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急性硬膜下血腫の医師意見書とは?有効性と活用法も解説|交通事故の後遺障害

交通事故などの強い頭部外傷によって発症する急性硬膜下血腫は、命に関わる重篤な外傷であり、その後も高次脳機能障害や身体機能障害などの後遺症を残すことがあります。

 

これらの後遺症を適切に証明して、後遺障害認定や損害賠償請求を受けるためには、医師意見書が重要な役割を果たします。

 

医師意見書は、受傷の経緯や治療経過、画像所見、後遺症の内容を専門的に説明して、異議申し立てや裁判で強力な証拠資料として活用できます。

 

しかし、診断書との違いや具体的な活用方法、取得に必要な手順や費用について十分に理解している方は多くありません。

 

本記事では、急性硬膜下血腫の医師意見書について、基礎知識から取得方法、交通事故や労災事故での有効な活用法まで詳しく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/10/2

 

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Table of Contents

急性硬膜下血腫と医師意見書の基礎知識

急性硬膜下血腫はどのようなケガか

急性硬膜下血腫は、交通事故や転倒などで頭部に強い衝撃を受けて、硬膜下に血液が急速にたまる外傷性の脳損傷です。

 

血種が、脳の組織を圧迫することで生命に危険が及びやすく、緊急手術が必要となる場合もあります。

 

治療後も意識障害や高次脳機能障害などの後遺症が残る可能性が高く、医師の診断と経過観察が非常に重要です。

 

 

<参考>
急性硬膜下血腫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

医師意見書とは何か

医師意見書は、診断書よりも踏み込んで医学的見解や因果関係を記載した書類です。交通事故や労災事故では、後遺症の程度や事故との因果関係を立証する目的で用いられます。

 

診療経過や各種検査の所見を踏まえて、将来にわたる予後や回復の見通しについて専門的に述べられるため、非常に重視されます。

 

 

医師意見書と診断書の違い

診断書は、病名や治療内容などを記した文書です。医師意見書は、後遺症の程度や事故と後遺症の因果関係について、医師の見解を示す文書です。

 

診断書が現状を記載するのに対して、意見書は争点に対する医学的説明なので、後遺障害認定や訴訟資料として強い効力を発揮します。

 

 

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急性硬膜下血腫で医師意見書が重視される理由

急性硬膜下血腫の後遺症を医学的に証明

急性硬膜下血腫は、受傷直後の生命の危険性に加えて、術後に身体性機能障害や高次脳機能障害が残るケースもあります。

 

急性硬膜下血腫の後遺症を適切に評価するには、医学的な所見や検査結果を裏付ける医師意見書が欠かせません。

 

主観的な訴えだけでなく、画像検査や神経心理学的検査との整合性を提示することで、後遺症の存在を科学的に立証できます。

 

 

<参考>
神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント|後遺障害

 

 

急性硬膜下血腫の後遺障害認定基準への適合性を主張

急性硬膜下血腫の後遺障害認定では、高次脳機能障害身体性機能障害などの症状が、認定基準に適合しているかが審査されます。

 

急性硬膜下血腫に関する医師意見書では、症状固定時点での具体的な後遺症が詳細に示されるため、認定基準に準じた等級判断を求める強力な資料となります。

 

 

<参考>

 

 

異議申し立てや訴訟での証拠としての有用性

交通事故の後遺障害認定で結果が不十分だったため異議申し立てするには、医学的な裏付け資料が必要となります。

 

医師意見書は、訴訟や調停でも証拠として重視され、専門的視点から後遺症と事故の関連性を明らかにする役割を果たします。

 

診断書や各種検査のみでは不十分な場合でも、医師意見書を提出することで認定結果が覆る可能性があります。

 

 

 

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急性硬膜下血腫の医師意見書を活用する方法

異議申し立てで後遺障害認定の根拠を補強する

後遺障害認定結果に不服がある際には、医師意見書が強力な補強資料となります。

 

診断書や検査結果を土台にしつつ、後遺症の程度や事故による影響を詳細に記載することで、審査機関に医学的な説得力を与えます。

 

医師意見書によって、後遺障害認定基準を満たすかが再度検討されるため、不当に低い等級が是正される可能性が高まります。

 

 

保険会社との示談交渉を有利に進める

保険会社との示談交渉では、後遺障害の有無や内容、重症度が損害賠償額に影響します。

 

医師意見書を提出することで、後遺症の存在や事故との因果関係が医学的に裏付けられ、当方の主張に信頼性を持たせられます。

 

相手方が過小な補償を提案してきた場合でも、医学的根拠を盾に適正な賠償額を求めやすくなります。

 

 

裁判や調停で医学的根拠として活用する

裁判や調停では、客観的な医学データと脳神経外科専門医の見解が、裁判官の判断を左右します。

 

医師意見書は、画像検査や神経心理学的検査などに基づいた医学的評価を提示するため、被害者の主張を裏付ける重要証拠となります。

 

脳神経外科専門医の見解が裁判所に示されることで、後遺症の実在性が争点となった場合にも、被害者側に有利に働く可能性が高いです。

 

 

<参考>
神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント|後遺障害

 

 

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急性硬膜下血腫の医師意見書を取得する方法

急性硬膜下血腫の医師意見書を取得する手順

医師意見書の取得は、相談書、診断書、画像検査、神経心理学的検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。

 

見積金額の了承後、医師意見書の骨子案(検討項目)が提案されます。骨子案に問題が無ければ、約4週間で初稿(医師意見書案)が提出されます。

 

医師意見書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に医師意見書の原本が発送される流れが一般的です。

 

 

