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【医師が解説】MMSEと長谷川式認知症スケールの違い|遺言能力鑑定

認知機能のスクリーニング検査として、MMSEと長谷川式認知症スケールが有名です。しかし、両者の違いをはっきりと知らない方が多いかもしれません。

 

本記事は、認知機能の評価で重要な役割を果たしているMMSEと長谷川式認知症スケールの違いを理解するヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2024/4/19

 

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MMSEとは

 

MMSE(Mini-Mental State Examination)とは、世界中で最も用いられている神経心理検査のひとつです。評価項目は、記憶、見当識、計算、言語、視覚構成などです。

 

MMSEは認知症だけではなく、高次脳機能障害を疑う症例でも、認知機能を評価するために実施されます。23点以下では認知機能障害疑いと判断されます。

 

 

<参考>
【医師が解説】MMSEの認知症でのカットオフ値は?|遺言能力鑑定
【医師が解説】相続で認知症の程度はどこまで有効?|遺言能力鑑定

 

 

長谷川式認知症スケールとは

 

長谷川式認知症スケールは、認知症の早期発見や進行度合いの評価するためのスクリーニング検査のひとつです。長谷川式認知症スケールは、1974年に日本の精神科医である長谷川和夫氏によって開発されました。

 

現在、広く臨床の現場で用いられているのは、1991年に改訂された「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」です。長谷川式認知症スケールの評価項目は、見当識や記憶など9つの評価項目です。

 

評価項目は、記憶、見当識、計算、言語などです。30点満点中の何点かで、認知症の程度を5段階に分類します。20点以下では認知症疑いと判断されます。

 

 

<参考>
【医師が解説】長谷川式認知症スケールの解釈|遺言能力鑑定
【医師が解説】相続で認知症の程度はどこまで有効?|遺言能力鑑定

 

 

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MMSEと長谷川式認知症スケールの違い

MMSEと長谷川式認知症スケールの比較

MMSE vs HDS-R

 

 

MMSEと長谷川式認知症スケールの概要は、上の表のように少し異なります。実施する上での大きな違いは、MMSEは自力で字を書くことに対して、長谷川式認知症スケールは口述のみの回答である点でしょう。

 

 

MMSEは高次脳機能障害も評価できる

MMSEは記憶力だけではなく、言語や視覚構成機能を必要とする項目があります。これらの認知機能は、長谷川式認知症スケールでは評価できません。

 

このため、MMSEでは高次脳機能障害(失語や失認)に関しても評価できます。尚、認知症で言語や視覚構成機能の点数が低い場合には、脳血管性認知症を疑います。

 

 

長谷川式認知症スケールは記憶力に重点を置いている

長谷川式認知症スケールは、記憶力を中心とした質問形式で構成されています。そのため、長谷川式認知症スケールの点数が低い場合は、アルツハイマー型認知症の可能性を疑います。

 

 

<参考>
【医師が解説】神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント

 

 

より詳細な認知機能評価にはFASTが必要

 

あくまでも、MMSEや長谷川式認知症スケールは、簡易的なスクリーニング検査です。より詳細に認知機能の評価を行うには、認知症機能評価別病期分類(FAST)をが必要です。

 

認知症が実生活に与える影響を知るためにも、FASTで生活ベースでの認知機能低下の影響を評価することが重要です。

 

 

<参考>
【医師が解説】認知症ステージ分類のFASTとは|遺言能力鑑定

 

 

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認知症有無を証明する遺言能力鑑定という選択肢

 

遺言時に、認知症のために意思能力(遺言能力)が無かったことを証明する資料を収集することで、公正証書遺言の無効を主張できます。

 

しかし、最も客観的と思われる精神医学的な評価に関しては、片手落ちと言わざるを得ません。弊社に相談された事案の中にも、公正証書遺言の客観性に疑問符の付くケースが多数存在します。

 

このような事案では、公正証書遺言作成時に意思能力が無かったことを、遺言能力鑑定で主張可能なケースも少なくありません。

 

 

<参考>
【弊社ホームページ】遺言能力鑑定 特設サイト

 

 

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遺言能力鑑定に必要な資料

遺言者の没後であっても、下記のような資料があれば遺言能力鑑定は対応可能です。

 

  • 診断書(介護保険の主治医意見書を含む)
  • 診療録(カルテ)
  • 介護保険の認定調査票
  • 画像検査
  • 各種の検査結果
  • 看護記録
  • 介護記録

 

 

すべて揃っていることが望ましいですが、足りない資料があっても遺言能力鑑定できる可能性はあります。

 

これらの資料の受け渡しは、オンラインストレージもしくは郵送となります。安全性や利便性からオンラインストレージの利用を推奨しています。

 

ご依頼いただいた際に、オンラインストレージの使用方法を簡単にご説明させていただきます。

 

お困りの事案があれば、お問合せフォームからご連絡下さい。

 

 

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遺言能力鑑定を作成する流れ

遺言能力鑑定をご依頼後の大まかな流れは、以下の通りです。尚、没後鑑定では事前審査(95,000円+税)が本鑑定(350,000円+税~)とは別途で必須です。

 

  1. 弊社による簡易な資料確認結果のご連絡、および事前審査に関する見積書の送付
  2. お見積りにご承諾いただいた段階で、正式に事前審査を開始
  3. 事前審査が完了後、ご請求書の送付
  4. ご入金確認後、事前審査結果のご提出(電子データ)

 

 

事前審査の結果を踏まえて遺言能力鑑定(本鑑定)に進む場合には、以下の流れになります。
 

  1. 弊社より見積書を送付
  2. お見積りをご承諾いただいた段階で、正式に遺言能力鑑定を開始
  3. 遺言能力鑑定案完成後、電子データにてご確認いただき、修正点があれば調整
  4. 遺言能力鑑定の最終稿が完成した段階で、ご請求書の送付
  5. ご入金確認後、レターパックにて医師の署名・捺印入り原本の発送

 

 

遺言能力鑑定の作成にかかる期間

遺言能力鑑定を作成する期間は、お見積りをご了承いただいた時点から初稿提出まで約4週間です。

 

 

遺言能力鑑定の料金

生前鑑定

 

400,000円+税

 

 

没後鑑定

 

事前審査:95,000円+税
本鑑定 :350,000円+税

 

 

  • 没後鑑定では、事前審査(95,000円+税)が本鑑定(350,000円+税~)とは別途で必須です。
  • 本鑑定に進まない場合にも、事前審査費用の返金は致しかねます。
  • 上記料金は目安となるものであり、資料の分量・難易度によって変動する場合があります。まずはお気軽にご相談ください。

 

 

 

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まとめ

 

認知機能のスクリーニング検査として、MMSEと長谷川式認知症スケールが有名です。

 

MMSEと長谷川式認知症スケールの違いは以下の通りです。

 

  • MMSEは言語や視覚構成機能の項目があるため高次脳機能障害も評価できる
  • 長谷川式認知症スケールはMMSEと比べて記憶力に重点を置いている

 

 

両方とも30点満点ですが、MMSEは23点以下で、長谷川式認知症スケールは20点以下で、それぞれ認知症の可能性ありと判断されます。

 

 

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