2024.11.4

親が認知症になったらどこに相談する？｜遺言能力鑑定

親が認知症と診断されたとき、どこに相談すれば良いのか悩む方は多いでしょう。認知症は進行性の病気であり、早期の対応が重要です。

どの窓口に相談すれば良いのか、どのような支援が受けられるのかを、まとめて知りたいところです。

本記事では、親が認知症と診断された際に、最初に相談すべき窓口や機関について詳しく解説しています。

最終更新日： 2024/11/4

Table of Contents

1 親が認知症になったら相談するべき窓口
2 親が認知症かもしれないと思ったら
- 2.1 認知症を疑った時に相談すべき医療機関
- 2.2 ケアマネージャーに相談するメリット
3 家族が介護を始める前に知っておくべきこと
4 認知症に対する公的支援制度
5 財産管理や相続対策はどうする？
6 まとめ
7 関連ページ
8 資料・サンプルを無料ダウンロード

親が認知症になったら相談するべき窓口

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、認知症の方やその家族のための総合的な相談窓口です。介護や医療に関する情報提供や、必要な支援サービスの紹介を行っています。全ての市町村に設置されており、地域に密着したサポートを提供しています。

各自治体の福祉課

各自治体の福祉課では、介護保険の申請や福祉サービスの利用に関する相談を受け付けています。介護施設の入居や福祉機器のレンタルなど、具体的な支援策についてもアドバイスを提供しています。

社会福祉協議会

社会福祉協議会は、地域の福祉活動を支援する団体で、認知症に関する相談も受け付けています。介護保険の申請や、地域の福祉サービスの利用に関する情報提供を行っています。

認知症カフェ

認知症カフェは、認知症の方やその家族が地域の人々と交流して情報を共有する場です。専門家からのアドバイスを受けたり、同じ悩みを持つ人々と交流することで、孤立感を軽減することができます。

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親が認知症かもしれないと思ったら

認知症を疑った時に相談すべき医療機関

認知症を疑った場合、まずはかかりつけ医に相談することが推奨されます。かかりつけ医がいない場合は、精神科、心療内科、脳神経内科、脳神経外科、老年科、またはもの忘れ外来を受診するのが良いでしょう。

これらの科では、認知症の原因や症状に応じた適切な診断と治療が受けられます。特に、老年科や脳神経内科は、認知症の初期診断に適しているとされています。

ケアマネージャーに相談するメリット

ケアマネージャー（介護支援専門員）に相談することで、介護サービスの利用に関する具体的なアドバイスが得られます。

ケアマネージャーは、要介護認定の申請支援やケアプランの作成、介護サービス事業者との連絡調整などを行い、利用者や家族の負担を軽減します。

また、介護保険制度に関する情報提供や、地域の介護サービス事業者に関する情報も豊富に持っており、適切なサービス選択のためのアドバイスを受けることができます。

＜参考＞
【地主と家主】認知症はどんな病気？｜遺言能力鑑定

家族が介護を始める前に知っておくべきこと

認知症の症状と進行段階の理解

認知症は、脳の機能が低下して、記憶や判断力が失われる病気です。認知症の症状は徐々に進行します。

初期段階では、短期記憶の喪失や日常生活の些細なミスが見られます。中期になると、時間や場所の認識が困難になり、日常生活に支障をきたすようになります。

末期には、言語能力や運動機能が著しく低下し、完全な介護が必要となります。家族はこれらの進行段階を理解し、適切な対応を心掛けることが重要です。

家族内での情報共有と役割分担

介護は一人で抱え込むのではなく、家族全員で協力して行うことが大切です。まず、親の健康状態や介護に関する希望を家族全員で共有しましょう。

次に、家族内での介護の方針や役割分担を明確にして、誰がどのような役割を担うのかを、皆で話し合って決めます。

例えば、金銭的な管理を担当する人、日常の介護を担当する人など、具体的な役割を分担することで、介護の負担を軽減することができます

計画的な交渉と戦略の構築

遺産分割調停を有利に進めるためには、計画的な交渉と戦略の構築が欠かせません。自分の主張や証拠を整理して、交渉の進め方を計画しておくことが重要です。

また、相手方の主張や立場を予測して、対応策を考えておくことも大切です。譲歩する点と譲れない点を明確にすることで、有利な条件を引き出しましょう。

プロの介護サービスを利用するタイミング

家族だけで介護を続けるのは難しい場合があります。そのため、プロの介護サービスを利用するタイミングを見極めることが重要です。

認知症が進行して日常生活が困難になったり、家族の介護負担が大きくなったら、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談して、適切な介護サービスを利用しましょう。

