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【医師が解説】高次脳機能障害に認定されない時の対処法|医療鑑定

交通事故で高次脳機能障害を負ったにもかかわらず、後遺障害に認定されなかったら諦めるしかないのでしょうか。

 

高次脳機能障害が後遺障害に認定されるにはどうすれば良いのかを知りたい人は少なくないでしょう。

 

また、交通事故後に体や心の変化を感じて、高次脳機能障害かもしれないと考えている被害者の御家族もいらっしゃると思います。

 

本記事は、高次脳機能障害が後遺障害に認定される条件や、認定されなかった場合の対処法について詳しく説明しています。

 

 

最終更新日: 2024/9/27

 

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高次脳機能障害の後遺障害認定基準とは

 

高次脳機能障害が後遺障害に認定される基準は、以下のように大きく分けて5つあります。それぞれの概要を順番に説明していきます。

 

  • 画像所見
  • 頭部外傷後の意識障害についての所見
  • 神経心理学的検査
  • 神経系統の障害に関する医学的意見
  • 日常生活状況報告書

 

 

画像所見

CT検査やMRI検査で、頭部外傷の傷跡が無ければ、高次脳機能障害に認定されません。脳挫傷、急性硬膜下血腫では、急性期から画像所見が認められます。

 

一方、びまん性軸索損傷は、重篤な症状にもかかわらず急性期には所見に乏しく、慢性期になって初めて脳萎縮を指摘できるケースも珍しくありません。

 

くも膜下出血は急性期には派手な所見がありますが、慢性期には異常所見が消失するケースが多いです。

 

 

<参考>

 

 

頭部外傷後の意識障害についての所見

高次脳機能障害を負うほどの頭部外傷では、受傷時に意識障害を起こすと考えられています。このため、高次脳機能障害に認定されるためには、受傷時の意識障害は必須です。

 

受傷時の意識障害の程度と持続期間は、主治医が作成する「頭部外傷後の意識障害についての所見」という医証で判断されます。

 

 

<参考>
【高次脳機能障害】頭部外傷後の意識障害についての所見|交通事故

 

 

神経心理学的検査

前述の2つの項目の両方を満たしていると、高次脳機能障害に認定されます。高次脳機能障害に認定されたら、次のステップはどの等級に該当するのかの審査に移ります。

 

高次脳機能障害の等級は、神経心理学的検査、神経系統の障害に関する医学的意見、日常生活状況報告書の3つの資料で審査されます。

 

神経心理学的検査とは、高次脳機能障害の症状である、認知障害、注意障害、人格変化、遂行機能障害を客観的に測定するための検査です。

 

 

<参考>
【医師が解説】神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント

 

 

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神経系統の障害に関する医学的意見

「神経系統の障害に関する医学的意見」は、高次脳機能障害を正しく評価するために、医師が作成する特別な診断書です。

 

これは、後遺障害の認定に必要な医証です。通常の後遺障害診断書とは違い、この医証は高次脳機能障害に特化しています。

 

 

<参考>
【高次脳機能障害】神経系統の障害に関する医学的意見|医療鑑定

 

 

日常生活状況報告書

「日常生活状況報告書」は、交通事故で高次脳機能障害が残った方が、普段どのような生活をしているかを自賠責保険に伝えるための書類です。

 

高次脳機能障害を持つ方は、自分の症状を理解しにくいため、家族や親しい人が代わりに報告書を作成する必要があります。

 

自賠責保険の後遺障害審査は書類で判断されるため、被害者の障害について詳しく書くことが大切です。後遺障害等級を左右する書類なので、経験豊富な弁護士のサポートを推奨します。

 

 

<参考>
【高次脳機能障害】日常生活状況報告の書き方とポイント|医療鑑定

 

 

高次脳機能障害の認定が難しい理由

 

高次脳機能障害は、症状が周囲に認識されるまで時間がかかることや、原因と症状のつながりがはっきりしないことがあり、診断が難しいケースがあります。

 

また、自賠責保険の後遺障害認定は、画像所見や診断書などの書類だけで審査されるため、いろいろな症状がある高次脳機能障害では、正確な等級判定が難しいです。

 

 

<参考>
【日経メディカル】交通事故後の高次脳機能障害を見逃すな!把握しにくい2つの理由

 

 

 

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高次脳機能障害が認定されない原因

後遺症が後遺障害認定基準を満たしていない

高次脳機能障害があっても、すべての後遺症が後遺障害に認定されるわけではありません。認定基準を満たさない程度の後遺症であれば、後遺障害に認定されない可能性があります。

 

高次脳機能障害と言っても、軽度の症状はリハビリテーションで改善するケースもあるため、症状固定の時点でどのような後遺症が残っているかが重要となります。

 

 

診断書の内容が不十分

高次脳機能障害があっても、以下の医証や書類がきちんと作成されていないと、後遺障害に認定されないことがあります。

 

  • 頭部外傷後の意識障害についての所見
  • 神経系統の障害に関する医学的意見
  • 日常生活状況報告書

 

 

後遺障害認定の審査は、画像検査、診断書、報告をもとにして行われます。これらの内容が不十分だと、後遺障害に認定されないケースがあります。

 

特に、高次脳機能障害では、日常生活状況報告書が重視されます。報告書を提出する前に、弁護士と協議して記載内容を吟味しておくことが重要です。

 

 

<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|医療鑑定

 

 

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【弁護士必見】高次脳機能障害に認定される異議申立て

後遺障害認定通知書の確認

高次脳機能障害が後遺障害に認定されなかった場合には、後遺障害認定通知書に記載されている非該当理由を精査する必要があります。

 

高次脳機能障害でも定型的な文章が多いため、審査側の意図を理解するには経験と知識が必要です。

 

しかし、非該当理由を知らずに異議申立てしても、結果が覆る可能性は極めて低いのが現実です。

 

 

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必要な追加資料の収集法

後遺障害認定通知書で非該当理由が判明すれば、不足している資料を収集する必要があります。

 

画像所見が無い場合には、慢性期の脳萎縮の存在を証明しなければなりません。また、画像鑑定報告書が有効となる可能性もあります。

 

「頭部外傷後の意識障害についての所見」が問題であれば、診療録や看護記録を取り寄せて、意識障害について精査する必要があります。

 

神経心理学的検査が問題であれば、他の検査を検討する必要があるかもしれません。

 

後遺障害診断書や「神経系統の障害に関する医学的意見」の記載内容が問題であれば、主治医への追記依頼や、追加の診断書を依頼するケースもあります。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

成功事例を参考にする

高次脳機能障害は、他の傷病と比べてやや特殊な領域です。このため、高次脳機能障害に認定された事例を精査することが非常に重要です。

 

弊社では、全国各地から膨大な数の高次脳機能障害事案の相談を受けています。当然、認定事案も数多く含まれているため、成功事例に事欠きません。

 

高次脳機能障害が認定されなくてお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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高次脳機能障害の異議申立てで弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、高次脳機能障害の異議申立てを成功させるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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高次脳機能障害が認定されなくてお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

 

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まとめ

 

交通事故で高次脳機能障害を負ったでも、後遺障害に認定されないケースがあります。その原因は、認定基準を満たしていない場合や、診断書や日常生活状況報告書の内容が不十分なことが多いです。

 

高次脳機能障害の後遺障害認定には、画像所見、意識障害の有無、神経心理学的検査の結果などが重要です。また、経験豊富な弁護士への依頼、追加資料の収集、成功事例を参考にすることも有効です。

 

 

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