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2024.11.8

遺言能力鑑定

遺言書の無効申し立て成功のポイントと費用|遺言能力鑑定

遺言書の内容や作成過程に疑問を感じたら、法的手段が必要になるケースもあります。遺言書が無効になる理由や、無効を申し立てる方法は、遺産相続を巡る争いにおいて、非常に重要なポイントです。

 

しかし、遺言書が無効となる理由はたくさんあり、無効申し立て手続きも複雑です。どのような手順で遺言書の無効を証明して、法的に争っていくべきなのでしょうか。

 

本記事では、遺言書の無効申し立てに成功するポイント、手続き、費用について詳しく解説しています。遺言書を無効にできるのか不安に思っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

最終更新日: 2024/11/8

 

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Table of Contents

遺言書の基本的な役割と法的効力

遺言書が持つ法的効力の範囲

遺言書は、遺言者の最終意思を法的に実現するための重要な書類です。遺言書の効力としては、以下のようなものがあります。

 

  • 相続分の指定
  • 法定相続人でない人への遺贈
  • 遺産分割方法の指定
  • 未婚で生まれた子供の認知
  • 未成年後見人の指定
  • 生命保険の受取人の変更
  • 相続人の廃除
  • 遺言執行者の指定

 

 

遺言書が持っているこれらの効力によって、遺言者の意思を具体的に反映させることができます。

 

 

遺言書を作成する際の法律上の要件

遺言書が法的に有効であるためには、法律で定められた形式や要件を満たす必要があります。例えば、自筆証書遺言では、全文を手書きし、署名と日付を記載することが求められます。

 

また、公正証書遺言や秘密証書遺言など、他の形式の遺言書も存在し、それぞれに特有の要件があります。これらの要件を満たさない場合、遺言書は無効となる可能性があります。

 

 

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遺言書を無効にする手続き

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員が合意して遺産を分割する方法です。遺言書の内容に納得できない場合、相続人全員が合意すれば、遺言書の内容に従わずに遺産を分割することが可能です。

 

この方法は、裁判所での手続きや費用を避けるため、まず試みるべき手段です。ただし、全員の合意が得られない場合は、次の手続きに進む必要があります。

 

 

遺言無効確認調停

遺言無効確認調停は、家庭裁判所で行われる手続きで、遺言書の無効を確認するための調停です。調停委員が仲介し、相続人同士の合意を模索します。

 

調停前置主義が採用されているため、訴訟を提起する前に必ず調停を経る必要があります。調停が成立すれば、遺言書は無効とされ、その後は相続人全員で遺産分割協議を行います。

 

 

遺言無効確認訴訟

遺言無効確認訴訟は、家庭裁判所での調停が不成立の場合に提起される訴訟です。裁判所に対して遺言書が無効であることの確認を求める手続きで、遺言書の有効性に疑問を抱く相続人が提起します。

 

訴訟では、遺言書の無効を主張する側が証拠を提出して、裁判所が遺言の有効性を判断します。この手続きには時間と費用がかかりますが、公正な遺産分配を求めるための重要な手段です。

 

 

<参考>
【遺言能力鑑定】遺言書無効確認訴訟の勝率は?難しい理由と対処法

 

 

 

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遺言書の無効を申し立てる費用

裁判所への費用

遺言書の無効を申し立てる際、裁判所に納める費用としては、収入印紙代と郵便切手代が必要です。収入印紙代は、遺言が無効になると増える遺産の金額に応じて裁判所の手数料が決まります。

 

例えば、遺産が2000万円増えるケースでは、8万円の収入印紙が必要です。裁判所の手数料額早見表で、おおよその金額は算出できます。

 

郵便切手代は、裁判所からの通知や書類の送付に使用されるため、これも必要な費用の一部です。

 

 

弁護士への費用

弁護士に依頼する場合、着手金と成功報酬が必要になります。着手金は、経済的利益に応じて異なります。

 

金額

着手金

報酬金

~300万円

8%(最低10万円)

16%

300万円~3000万円

5%+9万円

10%+18万円

3000万円~3億円

3%+69万円

6%+138万円

3億円~

2%+369万円

4%+738万円

 

