のほか、戸籍謄本や印鑑証明書などの書類が必要です。​

 

 

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遺産分割をやり直す時の注意点

第三者への所有権移転が優先される

遺産分割後に不動産などの財産が第三者に譲渡されたら、再分割を行ってもその第三者の権利を侵害することはできません。​

 

つまり、一度でも第三者に所有権が移転された財産については、遺産分割やり直しの対象外となります。​

 

 

贈与税や所得税が余計に発生する

遺産分割のやり直しによって、相続人間で財産の移転が生じた場合、税法上は贈与や譲渡とみなされ、贈与税や所得税が課税される可能性があります。

 

​特に、贈与税は相続税よりも高額になるケースが多いため、予期せぬ税負担が発生するケースがあります。​

 

遺産分割のやり直しを行う際には、税務上の影響を十分に考慮して、専門家に相談することが重要です。 ​

 

 

不動産取得税や登録免許税が余計に発生する

遺産分割のやり直しによって不動産の名義変更が必要となる場合、相続ではなく贈与や売買とみなされて、不動産取得税や登録免許税が課税されます。

 

​これらの税金は、相続時の特例が適用されないため、追加の費用負担となる可能性があります。​遺産分割のやり直しを検討する際には、税金についても事前に確認していく必要があります。

 

 

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まとめ

 

遺産分割のやり直しは、相続人全員の合意や法的な不備があれば可能です。財産隠しや新たな相続人の発見、意思能力の欠如などが理由となることもあります。

 

遺産分割自体には時効はありませんが、取消権には期限があり、詐欺や強迫を理由とする場合は早めの対応が必要です。

 

また、やり直しによって贈与税や不動産取得税などの税負担が増えることや、第三者への財産譲渡が優先される点にも注意が必要です。

 

相続人の意思能力有無などで、お困りの事案があれば、お問合せフォームから気軽にご連絡下さい。

 

 

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