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交通事故による「むちうち」の症状や後遺症とは?|医療鑑定

交通事故で受傷した「むちうち」にはどのような症状があるのでしょうか。また、むちうちで残る可能性のある後遺症も心配ですね。

 

本記事は、現役の整形外科医が、交通事故で負った「むちうち」の症状や後遺症について説明しています。

 

 

最終更新日:2024/5/9

 

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むちうち(頚椎捻挫)とは

 

むちうちとは、交通事故などで頭が強く揺さぶられて首に負担がかかってしまい、痛みやしびれが出るケガです。むちうちの正式名称は外傷性頚部症候群で、頚椎捻挫と呼ばれることもあります。

 

交通事故の後遺障害診断書の傷病名に「むちうち」と記載されることはほとんど無く、以下のような病名が記載されます。

 

 

  • 外傷性頚部症候群
  • 頚椎捻挫(頸椎捻挫)
  • 頚部捻挫
  • バレリュー症候群
  • 頚椎症
  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)

 

 

<参考>
【医師が解説】外傷性頚部症候群の後遺障害認定ポイント|交通事故
【医師が解説】頚椎捻挫が後遺症認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】むちうち後遺症が首の痛みだけで後遺障害認定される?
【医師が解説】バレリュー症候群の後遺障害認定ポイント|交通事故
【医師が解説】頚椎椎間板ヘルニアが後遺症認定されるコツ|交通事故
【医師が解説】脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の後遺症|交通事故

 

 

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むちうちの症状はさまざま

 

むちうちの主な症状は、首の痛みや上肢のしびれです。しかし、被害者によって、以下のようなさまざまな症状があります。

 

  • 首の痛み
  • 上肢のしびれ、痛み、脱力感
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 耳鳴り
  • 動悸
  • 眼精疲労
  • 全身倦怠感

 

 

むちうちの症状は、時間の経過とともに軽快していきます。しかし、いつまで経っても治らないことがあり、残った症状を「後遺症」と呼びます。

 

 

<参考>

 

 

 

nikkei medical

 

 

むちうちの症状は事故の直後から出るの?

事故当日から翌日に症状が出るケースが多い

むちうちの症状は、交通事故に遭った当日から翌日にかけて出ることが最も多いです。しかし、当初は症状がそれほど強くないケースが多いです。

 

 

むちうちの症状が強くなるのは事故の翌日以降

むちうちの症状が強くなるのは、交通事故の直後ではなく、数時間~1日後のケースが多いです。

 

交通事故に遭った直後は、首の炎症はそれほど強くありません。このため、むちうちの症状をあまり感じないのです。

 

しかし、交通事故から数時間もすると、首の炎症が強くなっていきます。事故現場では痛くなくても、翌日に痛みが強くなることが多いので注意しましょう。

 

 

むちうちの症状は事故から3日以内に発症する

むちうちの症状は、交通事故から3日(72時間)以内に発症するケースがほとんどです。

 

受傷してから72時間という数字は、ある有名な医学論文で記載されている期間です。そして医師としての肌感覚とも、おおむね合致します。

 

 

<参考>
【医師が解説】むちうち症状が出るまでの期間|交通事故の後遺症

 

 

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むちうちの症状を事故直後から治療するべき3つの理由

 

交通事故の直後は、むちうちの症状はそれほど強くありません。しかし、少しでも違和感を感じれば病院に行くべきでしょう。その理由は、以下の3つです。

 

  • むちうちの症状が強くなるのは事故翌日
  • むちうちの症状と事故の因果関係を否定される
  • むちうちの後遺症が残っても後遺障害に認定されない

 

 

むちうちの症状が強くなるのは事故翌日

むちうちの症状が酷くなるのは、事故の翌日であるケースが多いです。事故の当日は、首の違和感程度のことも珍しくありません。

 

病院では、むちうちの症状に応じて痛み止め(消炎鎮痛剤)などが処方されます。

 

首の炎症が酷くなる前に痛み止めを飲み始めると、治療期間を短くできる可能性があります。

 