例えば、300万円以下の場合は請求額の8.8%、300万円を超え3000万円以下の場合は請求額の5.5%+9万9000円とされています。

 

成功報酬も同様に、取得する遺産額に応じて異なります。例えば300万円以下の場合は回収額の17.6%、300万円を超え3000万円以下の場合は回収額の11%+19万8000円などとされています。

 

 

遺言書が無効となる一般的な理由

遺言能力の欠如

遺言能力とは、遺言の内容を理解して、その結果を認識できる能力です。遺言者が遺言を作成する際に、認知症などで遺言能力が欠如していると、遺言は無効になります。

 

 

<参考>
認知症の人に遺言書を書かせるのは有効か?|遺言能力鑑定

 

 

証人欠格

遺言書の作成には証人が必要ですが、証人として認められない人が証人となると、遺言は無効となります。例えば、未成年者が証人になることは認められません。

 

 

方式違背

遺言書は、法律で定められた方式に従って作成されなければなりません。例えば、自筆証書遺言の場合、全文を自書し、日付と署名を記載し、押印する必要があります。これらの方式に違反していると遺言は無効になります。

 

 

錯誤、詐欺、強迫

遺言が錯誤、詐欺、または強迫によって作成された場合、その遺言は無効になります。

 

例えば、遺言者が誤った情報を信じて遺言を作成したり、詐欺や強迫によって遺言を強制された場合が該当します。

 

 

公序良俗違反

遺言の内容が公序良俗に反していると、遺言は無効になります。例えば、不倫相手に遺産を遺贈する内容の遺言は、公序良俗に反すると判断される可能性が高いです。

 

 

撤回の撤回

遺言者が一度撤回した遺言を再度撤回することはできません。撤回の撤回は無効とされ、最初の撤回が有効となります。

 

 

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遺言書の無効は遺言能力鑑定で主張する

遺言者の遺言能力が争点になるケースが多い

遺産分割協議や遺言無効確認調停が不調に終わり、遺言無効確認訴訟に移行すると、争点は、相続人の資格、遺産の範囲、遺言の有効性などになります。これらの中では、遺言者の遺言能力が争点になるケースが多いです。

 

 

遺言能力鑑定という選択肢

遺言者が認知症で、遺言能力が争点になっている場合は、障害された脳機能と障害された脳部位の整合性が問題になるケースが珍しくありません。

 

遺言能力の有無を主張するために、各種の神経心理学検査、画像検査、介護保険の認定調査票などの資料を詳細に検討する必要があります。

 

しかし現実的には、認知症専門医ではない弁護士や司法書士が、これらの資料を読み込んで正確に評価することは困難です。

 

この問題を解決するツールとして、遺言能力鑑定があります。遺言能力鑑定は、認知症専門医が各種資料を精査して、被相続人の遺言能力の有無を鑑定します。

 

遺言能力鑑定は費用がかかりますが、訴訟における有力な資料となります。また、遺言書作成時に取得しておくと、遺言能力の証明になるでしょう。

 

 

<参考>

 

 

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遺言書の無効を争う際のポイントと注意事項

弁護士選定の基準とポイント

弁護士を選定する際には、いくつかの基準とポイントがあります。まず、弁護士の専門分野や実績を確認することが重要です。特に、相続や遺言に関する問題に強い弁護士を選ぶと良いでしょう。

 

また、弁護士の人柄やコミュニケーション能力も重要なポイントです。相談しやすい弁護士を選ぶことで、スムーズに問題を解決できる可能性が高まります。

 

さらに、弁護士費用についても事前に確認しておき、納得のいく形で契約を結ぶことが大切です。

 

 

家庭裁判所と地方裁判所の違い

家庭裁判所と地方裁判所は、それぞれ異なる役割を持っています。地方裁判所は、人を傷つけた犯罪やお金のトラブルなどを扱います。家庭裁判所は、家族の問題や20歳未満の人が犯した犯罪を扱います。

 

 

証拠収集の重要性と手法

訴訟において証拠収集は非常に重要です。当事者は、証拠に基づいて、主張する事実が存在するか否かを証明する必要があります。

 

遺言能力を争う訴訟では、以下のような資料を収集しておく必要があります。

 

