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【医師が解説】むちうち症状の伝え方3つのポイント|医療鑑定

交通事故の「むちうち」の症状は多彩です。すべての症状を医師に伝えるのは難しいと思うかもしれません。

 

しかし、むちうちの症状を医師に正確に伝えられなければ、後遺障害の認定に極めて不利です。症状を正確に医師に伝えることが後遺障害認定のキモと言えるでしょう。

 

本記事は、現役の整形外科医が、むちうちの症状を医師に伝えるポイントを説明しています。

 

 

最終更新日: 2024/9/7

 

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むちうち(頚椎捻挫)の症状

 

むちうちの症状は多彩です。頚部痛、肩こりなどの首を中心にした症状がメインですが、以下のような症状があります。

 

  • 首の痛み
  • 肩こり
  • 上肢のしびれ、痛み、脱力感
  • 上肢の脱力感
  • 頭痛
  • めまい
  • 嘔気
  • 耳鳴り
  • 下肢のしびれ
  • 動悸
  • 全身倦怠感

 

 

私たち医師が日常診療していて最もよく見かける症状は、首の痛み、肩こり、上肢のしびれや痛み、頭痛の4つです。

 

 

<参考>
日経メディカル|あなどれない「むち打ち」の後遺症、首にとどまらない驚きの症状とは

 

 

whiplashassociateddisorders

 

 

むちうち症状の伝え方が重要な理由

 

むちうちの症状を医師に正確に伝えることが重要なのは、以下の3つの理由によります。
 

  • 適切な診断を受けるため
  • 適切な治療を受けるため
  • 適切な後遺障害認定を受けるため

 

 

適切な診断を受けるため

むちうちの全ては、適切な診断を受けるところから始まります。一言でむちうちと言っても、いろいろな傷病の集合体です。そもそも「むちうち」は正式な医学用語ではありません。

 

むちうち症状の原因となるものには以下に挙げるものがあります。
 

  • 背骨
  • 脊髄(頚髄)
  • 神経根
  • 背骨周囲の軟部組織

 

医師は、むちうち症状の原因を診断して適切な傷病名をつけます。その診断を元にして治療を行うため、適切な診断はとても重要です。

 

 

適切な治療を受けるため

適切な診断をした後に治療が始まります。例えば背骨や脊髄に大きな問題があるのに、背骨周囲の軟部組織に対する治療を行うと症状が悪化する可能性があります。

 

このため、医師に正確にむちうち症状を伝えることが極めて重要です。何も言わなくても医師は分かってくれると思ってはいけません。

 

 

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適切な後遺障害認定を受けるため

むちうちの治療をしっかり受けても、患者さんの中には症状が残ってしまう方がいます。その場合には、自賠責保険から後遺障害に認定される可能性があります。

 

しかし、むちうち症状を正確に医師に伝えていないと、自賠責保険から後遺障害が認定されない可能性が高まります。

 

何故なら、自賠責保険は書類審査しか実施しないからです。むちうち症状が残っていても、医師に伝わっていなければ診断書に反映されません。

 

診断書に症状が記載されていないと、自賠責保険は「その症状は無い」ものと判断します。これでは適切な後遺障害認定を受けることができないのは明らかですね。

 

 

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むちうち症状を伝える3つのポイント

 

むちうちには、さまざまな症状があります。主なものは首や肩ですが、それ以外の症状もしっかり伝えましょう。伝え方のポイントは以下の3点です。

 

  • いつから症状があるのか
  • どこに症状があるのか
  • どのような症状なのか

 

 

いつから症状があるのか

むちうち症状がいつから発症したのかは、とても重要です。例えば、事故直後から発症した手のしびれであれば、医師は背骨や神経の傷害を疑います。

 

レントゲン検査で背骨に異常が無くても、症状が強ければ頚椎MRI検査を検討する可能性があります。

 

 

どこに症状があるのか

どこに症状があるのかも重要です。例えば、手だけではなく足にもしびれがあれば、脊髄に傷害が及んだ可能性もあります。

 

レントゲン検査で背骨に異常が無くても、深部腱反射に異常があれば頚椎MRI検査を検討する可能性があります。

 

 

<参考>
【医師が解説】深部腱反射は12級の後遺症認定のポイント|交通事故

 

 

どのような症状なのか

どのような症状なのかも重要です。むちうちでは痛みやしびれ以外にも、手足のしびれや脱力感が出現する可能性があります。

 

特に手足の脱力感がある場合には、神経の傷害を疑いMRI検査などを検討する可能性があります。

 

これらの症状以外にも、めまい、嘔気、耳鳴り、動悸、全身倦怠感などの自律神経障害の症状が出る可能性があります。

 

 

<参考>
【日経メディカル】むち打ちによる耳鳴りや難聴は後遺障害になる?
【医師が解説】むちうちのめまいが後遺症認定されるヒント|交通事故

 

 

 

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むちうち症状を上手に伝えるコツ

症状を記載したメモを活用

医師は極めて多忙です。このため、限られた診察時間内に正確に症状を伝える必要があります。

 

私が患者さんから感銘を受けた症状の伝え方のひとつに、症状を簡潔に記載したメモがあります。

 

むちうち症状を伝える3つのポイントについて、簡潔に箇条書きしたメモを作成して医師に渡すのです。医師の立場では問診の手間を省けて非常に助かります。

 

