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2024.12.2

遺言能力鑑定

認知症の遺言書に効力はある?無効と有効の違いは?|遺言能力鑑定

家族や大切な人が認知症と診断された時、遺言書の効力に関する疑問や不安が生じるのは当然のことです。

 

本記事では、認知症診断後でも効力のある遺言書を作成するための条件や要件について詳しく解説しています。

 

また、認知症の方が作成した遺言書の効力に疑問を感じた時の対策についても触れています。

 

 

最終更新日: 2024/12/2

 

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認知症でも効力のある遺言書を生前に作成する方法

遺言書には遺言能力が必要

遺言書が有効であるためには、遺言者が遺言内容を理解し、その結果を認識できる「遺言能力」が必要です。

 

認知症と診断された場合でも、遺言者が遺言内容を理解し、その効果を認識できる状態であれば、遺言書は有効とされます。

 

遺言能力の有無は、遺言作成時の遺言者の心身の状況や遺言内容の複雑性などを総合的に判断して決定されます。

 

 

軽度の認知症なら遺言能力は存在する

軽度の認知症であれば、遺言能力が存在する可能性があります。遺言能力とは、遺言内容を理解し、その結果を認識できる能力のことです。

 

軽度の認知症であっても、遺言者が遺言内容を理解して、その効果を認識できる状態であれば、遺言書は有効とされます。

 

 

遺言能力のある段階で遺言書の作成を

認知症と診断されたら、遺言能力がある段階で遺言書を作成することが重要です。遺言能力があるうちに遺言書を作成することで、遺言書の効力を保つことができます。

 

 

公正証書遺言が必須

認知症と診断された場合、公正証書遺言の作成が推奨されます。公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思や遺言能力を確認し、2人以上の証人立ち合いの下で作成されます。

 

このため、公正証書遺言は無効になるリスクが低くなります。公正証書遺言を作成することで、遺言書の効力を保つ可能性が高くなります。

 

 

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認知症でも効力のある遺言書を作成する要件

長谷川式認知症スケールの点数は?

長谷川式認知症スケール(HDS-R)は、認知症の診断に用いられる評価尺度です。遺言書の有効性を判断する際、このスケールの点数が重要な指標となります。

 

一般的に、HDS-Rの点数が高いほど、遺言能力があると認められやすくなります。遺言書を作成する際には、医師によるHDS-Rの評価を受け、その結果を記録しておくことが推奨されます。

 

長谷川式認知症スケールが10点以下の方は、やや高度な認知症とみなされます。このため、有効な遺言能力が無いと判断される認知症の程度は、10点が1つの目安となります。

 

<参考>
長谷川式認知症スケールの解釈|遺言能力鑑定

 

 

遺言書の内容が複雑か?

遺言書の内容が複雑であるほど、高度な判断能力が求められます。単純な内容の遺言書であれば、認知症であっても有効とされるケースが多いです。

 

しかし、複雑な内容では、遺言者がその内容を理解して合理的に判断できる判断能力が必要です。このため、効力のある遺言書と判断されない可能性が高くなります。

 

 

遺言書の内容に合理性はあるか?

遺言書の内容が合理的であるかどうかも、十分な遺言能力があるかの判断に影響を与えます。遺言内容が不合理だと、遺言能力が疑われる可能性があります。

 

 

遺言能力を証明する生前遺言能力鑑定の実施

遺言能力を証明するためには、生前遺言能力鑑定を実施することが有効です。生前遺言能力鑑定は、認知症専門医によって行われ、遺言者の遺言能力を評価します。

 

生前遺言能力鑑定を実施することで、遺言書の効力を確保し、将来的な紛争を防ぐことができます。

 

 

<参考>
【生前遺言能力鑑定】認知症になる前に遺言するメリットとポイント

 

 

 

nikkei medical

 

 

認知症の遺言書に疑問を感じたら?

