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【高次脳機能障害】日常生活状況報告の書き方とポイント|交通事故

高次脳機能障害の後遺障害認定審査では、被害者の御家族や近親者が作成する「日常生活状況報告」が極めて重要です。

 

日常生活状況報告に記載されている内容で、高次脳機能障害が認定されたり、後遺障害等級が決まると言っても過言ではありません。

 

本記事は、日常生活状況報告の書き方とポイントを知ることで、高次脳機能障害が後遺障害認定されるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2024/4/25

 

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日常生活状況報告書とは

 

日常生活状況報告書とは、交通事故で後遺症の残った人が、日常的にどのように生活しているのかを、自賠責保険に報告するための書面です。

 

高次脳機能障害の方には病識が無いため、自賠責保険に後遺症をうまく伝えられません。このため、御家族や近親者が、日常生活状況報告書を作成します。

 

 

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日常生活状況報告書が高次脳機能障害の認定に重要な理由

 

むちうちや骨折では、医師が作成する診断書や画像検査が重要視されています。これらの傷病でも、日常生活状況報告書を提出するケースもありますが、主観性が強いため重要視されていません。

 

一方、高次脳機能障害では、医師が作成する頭部外傷後の意識障害についての所見神経系統の障害に関する医学的意見と同列に扱われています。

 

その理由は、高次脳機能障害は目に見えない後遺症だからです。自賠責保険は、日常生活での障害程度を知る必要があります。

 

しかし、医師は、被害者の具体的な日常生活を知る由がありません。このため、被害者と一緒に暮らしている家族や近親者による日常生活状況報告書が重視されています。

 

 

<参考>
【高次脳機能障害】頭部外傷後の意識障害についての所見|交通事故
【高次脳機能障害】神経系統の障害に関する医学的意見|交通事故

 

 

日常生活状況報告書の書き方と注意点

 

daily living conditions report 1
daily living conditions report 2

 

 

日常生活状況報告書には、以下のように2種類の回答様式があります。

 

  • 選択式(0~4の5段階+N(当てはまらない))
  • 自由記載

 

 

それぞれの項目について、被害者の状況を思い浮かべながら、選択もしくは記載していきます。

 

選択式の場合、0(問題がない)や1(多少問題はある)よりも、3(直接的な手助けが必要)や4(周囲の人が後始末をしなければならない)の方が重症です。

 

しかし、被害者の実情に反して3や4を選択したり、自由記載欄で後遺症の程度を「盛る」ことはご法度です。その理由は、神経心理学的検査神経系統の障害に関する医学的意見との整合性が無くなるからです。

 

もちろん、神経心理学的検査や神経系統の障害に関する医学的意見と完全に一致する必要はありません。しかし、極端に異なると日常生活状況報告書の信憑性が無くなり、後遺障害認定審査に悪影響を及ぼします。

 

 

<参考>
【医師が解説】神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント
【日経メディカル】交通事故における曖昧な高次脳機能障害の定義

 

 

 

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【弁護士必見】日常生活状況報告書の書き方のポイント

事故前後の生活状況の変化を記載する

日常生活状況報告書の自由記載欄では、現在支障が生じていることを中心に記載しがちです。しかし、事故前後の生活状況の変化もしっかり記載しましょう。

 

特に、もともと能力が高かった人は、世の中の平均値と比較すると、事故後にも病的とまで言えない場合があります。このようなケースでは、事故前後の変化を記載することが重要です。

 

 

別紙の添付を検討する

日常生活状況報告書の自由記載欄は小さいため、実際の後遺症を詳細に伝えることが難しいです。この問題を解決するために、別紙の添付を検討しましょう。

 

 

高次脳機能障害の4大症状を中心に記載する

別紙を添付する場合は、記載スペースの制限が無くなります。しかし、要領を得ない内容を延々と書き連ねても、自賠責保険に後遺症の程度が伝わりません。

 

自賠責保険の後遺障害認定審査では、以下の高次脳機能障害の4大症状について後遺症の程度が精査されます。

 

  • 記憶障害
  • 注意障害
  • 遂行機能障害
  • 社会的行動障害

 

 

したがって、別紙でも高次脳機能障害の4大症状毎に具体的な支障を記載します。自賠責保険の審査過程を踏襲することで、効果的に後遺症の程度を伝えることが可能となります。

 

 

<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害の4大症状は?|交通事故

 

 

注意障害と社会的行動障害はエピソードを交えて記載する

高次脳機能障害の4大症状の中でも、注意障害と社会的行動障害は、「神経系統の障害に関する医学的意見」「神経心理学的検査」だけでは分かりにくいです。

 

自賠責保険が、注意障害と社会的行動障害をイメージしやすくするために、エピソードを交えて記載することが効果的です。

 

 

<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害が後遺症認定されるポイント|交通事故

 

 

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まとめ

 

日常生活状況報告書とは、交通事故で後遺症の残った人が、日常的にどのように生活しているのかを、自賠責保険に報告するための書面です。

 

高次脳機能障害の認定において、日常生活状況報告書は極めて重要です。日常生活状況報告書の書き方のポイントは以下の4つです。

 

  • 事故前後の生活状況の変化を記載する
  • 別紙添付を検討する
  • 別紙では高次脳機能障害の4大症状を中心に記載する
  • 注意障害と社会的行動障害はエピソードを交えて記載する

 

 

高次脳機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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