このため、交通事故当日の症状が軽くても、医療機関を受診する方が望ましいです。

 

 

むちうちの症状と事故の因果関係を否定される

交通事故に遭っても、自宅で痛みやしびれを我慢している患者さんを時々見かけます。

 

「仕事が忙しかった」「そのうち自然に治ると思っていた」「連休中で受診できなかった」など理由はさまざまです。

 

しかし、病院に行くのが交通事故から2週間後だと、むちうちの症状は事故と無関係とみなされる可能性があります。

 

受診が難しい事情もあるかもしれませんが、事故に遭ったら一刻も早く病院を受診しましょう。

 

 

むちうちの後遺症が残っても後遺障害に認定されない

むちうちの症状を治療しても、首の痛みや上肢のしびれなどの後遺症が残るケースがあります。

 

その場合には、自賠責保険に後遺障害の申請します。しかし、事故から3日以内に受診していないと、後遺障害に認定される可能性はほとんどありません。

 

自賠責保険から後遺障害に認定されるためにも、交通事故に遭ったらすぐに病院を受診する必要があります。

 

 

<参考>
【医師が解説】頚椎捻挫(むちうち)の後遺症認定のヒント|交通事故

 

 

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むちうちの治療は整形外科と整骨院のどちら?

むちうちの治療は整形外科が有利

治療効果や後遺障害認定率の高さから、可能であれば整形外科に通院するべきでしょう。

 

しかし、整形外科は数が少なく、診療時間が短いです。このため、郊外に住んでいる人や、仕事が忙しい人は通院しにくいかもしれません。

 

そのような場合には、整骨院(接骨院)での施術も選択肢のひとつです。

 

 

整骨院では整形外科への通院が必要

整骨院に行く場合の注意点は、整形外科への通院も併用することです。

 

整骨院で施術を受けるだけでは、保険会社から早期に任意一括対応を打ち切られやすいです。

 

また、むちうちの後遺症が残っても、自賠責保険で後遺障害に認定される可能性はゼロです。

 

 

<参考>

 

 

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Traffic accident patient

 

 

むちうちの症状で考えられる後遺障害

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

自賠責保険における神経症状とは痛みです。しかし、首の痛みだけではなく上肢のしびれや痛みが必須です。

 

その理由は、12級13号が認定されるためには自覚症状だけではなく、客観的な身体所見が必要だからです。身体所見は神経学的所見の推移についてという書式に記載されます。

 

上肢の客観的な身体所見には、筋力低下、筋肉の萎縮(やせて細くなる)、深部腱反射の異常(医師が打腱器を使って行う検査)があります。

 

しかし、首の痛みは、客観的な身体所見は想定されません。このため実務的には、首の痛みだけでは、むちうちで12級13号が認定される可能性は極めて低いのです。

 

 

<参考>

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

局部とは、むちうちでは首のことです。神経症状には、首の痛みや頭痛だけでなく、上肢のしびれや痛み、めまい、嘔気なども含まれます。

 

12級13号と14級9号の違いは、14級9号では症状の原因を客観的に証明する必要が無い点です。

 

つまり、14級9号であれば、むちうちが首の痛みだけで後遺障害に認定される可能性があると言えます。

 

 

<参考>
【国土交通省】後遺障害等級表
【医師が解説】むちうち後遺障害12級、14級のポイント|交通事故

 

 

まとめ

 

むちうちの主な症状は、首の痛みや上肢のしびれですが、以下のような症状もあります。

 

  • 首の痛み
  • 上肢のしびれ、痛み、脱力感
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 耳鳴り
  • 動悸
  • 眼精疲労
  • 全身倦怠感

 

 

むちうちの治療は、治療効果や後遺障害認定率の高さから、整形外科が有利です。

 

むちうちの症状が残ってしまい後遺症になった場合には、自賠責保険から後遺障害12級13号や14級9号に認定される可能性があります。

 

むちうちで後遺症が残ったのに、自賠責保険の後遺障害が非該当になってお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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