急性硬膜下血腫の医師意見書作成に必要な書類と情報

急性硬膜下血腫の異議申し立てで使用する医師意見書の作成には、以下のような書類や資料が必要です。

 

 

 

症状や治療経過、日常生活の支障程度が分かる資料が多いほど、医師意見書の信頼性が高まります。

 

 

医師意見書の費用

概要

価格

整形外科

23万円

脳神経外科、脳神経内科

29万円

耳鼻科、眼科、歯科など

29万円

精神科

31万円

訴訟加算(整形外科)

4万円

訴訟加算(その他の科)

1万円

多部位加算(3部位以上)

3万円/数

特急対応加算

2万円

難事案加算

6万円~

反論意見書

-5万円

 

急性硬膜下血腫の医師意見書の作成に必要な料金は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。

 

  • 診療科目
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 弁護士特約の有無
  • 納品時期

 

 

脳神経科領域における一般的な事案では、30万円前後の料金負担で医師意見書の作成が可能なケースが多いです。

 

弊社の医師意見書作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

急性硬膜下血腫の医師意見書取得にかかる期間

急性硬膜下血腫の医師意見書を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には4週間ほどで初稿(医師意見書案)が納品されます。

 

医師意見書案への修正依頼に、専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。

 

 

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急性硬膜下血腫の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

急性硬膜下血腫が、適切な後遺障害等級に認定されるには、以下のような後遺障害認定基準をすべて満たす必要があります。

 

  • 事故と症状に整合性がある
  • 後遺症と各種検査が一致している
  • 事故後から症状固定まで症状が続いている
  • 常に後遺症が存在している

 

 

シンプルに見えますが、すべてをクリアしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの後遺障害認定基準が存在します。

 

医師意見書の価値は、後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。

 

この目的を達成するためには、医師意見書を受任する医療鑑定会社が、後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。

 

急性硬膜下血腫によって、高次脳機能障害、遷延性意識障害、外傷性てんかんを併発する可能性があります。

 

特に、争いになりやすい、高次脳機能障害の後遺障害認定ポイントについては、こちらのコラム記事を参照してください。

 

 

<参考>

 

 

 

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急性硬膜下血腫の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した、急性硬膜下血腫の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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急性硬膜下血腫の後遺障害認定でお悩みの患者さんへ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

Traffic accident patient

 

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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急性硬膜下血腫の医師意見書でよくある質問

医師意見書にはどのような内容が書かれるのですか?

医師意見書には、診断名や治療経過に加えて、事故との因果関係、後遺症の有無や程度、予後についての専門的な見解が記載されます。

 

単なる症状の羅列ではなく、後遺障害認定や損害賠償請求に直結する医学的な評価が盛り込まれるのが特徴です。

 

 

医師意見書に画像所見(CT・MRI)の記載は必要ですか?

はい、CTやMRIの画像所見は、急性硬膜下血腫の存在や脳への影響を客観的に示す重要な証拠となります。

 

医師意見書に画像所見を記載することで、異議申し立てや裁判において、強い裏付け資料となります。

 

 

手術をした場合、その記録は意見書に反映されますか?

開頭血腫除去術などの外科的手術を実施した場合、その詳細は意見書に反映されます。手術は障害の重篤性を示す根拠になります。

 

手術の内容、合併症の有無、回復の見通しなどが加わることで、後遺症との関連性が一層明らかになります。

 

 

高次脳機能障害との関係も意見書に書いてもらえるのでしょうか?

急性硬膜下血腫では高次脳機能障害を伴うことが多いため、その有無・症状・生活への影響についても意見書に反映されます。

 

注意力低下や記憶障害、人格変化などが明確に記載されることで、後遺障害評価の正確性が高まります。

 

 

意見書は後遺障害等級認定にどのように役立ちますか?

後遺障害認定は、労災や交通事故の補償額に直結します。意見書は症状固定時点での後遺症を専門的に述べるため、不当に低い等級評価を防ぐ効果があります。

 

 

意見書が不十分だった場合はどうすればよいですか?

意見書の記載内容が不十分な場合は、鑑定医師に追加記載を依頼することが可能です。

 

弁護士を通じて、適切に医師へ依頼内容を伝えることで、より補強された意見書を得られます。

 

 

急性硬膜下血腫と認知症や精神症状の因果関係は意見書でどう扱われますか?

急性硬膜下血腫による脳損傷は、認知症様症状や情緒障害を引き起こすことがあります。

 

医師意見書では、神経心理学的検査などの客観的データに基づき説明されるため、後遺障害認定に役立ちます。

 

 

後遺障害等級の見通しについて意見書に記載してもらえますか?

医師は、診断書や検査所見に基づいて、後遺障害の何級に該当するかについて、意見書に記載するケースがあります。

 

 

家族や介護者の観察内容は意見書に反映されますか?

医師は、日常生活上の具体的な行動について、家族や介護者から得た情報を意見書に取り入れることがあります。

 

これにより、医療機関での診断だけでは把握しきれない生活実態が反映され、後遺症の実像がより正確に評価されます。

 

 

 

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まとめ

 

急性硬膜下血腫は、命に関わる重大な脳外傷であり、治療後も高次脳機能障害などの後遺症を残すケースが少なくありません。

 

そのため、交通事故や労災による補償や後遺障害認定を適切に受けるためには、診断書より踏み込んだ「医師意見書」が欠かせない存在となります。

 

医師意見書は、症状の医学的根拠、事故との因果関係、将来の生活への影響を立証する強力な資料であり、異議申し立てや訴訟、保険交渉でも不可欠です。

 

主治医や専門医と連携して、適切な意見書を準備することで、被害者が正当な補償を受けられる可能性が高まります。

 

急性硬膜下血腫の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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