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【医師が解説】頸肩腕症候群とは?症状のセルフチェックも|交通事故

頸肩腕症候群は、交通事故の後遺障害診断書でときどき見かける傷病名です。しかし、頸肩腕症候群は外傷による傷病というよりも、慢性疾患に近い概念です。

 

本記事は、頸肩腕症候群が後遺障害認定されるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2023/3/25

 

 

頸肩腕症候群とは

 

首から肩や腕にかけて、痛みやシビレを発症する傷病です。交通事故後にも発症しますが、多くの症例でははっきりとした原因が分かりません。

 

頚椎のレントゲン検査やMRI検査で加齢性変化以外の大きな異常所見をみとめず、また腱板断裂や肩関節周囲炎(五十肩)が否定される症例に対して、頸肩腕症候群という傷病名がつけられるケースが多いです。

 

 

stiff shoulders

 

 

頸肩腕症候群の原因

 

頸肩腕症候群の原因として以下が挙げられます。最も多いのは、はっきりとした原因が分からない症例です。

 

  • 特発性(原因不明)
  • 首、肩、腕などの筋肉の緊張
  • 姿勢の悪さ(猫背)
  • 心因性ストレス
  • 交通事故などの外傷

 

 

頸肩腕症候群の患者さんでよく見かけられるのは、長時間同じ姿勢を取り続ける事務作業や、調理などの手を酷使する職業の人です。

 

 

頸肩腕症候群の鑑別診断

 

頸肩腕症候群の鑑別診断として、以下の傷病が挙げられます。頸肩腕症候群は、以下の疾患を除外したうえで診断されます。

 

  • 頚椎椎間板症
  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 胸郭出口症候群
  • 腱板断裂
  • 肩関節周囲炎
  • 脳脊髄疾患
  • 糖尿病による神経症状

 

 

<参考>
【医師が解説】頚椎椎間板ヘルニアが後遺症認定されるコツ|交通事故
【医師が解説】胸郭出口症候群が後遺症認定されるヒント|交通事故
【医師が解説】腱板断裂の後遺障害認定ポイント|交通事故

 

 

交通事故での頸肩腕症候群の受傷機序

 

交通事故でみかける頸肩腕症候群は、いわゆる頚椎捻挫(むちうち)の一種と思われます。両者は症状がオーバーラップしています。

 

交通事故での頸肩腕症候群の受傷機序は、むちうちと同様に自動車乗車中に後方から追突されるケースが多いです。

 

 

頸肩腕症候群の症状

 

頸肩腕症候群の症状として、以下が挙げられます。むちうちのバレリュー症候群に類似した症状です。

 

  • 首、肩、腕から手にかけての痛みやしびれ
  • 腕や手の筋力低下(脱力感や字を書きにくくなる)
  • 腕や手の循環障害(腕や手が冷たくなる)

 

 

<参考>
【医師が解説】バレリュー症候群の後遺障害認定ポイント|交通事故

 

 

neck pain

 

 

頸肩腕症候群の診断

 

頸肩腕症候群の診断は、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群、腱板断裂、肩関節周囲などの傷病を除外して行います。

 

レントゲン検査やMRI検査で、これらの傷病の所見が無い症例が、頸肩腕症候群となります。

 

 

頸肩腕症候群のセルフチェック

 

以下のような症状が複数あれば、頸肩腕症候群の可能性があります。

 

  • 首、肩、腕から手にかけての痛みやしびれ
  • 腕の脱力感
  • 腕が重い
  • 字を書きにくい
  • 腕や手が冷たい
  • 仕事をしていると症状が強くなる
  • 不眠
  • 食欲低下

 

 

頸肩腕症候群に対する治療

頸肩腕症候群の薬物療法

消炎鎮痛剤や筋弛緩剤が処方されます。症例によっては、精神安定剤が処方されるケースもあります。

 

 

物理療法やリハビリテーション

首、肩、腕の筋肉の緊張をやわらげることを目的として、温熱療法やリハビリテーションも有効です。

 

 

生活習慣の改善

頸肩腕症候群の原因となっている仕事環境の見直しや制限が必要です。

 

 

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Traffic accident patient

 

 

頸肩腕症候群で考えられる後遺障害

 

自賠責保険において、頸肩腕症候群の後遺障害は、むちうち(頚椎捻挫)に準じます。

 

 

12級13号認定可能性はほぼゼロ

局部とは、頸肩腕症候群においては頚椎(首)をさします。神経症状とは、頸肩腕症候群に由来する症状をさします。頚部痛に留まらず、肩こり、上肢のしびれや痛み、めまいや頭痛、嘔気なども含まれます。

 

14級9号との大きな違いは、「障害の存在が医学的に証明できるもの」という箇所です。12級13号認定のためには、まずレントゲンやMRIで客観的(他覚的)な異常所見があることが前提になります。

 

異常所見には骨折や脱臼はもちろんですが、その他にも椎間板ヘルニアや骨棘(頚椎加齢の変化)、椎間板高の減少(加齢による変性で椎間板の厚みが減少する)も含まれます。

 

しかし、頸肩腕症候群の定義は、レントゲン検査やMRI検査で加齢による変性以外の異常所見を認めないです。このため、頸肩腕症候群で12級13号に認定される可能性はほとんどないと考えられます。

 

 

14級9号が頸肩腕症候群の実質的等級

局部とは、頸肩腕症候群では頚椎(首)をさします。神経症状とは、頸肩腕症候群に由来する症状をさします。頚部痛に留まらず、上肢のしびれや痛み、めまい、頭痛、嘔気なども含まれます。

 

将来においても、回復は見込めないと医師が判断した状態であること(症状固定)が前提になります。

 

症状の常時性(時々痛みがあるのではなく、常に痛みがある)が認定要件です。「天気が悪いときに痛い」といったように症状の消失する時間があると認定されません。

 

また、交通事故と本人の感じる後遺症に因果関係が認められることが条件となるため、あまりに車体の損傷が小さい軽微な交通事故は非該当とされることが多いです。

 

 

 

nikkei medical

 

 

【弁護士必見】頸肩腕症候群の後遺障害認定ポイント

 

前述のように、頸肩腕症候群の後遺障害は、むちうち(頚椎捻挫)の14級9号の自賠責認定基準に準じます。以下のリンクに、むちうちの後遺障害認定ポイントを詳述しています。

 

<参考>
【医師が解説】頚椎捻挫(むちうち)の後遺症認定のポイント|交通事故

 

 

頸肩腕症候群でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

inquiry

 

Traffic accident patient

 

 

まとめ

 

頸肩腕症候群とは、首から肩や腕にかけて、痛みやシビレを発症する傷病です。交通事故後にも発症しますが、多くの症例でははっきりとした原因が分かりません。

 

交通事故でみかける頸肩腕症候群は、いわゆる頚椎捻挫(むちうち)の一種です。両者の症状の多くはオーバーラップしています。

 

頸肩腕症候群の後遺障害は、むちうち(頚椎捻挫)に準じます。12級13号認定可能性はほぼゼロで、14級9号が頸肩腕症候群の実質的等級です。

 

 

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