まずは遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員が集まり、遺産の分割方法について話し合う場です。認知症の遺言書に疑問がある場合、まずは相続人全員で協議を行い、合意を目指します。

 

協議が成立すれば、遺産分割協議書を作成し、全員が署名・押印することで遺産分割が確定します。

 

遺産分割協議は、裁判所での手続きや費用を避けるため、まず試みるべき手段です。ただし、全員の合意が得られない場合は、次の手続きに進む必要があります。

 

 

遺言無効確認調停

遺言無効確認調停は、家庭裁判所で行われる手続きです。遺言書の有効性に疑問がある場合、相続人は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

 

調停委員が仲介し、相続人間での合意を目指します。調停が成立すれば、遺言書の有効性についての合意が得られます。

 

 

遺言無効確認訴訟

遺言無効確認訴訟は、遺言書の有効性を裁判所で争う手続きです。調停が不成立の場合、相続人は家庭裁判所に訴訟を提起して遺言書の無効を主張します。

 

裁判所は、証拠や証言を基に遺言書の有効性を判断して判決を下します。

 

<参考>
遺言書無効確認訴訟の勝率は?難しい理由と対処法|遺言能力鑑定

 

 

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診断書と介護保険の認定調査票を確認

遺言書の有効性を判断する際、遺言者の診断書や介護保険の認定調査票が重要な証拠となります。これらの書類には、遺言者の認知症の程度や日常生活の状況が記載されています。

 

これらの書類を確認することで、遺言書作成時の遺言者の状態を把握して、遺言能力の有無を判断する材料とします。

 

 

遺言能力鑑定で遺言書の無効を主張

遺言能力鑑定では、診療録、画像検査、各種の神経心理学的検査、介護保険の認定調査票などを認知症専門医が精査して、遺言者の遺言能力を評価します。

 

遺言書の有効性に疑問がある場合、遺言能力鑑定を実施して、その結果を基に遺言書の無効を主張することができます。

 

遺言能力鑑定の報告書は、裁判所での証拠として用いられ、遺言書の有効性を判断する重要な材料となります。

 

遺言能力鑑定は費用がかかりますが、訴訟における有力な資料となります。また、遺言書作成時に取得しておくと、遺言能力の証明になるでしょう。

 

 

<参考>
【遺言能力鑑定】意思能力の有無を専門医が証明|相続争い

 

 

testamentary capacity

 

 

認知症の遺言書の効力でよくある質問

公正証書遺言は認知症で無効になる稀ですか?

公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思や遺言能力を確認し、2人以上の証人立ち合いの下で作成されるため、無効になるリスクは非常に低いです。

 

認知症と診断された場合でも、公正証書遺言が無効とされることは稀です。公証人の確認があるため、遺言書の有効性が高く保たれます。

 

<参考>
公正証書遺言の無効は稀なのか?|遺言能力鑑定

 

 

認知症の人が署名をしても効力はある?

認知症の人が署名をしても、遺言書が有効であるためには、遺言者が遺言内容を理解して、その結果を認識できる状態であることが必要です。

 

軽度の認知症であれば、遺言能力が存在する場合があります。遺言書の有効性は、遺言作成時の遺言者の心身の状況や遺言内容の複雑性などを総合的に判断して決定されます。

 

<参考>
軽度認知障害(MCI)の初期症状|遺言能力鑑定

 

 

認知症で遺言書が無効になるのはなぜですか?

認知症で遺言書が無効になるのは、遺言者が遺言内容を理解して、意思表示をする遺言能力が低下するためです。

 

遺言書が有効であるためには、遺言者が自身の財産分割や遺言内容について理解して、適切な意思表示ができる遺言能力が必要です。

 

認知症が進行すると、遺言能力が欠如してしまい、遺言書が法的に無効とされる可能性があります。

 

 

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まとめ

 

認知症でも効力のある遺言書を作成するには、遺言内容を理解し、その結果を認識できる「遺言能力」が必要です。軽度の認知症であれば、遺言能力があり、有効な遺言書を作成できます。

 

認知症と診断された場合でも、遺言能力があるうちに遺言書を作成することが重要です。特に公正証書遺言が推奨され、公証人が遺言者の意思や遺言能力を確認し、証人立ち合いの下で作成するため無効になるリスクが低くなります。

 

認知症の遺言書の効力でお困りの事案があれば、遺言能力鑑定が有効になる可能性があります。お問合せフォームから気軽にご連絡下さい。

 

 

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