  • 診断書
  • 遺言時の頃に遺言者が記載した文書
  • 遺言時の頃に撮影した遺言者の動画
  • 遺言時の頃の遺言者に関する日記

 

 

これらの資料によって、遺言者の遺言能力の有無を確認できる可能性があります。

 

 

<参考>
【遺言能力鑑定】意思能力の有無を専門医が証明|相続争い

 

 

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調停と訴訟の選択肢

調停と訴訟にはそれぞれメリットとデメリットがあります。調停は、当事者同士が合意のもとで解決を目指す手続きであり、費用や時間の負担が比較的少ないという利点があります。

 

しかし、合意が得られなければ何も決まらないため、再度調停を試みるか、訴訟に移行する必要があります。一方、訴訟は裁判官が法的な判断を下す手続きであり、最終的な解決を目指す場合に有効です。

 

 

当事者間の和解交渉のコツ

和解交渉を成功させるためには、いくつかのコツがあります。まず、和解の本質は当事者がお互いに譲歩することです。

 

また、お互いの優先順位を把握した上で、譲れる点は譲って、譲れない部分に集中することが重要です。

 

当方が有利になる証拠や書類をあらかじめ準備しておき、交渉の進め方を計画しましょう。

 

 

遺言書の無効申し立ての時効

遺言書の効力については、民法上は消滅時効などの期間制限は設けられていません。そのため、遺言書の無効を申し立てることはいつでも可能です。

 

ただし、あまり期間が経過してから申し立てると、証拠収集が困難になるため、早めに遺言書の無効を申し立てることが望ましいです。

 

 

遺言書が無効になった後の遺産分割

遺産分割協議を行う

遺言書が無効とされた場合、まず相続人全員で遺産分割協議を行います。遺産分割協議とは、相続人全員が集まり、遺産の分配方法について話し合う手続きです。

 

協議が成立すれば、その内容に基づいて遺産が分配されます。協議が円滑に進むためには、相続人間の信頼関係やコミュニケーションが重要です。

 

 

遺産分割協議が決裂すれば調停や審判に移行する

遺産分割協議が成立しない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停では、調停委員が仲介し、相続人間の合意を目指します。

 

調停でも合意に至らない場合は、審判に移行し、裁判官が遺産分割の方法を決定します。審判の結果に従って遺産が分配されます。

 

 

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遺言書が無効にならなかった時の対応法

 

遺言書が無効にならない場合、遺留分侵害額請求を通じて、相続財産の最低限の取り分を守ることができます。遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に保証された取り分です。

 

遺言書によって遺留分が減らされた場合、侵害された相続人はその分の金銭を請求できます。請求の期限は、相続開始から1年以内、または相続開始から10年以内です。

 

 

遺言書の作成におけるリスク回避方法

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

公正証書遺言は、公証人が作成し、公証役場で保管される遺言書です。これに対し、自筆証書遺言は遺言者本人が手書きで作成し、自宅などで保管されます。

 

公正証書遺言は法的な信頼性が高く、無効になるリスクが低い一方で、自筆証書遺言は手軽に作成でき、費用がかからない点が特徴です。

 

 

公正証書遺言のメリットとデメリット

公正証書遺言のメリットは、法律の専門家である公証人が作成するため、無効になるリスクが低く、変造や紛失の心配がないことです。

 

一方、公正証書遺言のデメリットは、作成には費用がかかり、手続きが煩雑である点です。

 

 

家族内トラブルを避けるための予防策

家族内トラブルを避けるためには、遺言書の内容を明確にし、相続人全員に公平な分配を行うことが重要です。

 

また、遺言書の作成時には、税理士や弁護士、司法書士などの専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

 

 

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まとめ

 

遺言書は、遺産の分け方や相続人の指定など、遺言者の意思を反映させる重要な書類です。しかし、遺言書が無効となることもあります。

 

無効になる理由には、遺言者の認知症や証人の不適格、記載方法の違反などがあります。もし遺言書が無効と判断された場合、遺産分割協議や調停、訴訟を通じて解決します。

 

また、遺言能力に問題がある場合、遺言能力鑑定を行うことも有効です。遺言能力でお困りの事案があれば、お問合せフォームからご連絡下さい。

 

 

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