交通事故コラム詳細

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2022.11.18

自賠責実務

【医師が解説】整骨院に行かない方がいいのか|交通事故の後遺障害

交通事故の後遺障害認定で悩ましいのは、整骨院に行くべきか否かです。整骨院に行くと、後遺障害に認定されにくくなる可能性があるのでしょうか。

 

本記事は、交通事故の後遺症が後遺障害に認定されるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2024/4/20

 

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整骨院とは

 

整骨院とは、柔道整復師という国家資格取得者が施術を行う施設です。昔は、接骨院や「ほねつぎ」と呼ばれていました。柔道整復師は医師ではないので、整骨院は医療機関ではありません。

 

 

chiropractic

 

 

整骨院と整形外科の違い

 

整形外科(整形外科クリニック)は、医師が診療する医療機関です。整形外科が取り扱うのは、手足と背骨の傷病や関節リウマチのような慢性疾患です。

 

医師になるには、大学の医学部に合格した後に最低でも6年間の厳しい勉強と臨床実習が必要です。医学部に合格するには、東京大学に合格するのと同等以上の学力が必要と言われています。

 

厳しい試験に合格した医師には、すべての医療行為を行うことが法律で許可されています。

 

整骨院は、柔道整復師が施術を行う施設です。整骨院が取り扱うのは、捻挫・打撲・挫傷(肉離れ)・骨折・脱臼に限られます。

 

柔道整復師になるには、高校卒業後に専門学校で3年間勉強して柔道整復師国家試験に合格する必要があります。

 

取り扱う領域が似ているので混同しがちですが、整形外科と整骨院は全く異なります。このため、交通事故診療においても、両者を混同すると思わぬ不利益を被る可能性があるので注意が必要です。

 

 

整骨院、接骨院、整体院の違い

 

整形外科と整骨院の違いは分かりやすいです。しかし、整骨院、接骨院、整体院の違いは少々難しいかもしれません。

 

前述のように、整骨院と接骨院は同じで、柔道整復師という国家資格が必要です。

 

一方、整体院を開くのに特別な資格は必要ありません。一応「整体師」という民間資格を取得している人が多いようですが必須ではありません。

 

つまり、接骨院 = 整骨院 ≠ 整体院という関係です。整体院だけ国家資格は不要と覚えておけば良いでしょう。

 

 

整形外科と整骨院を併用できない

 

健康保険を使う場合には、同じ傷病名で整形外科と整骨院を併用できません。どちらか一方にしか、健康保険が適用されないのです。

 

一方、交通事故で保険会社が治療費や施術料の支払いを承諾した場合には、整形外科と整骨院を併用することができます。

 

 

整骨院のメリット

 

数が多く、夜遅くまで営業しているため、通いやすいことが最大のメリットです。

 

交通事故では通院頻度が後遺障害の認定に影響を与えます。近くに整形外科が無いケースでは、整骨院に通うことも検討しましょう。

 

 

shoulder pain

 

 

整骨院のデメリット

 

画像診断ができないので、症状や身体所見から類推して施術を行います。骨折、脱臼、靭帯損傷があっても気付かないケースもあります。

 

医療機関ではないので治療の幅が非常に限定されます。薬を処方できず、当然手術を施行することもできません。

 

また、自賠責保険では、整骨院での施術は整形外科への通院と同等とみなされません。このため、整骨院に頻回に通院するだけでは、後遺障害に認定されないことを知っておくべきでしょう。

 

 

整形外科医は整骨院を嫌がる?

 

整形外科医の多くは、受領委任払い制度を悪用した整骨院の不正請求を苦々しく思っています。

 

もちろん、不正請求しているのは一部の整骨院なのでしょうが、頻発する不正請求のために整骨院を嫌がる整形外科医が多いことは否めません。

 

 

整骨院に行くと後遺障害に認定されにくくなる?

 

弊社は年間1000事案ペースで交通事故事案の相談を受けています。その圧倒的な事案数を分析すると、整形外科医院と比較して、整骨院の方が後遺障害に認定される可能性が低いです。

 

整骨院に行くと後遺障害に認定されないわけではありません。しかし、整形外科医院にも通院してないと、後遺障害に認定される可能性はゼロです。

 

 

後遺障害認定には整形外科通院がベスト

 

同じ回数通院でも、整形外科と整骨院では後遺障害に認定される確率が全く異なります。

 

このため、近くに整形外科がある場合には、整形外科に通院することが望ましいでしょう。

 

近くに整形外科が無いケースでは整骨院でも問題ないですが、整形外科の併用は必須です。

 

 

<参考>
【医師が解説】交通事故で診断書が極めて重要な理由|提出先や期限も
【医師が解説】交通事故で整骨院(接骨院)がだめな理由と注意点

 

 

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【弁護士必見】医師が認めない整骨院通院は著しく不利

 

整形外科と整骨院の併用を認めていない都道府県医師会が多いです。このため、交通事故の診断書に整骨院に行くことを了承しない旨の記載のある診断書を散見します。

 

診断書に整骨院への通院を認めない旨の記載があると、後遺障害に認定される可能性は著しく低くなります。

 

 

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Traffic accident patient

 

 

まとめ

 

交通事故の後遺障害認定で悩ましいのは、整骨院に行くべきか否かです。整骨院は数が多く、また夜遅くまで営業している施設が多いです。

 

しかし、整骨院に行くと、後遺障害が認定されにくくなる傾向があります。交通事故で整骨院に行く場合には、整形外科の併用が必須です。

 

 

 

nikkei medical

 

 

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