 

症状を記載したメモを渡す時の注意点

メモを渡すときにも注意点があります。それは、分量をできるだけ絞ることです。医師に対して訴えたいことが山ほどあるのは理解できます。

 

しかし何度も言うように医師は極めて多忙です。長過ぎたり、まとまっていないメモでは十分に要点を伝えられません。

 

また、文字は大きく、綺麗に書くのは論を俟たないでしょう。

 

 

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むちうち症状を伝える時の注意点

 

私たちのグループには約40名の現役整形外科医が所属しています。グループメンバー医師の意見を集約すると、以下のケースは注意が必要です。

 

  • むちうち症状で嘘をつく
  • 症状を大袈裟に訴える
  • 診療に関係無い愚痴を言う

 

 

むちうち症状で嘘をつく

むちうち症状が強いことをアピールするために、嘘をつく方を散見します。整形外科医は日常的にたくさんの患者さんを診察しているため経験豊富です。

 

また医学的知識もたくさんあるため、嘘をつくとバレる可能性が高いと考えておくべきでしょう。

 

もちろん、主治医は表立って患者さんに「嘘をついている」とは言いません。しかし、カルテの行間にそれとなく詐病の疑いを記す可能性があります。

 

後遺障害が争いになって訴訟に至るとカルテが開示されます。その際に、そのような記載があると致命的な結果を引き起こす可能性があります。

 

 

症状を大袈裟に訴える

嘘をつくまでは行かないものの、症状を大げさに伝えるのも考えものです。医師は身体所見と症状が合わないと違和感を覚えます。

 

大袈裟な訴えは詐病を想起させるため、医師に警戒感を抱かせます。いったんこのような状態になると、その後の治療や後遺障害認定にかなり不利になるので注意が必要でしょう。

 

 

診療に関係無い愚痴を言う

よく見かけるのが、加害者や保険会社の愚痴を言う患者さんです。医師は極めて多忙です。

 

ただでさえ時間に追われているに、診療と関係無い愚痴に付き合わされた医師は内心うんざりしています。

 

医師も人間です。このような患者さんとは関わりたくないと思うのは容易に想像できるでしょう。

 

 

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むちうち症状を伝えても医師とうまくいかない場合

思い切って転院しましょう

むちうち症状を伝えても、適切な診断や治療が受けられていないと感じることがあります。そのような場合には、転院を考えるのも一法です。転院理由は、職場や自宅の近くで通いやすい等がスムーズです。

 

転院の際には、診療情報提供書(紹介状)を作成してもらいましょう。それだけで転院先の医師には好印象です。おすすめの転院先は以下の記事を参考にしてください。

 

 

<参考>
【医師が解説】むちうち(頚椎捻挫)の後遺症認定のヒント|交通事故

 

 

弁護士の介入は悪手

主治医とうまくいっていない場合に、弁護士に介入してもらうことを推奨しているサイトを散見します。

 

しかし、現役の整形外科医の立場では、このような手段を取るのは悪手と言わざるを得ません。弁護士の介入は主治医との関係を決定的に悪化させます。

 

治療目的、後遺障害認定目的のいずれの場合も、基本は主治医との良好な関係です。主治医を味方につけるメリットは計り知れません。

 

 

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【弁護士必見】むちうち診療でのアドバイス

 

むちうち事案で後遺障害に認定されるという観点では、受傷直後に受任して、交通事故被害者に伴走して症状固定に至るケースが理想的です。

 

パラリーガルによる交通事故被害者サポート体制さえ構築しておけば、弁護士にかかる負担はさほど大きくありません。

 

この手法では、むちうちが後遺障害に認定される確率が飛躍的に高くなるため、実践している法律事務所が増加していると感じています。

 

一方、被害者に伴走する法律事務所の悩みは「主治医に対して具体的なアクションを起こす際に、どこまで介入してよいのか分からない」でしょう。

 

医学的に的外れではないか? 主治医の気分を害して後遺障害認定に不利に働かないか? など判断に迷う点が多いと思います。

 

弊社では、顧問サービスを通じて、細かい点まで弁護士の質問に回答しています。また一般の法律事務所様には、等級認定サポートをご準備しています。

 

等級認定サポートは、1事案あたり整形外科8万円+税、脳神経外科10万円+税で、受任から症状固定まで弊社が弁護士と交通事故被害者に伴走します。

 

顧問サービスや等級認定サポートについてご質問があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

<参考>
顧問サービス|弊社ホームページ
等級認定サポート|弊社ホームページ
【年間1000例】医療鑑定の効果的な利用法|交通事故、遺言能力

 

 

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Traffic accident patient

 

 

むちうちの後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、むちうちの後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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むちうちの後遺症でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

 

Traffic accident patient

 

 

まとめ

 

交通事故の「むちうち」の症状は多彩です。しかし、むちうちの症状を医師に正確に伝えられなければ、後遺障害の認定に極めて不利です。症状を正確に医師に伝えることが後遺障害認定のキモと言えるでしょう。

 

むちうち症状の上手な伝え方は、以下の3点について簡易なメモ書きを作成して、主治医に手渡すことでしょう。

 

  • いつから症状があるのか
  • どこに症状があるのか
  • どのような症状なのか

 

医師との良好な関係はすべての基本です。むちうち症状を伝えても医師とうまくいかない場合は転院を考えましょう。

 

 

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