介護保険を利用することで、費用の負担を大幅に軽減することも可能です。

認知症に対する公的支援制度

介護保険制度の基本と要介護認定

介護保険制度は、介護が必要な高齢者を支援するための公的制度です。40歳以上の全ての国民が加入し、65歳以上の高齢者や特定の疾病を持つ40歳以上の人が対象となります。

要介護認定は、介護が必要な度合いを評価するもので、申請後に市区町村の調査員が訪問調査を行い、医師の意見書と共に審査されます。要介護度は7段階に分かれており、認定結果に基づいて適切な介護サービスが提供されます。

介護保険サービス申請の手順

介護保険サービスを利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。申請は市区町村の窓口で行い、調査員が訪問して本人や家族に対する聞き取り調査を実施します。

調査結果と医師の意見書を基に一次判定が行われ、その後、介護認定審査会で二次判定が行われます。認定結果が通知されると、ケアプランを作成し、必要な介護サービスを利用することができます。

訪問看護やデイサービスの利用法

訪問看護やデイサービスは、在宅で生活する高齢者を支援するためのサービスです。訪問看護は、看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。

デイサービスは、日帰りで施設に通い、食事や入浴、リハビリなどのサービスを受けることができます。これらのサービスを利用するためには、要介護認定を受け、ケアプランに基づいて申請を行います。

医療費控除や介護費用軽減のための手続き

介護費用の負担を軽減するためには、医療費控除や介護費用軽減のための手続きを行うことが重要です。医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に所得税の控除を受けることができる制度です。

また、高額介護サービス費制度や介護保険の利用により、自己負担額を軽減することができます。これらの手続きは、市区町村の窓口で申請を行い、必要な書類を提出することで利用可能です。

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財産管理や相続対策はどうする？

親が認知症かもしれないと思ったときは、早めの準備が重要です。病気への理解を深め、医療機関を受診し、生活や介護の方針を決め、そして財産管理や相続対策を行いましょう。

財産や相続対策を専門家に相談する

財産管理や相続対策を行う際には、専門家の助言が不可欠です。弁護士、税理士、司法書士などの専門家は、それぞれの分野で異なる役割を果たします。

例えば、弁護士は法律手続き全般に対応し、税理士は相続税の申告を担当します。専門家の選び方や相談内容を明確にすることで、スムーズな相続対策が可能になります。

財産管理や相続対策の手続き

家族信託

家族信託は、財産を信頼できる家族に託し、管理・運用を任せる制度です。これにより、親が認知症になっても資産が凍結されず、子どもが財産を管理できます。家族信託は、財産の承継や事業継承にも有効で、柔軟な財産管理が可能です。

任意後見制度

任意後見制度は、本人が判断能力を失う前に、信頼できる人に財産管理や生活支援を任せる制度です。家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで効力が発生します。これにより、本人の意思を尊重しながら、適切な支援が受けられます

遺言書作成

遺言書は、財産の分配方法を明確にするための重要な文書です。自筆証書遺言や公正証書遺言などの形式があり、法律の要件を満たす必要があります。特に、公正証書遺言は公証人が作成するため、信頼性が高く、遺言内容の実現が確実です。

軽度の認知症なら遺言能力鑑定も有効

軽度の認知症であっても、遺言能力があると判断されれば遺言書は有効です。遺言内容に耐えうる遺言能力があることを証明するための手段として、遺言能力鑑定があります。

遺言能力鑑定は、遺言者の意思能力を確認するための重要な手段です。遺言能力鑑定によって遺言書の有効性が確保されると、相続トラブルを防ぐことができます。

＜参考＞

まとめ

親が認知症になったら、地域包括支援センター、各自治体の福祉課、社会福祉協議会、認知症カフェに相談するのが良いでしょう。これらの窓口で、介護や医療に関する情報提供や支援サービスの紹介が受けられます。

認知症が疑われる場合は、かかりつけ医や専門の医療機関に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。また、ケアマネージャーに相談して、介護サービスの利用に関するアドバイスを受けることも重要です。

また、財産管理や相続対策を早めに行い、専門家の助言を受けることが不可欠です。家族信託や任意後見制度、遺言書作成も重要な手段です。

軽度の認知症の場合でも、遺言能力鑑定を行うことで遺言書の有効性を確認して、相続トラブルを防ぐことができます。遺言能力でお困りの事案があれば、お問合せフォームからご連絡下さい。

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この記事を書いた人

濱口裕之
HIROYUKI HAMAGUCHI

メディカルコンサルティング合同会社
代表医師

1996年　京都府立医科大学医学部卒業

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本整形外科学会脊椎脊髄病医
・日本リウマチ学会専門医
・日本リハビリテーション医学会認定臨床医
・日本股関節学会会員

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