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【医師が解説】交通事故で整骨院(接骨院)がだめな理由と注意点

交通事故で首や腰を傷めたら、どこで治療すればよいのでしょうか。街を歩けば整骨院(接骨院)の看板が目に留まります。のぼり旗に交通事故専門を謳っている施設も多いですね。

 

でもちょっと待ってください! 何の知識もなく整骨院に行くと、後になって不利益を被る可能性があります。整骨院に行くに場合には、しっかりとした予備知識が必要です。

 

本記事は、交通事故で整骨院に行く際の注意点を知るヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2024/3/7

 

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整形外科と整骨院(接骨院)の違い

整形外科は病院や医院

整形外科は、病院や医院(クリニック)など医師が診療している医療機関です。整形外科では、レントゲン、CT検査、MRI検査、超音波検査などで、ケガの診断をすることが可能です。

 

診断だけではなく、痛み止めなどの処方や、ブロック注射を行うこともできます。骨折や靭帯損傷では、専門的な手術を行うケースも多いです。

 

また、診断や治療だけではなく、症状固定時期の判断や診断書作成も医師しか行えません。交通事故の受傷時から症状固定まで、すべてのステージで対応可能なのが整形外科のメリットです。

 

 

整骨院は施術を行う施設

整骨院は、柔道整復師が施術を行う施設です。整骨院では、捻挫・打撲・挫傷(肉離れ)・骨折・脱臼しか取り扱っていませんが、むちうちや腰椎捻挫は、これらの傷病に該当します。

 

整骨院では、レントゲンなどの画像検査を実施できず、また薬物療法や手術も受けられません。診断書も発行できないため、整骨院でできる交通事故の治療や賠償実務は限られています。

 

一方、整骨院のメリットは、営業時間が長いことでしょう。夜遅くまで開いている施設が珍しくないので、仕事帰りに立ち寄れるのは大きな強みです。

 

もし後遺症が残った場合、自賠責保険で後遺障害に認定されるためには、通院頻度が大きな影響を与えます。いつでも気軽に通える点が、整骨院の最大のメリットでしょう。

 

 

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整形外科と整骨院を併用できるの?

交通事故診療では整形外科と整骨院を併用できる

交通事故では、保険会社が治療費や施術料の支払いを承諾すると、整形外科と整骨院を併用できます。そして、整骨院に通院した期間は、慰謝料の対象になります。

 

一方、交通事故ではない一般のケガで健康保険を使う場合には、同じ傷病名では整形外科と整骨院を併用できません。どちらか一方にしか、健康保険が適用されないからです。

 

 

<参考>
【医師が解説】同じ日に整骨院と整形外科に通院できる?|交通事故

 

 

交通事故でも整骨院だけに通うのは避けよう!

交通事故では、整形外科と整骨院を併用できます。しかし、整形外科を受診せず、整骨院にしか通わないのは避けましょう。整骨院で施術を受ける際には、必ず整形外科にも通院する必要があります。

 

整骨院では、症状から類推して施術を行うだけなので、ケガの診断や評価をできません。このため、骨折、脱臼、靭帯損傷があっても気付かないケースがあります。このため、整骨院だけではなく、早めに整形外科で医師の診察を受けましょう。

 

 

交通事故で整骨院(接骨院)だけではダメな理由

 

整骨院には、敷居が低くて通い易いという大きなメリットがあります。その点を考慮しても、交通事故で整骨院(接骨院)をお勧めできない理由は以下の4点です。

 

  • ケガの診断や評価をできない
  • 早期に任意一括対応を打ち切られる可能性が高い
  • 慰謝料が少なくなる可能性がある
  • 後遺障害が認定されにくい

 

 

整骨院では、交通事故で負ったケガの診断や治療効果の評価をできません。骨折や靱帯損傷が見逃される可能性もあります。

 

賠償金に関しては、整骨院だけしか行っていないと、保険会社から早い段階で任意一括対応を打ち切られる傾向にあります。示談後の慰謝料が少なくなる可能性もあります。

 

また、自賠責保険は、整骨院を整形外科と同等とみなしていません。このため、整骨院に行っているだけでは、後遺障害に認定されないことを知っておくべきでしょう。

 

 

<参考>
【医師が解説】交通事故治療で保険会社が整骨院を認めない理由と対処法
【医師が解説】整骨院に行かない方がいいのか|交通事故の後遺障害

 

 

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Traffic accident patient

 

 

交通事故で整骨院に通う際の注意点

 

整骨院は、通い易いのがメリットです。整形外科への通院が難しい人でも、整骨院であれば通える人は少なくないでしょう。どうしても整骨院に行きたい人は、以下の2点を押さえた方が良いです。

 

  • 最初に整形外科を受診して診断を受ける
  • 整形外科に月2日以上は通院する

 

 

この2点を守っていれば、保険会社から任意一括対応を早期に打ち切られる可能性は低くくなります。また、後遺症が残った際にも、後遺障害に認定される可能性があります。

 

 

<参考>
【医師が解説】交通事故の通院が1ヶ月空くとどうなる?|後遺障害
【医師が解説】整骨院の通院頻度は?むちうち後遺障害認定|交通事故

 

 

【結論】交通事故では整形外科がベスト

 

ここまで、整形外科と整骨院の比較をしてきましたが、交通事故では整形外科に通うのがベストです。

 

診断、治療、そして後遺症が残った時の後遺障害認定率のどれを取っても、整形外科に軍配が上がります。

 

このため、近くに整形外科がある場合には、可能なかぎり整形外科への通院が望ましいでしょう。

 

どうしても整形外科に通院できない場合には、整骨院でも問題ありません。しかしその場合でも、整形外科の併用は必須です。

 

 

<参考>
【日経メディカル】交通事故で接骨院通院が勧められない3つの理由

 

 

 

nikkei medical

 

 

【弁護士必見】整骨院だけの事案は確実に非該当

 

多くの方がご存知のように、整骨院だけしか行っていない事案は、確実に非該当になります。また、整形外科を併用しているケースでも、月に1日程度では後遺障害に認定されません。

 

弊社にも、全国の法律事務所からたくさんの事案が持ち込まれますが、月1回しか整形外科に通院していないケースが少なくありません。

 

残念ながら、そのような事案では、どれほど重い後遺症が残っていても後遺障害に認定されません。交通事故事案を受任するか否かを判断する際には、整形外科への通院頻度も参考にするべきでしょう。

 

整骨院だけではなく整形外科を併用しているものの、通院頻度が少なくて判断に迷う事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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Traffic accident patient

 

 

まとめ

 

交通事故で、整骨院だけに通うのがだめな理由として、以下の4点が挙げられます。

 

  • ケガの診断や評価ができない
  • 早期に任意一括対応を打ち切られる可能性が高い
  • 慰謝料が少なくなる可能性がある
  • 後遺障害が認定されにくくなる

 

 

交通事故で整骨院に行くときの注意点は、最初に整形外科を受診することと、月に2回以上は整形外科にも通院することでしょう。

 

 

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