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【医師が解説】事故でMRIを受ける最適なタイミングとは|医療鑑定

交通事故で負ったケガが後遺障害に認定されるためには、MRI検査が重要なポイントになります。

 

そして、むちうち(頚椎捻挫)、腰椎捻挫、手足などの関節のケガでは、MRI検査を受けるのに最適なタイミングがあります。

 

本記事は、交通事故でMRIを受ける最適なタイミングを理解するヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日: 2024/7/16

 

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MRIとは

MRIの概要と特徴

MRI(磁気共鳴画像撮影法)は、強力な磁場を利用して脳や脊髄などの軟部組織を観察する装置です。検査には約20~30分かかります。

 

 

MRIの費用

保険診療では約8,000円、自費診療では約25,000円かかります。

 

 

MRIの注意点

閉所恐怖症の人や、以下のような金属や留置物が体内にある人は、注意が必要です。

 

  • 心臓ペースメーカー
  • 2000年より前の脳動脈クリップ
  • 体内埋め込み装置(ICD・人工内耳・神経刺激装置)
  • 可動型義眼

 

 

一方、骨折の手術で使用したチタン製プレートやスクリューは問題ありません。また人工関節が入っていてもMRIを受けることができます。

 

 

MRIとCTの違い

MRIは磁気を、CTはX線を利用します。MRIでは被爆する心配がありません。一方、CT検査の方が費用は安価です。

 

 

MRIの得意な部位

MRIは頭部、脊椎、四肢の関節を得意としています。このため、特に交通事故の診療で有用です。

 

 

MRI

 

 

後遺障害認定でMRIを受けるタイミング

MRIが後遺障害認定で重要な理由

例えば、むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫では、椎間板ヘルニアや神経が圧迫されていることが分かる可能性があります。

 

これらの異常所見は、レントゲン検査では分かりません。MRIで後遺症の原因が分かると、後遺障害に認定されやすくなります。

 

 

<参考>

 

 

MRIは手足の痛みやしびれで必須

むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫では、首や腰の痛みだけでなく、手足の痛みやしびれが残るケースが多いです。

 

手足の痛みやしびれは、椎間板ヘルニアによる神経の圧迫が原因であるケースが多いので、MRIを受ける必要があります。

 

また、肩関節の腱板損傷、手関節のTFCC損傷、膝関節の半月板損傷を診断するためには、MRIを受ける必要があります。

 

 

<参考>

 

 

MRIが後遺障害認定を左右する理由

むちうちなどの後遺症が、後遺障害に認定される際には、痛みやしびれの原因が客観的に証明(もしくは説明)できる必要があります。

 

レントゲン検査だけでは、手足の痛みやしびれを証明できないため、12級13号が認定されるためにはMRIが必須です。

 

一方、14級9号であれば、他の条件がそろっていれば、レントゲン検査だけでも認定されるケースがあります。

 

しかし、弊社の年間1000事案におよぶ経験では、14級9号といえども、MRIを受けている方が後遺障害に認定される可能性が高いです。

 

 

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MRIを受けるタイミングと後遺障害認定の関係

MRIはできるだけ早期が望ましい

どこをケガをしたとしても、MRIはできるだけ早い時期に受ける方が望ましいです。しかし、部位によってMRIを早く受けるべき程度が異なります。

 

特に、肩関節、手関節、膝関節などの関節のケガでは、少なくとも受傷してから1ヵ月以内にMRIを受ける必要があります。

 

その理由は、関節のケガでは、後遺障害認定の要件として「急性期所見」が必要だからです。具体的には関節内血種や周囲軟部組織の出血です。

 

 

<参考>

 

 

症状固定直前でも問題ない

むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫では、それほど早くMRIを受ける必要はありません。受傷から数ヵ月してからでも問題ないケースが多いです。

 

 

非該当後でも遅くない

むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫では、症状固定後の後遺障害審査で非該当になってからでも遅くありません。

 

もちろん、症状固定までにMRIを受けることが望ましいです。しかし、レントゲン検査だけで異議申し立てするよりは、非該当後であってもMRIを受ける方がよいでしょう。

 

 

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【弁護士必見】MRIに関する注意点

MRI無しでも後遺障害に認定されるのか?

むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫では、MRI無しでも14級9号であれば、後遺障害に認定される可能性はあります。

 

一方、むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫の12級13号や、肩関節、手関節、膝関節などの関節外傷では、MRI無しでは後遺障害に認定される可能性はありません。

 

 

オープン型MRIは受けない方がよい

医療現場で問題になっているのが、オープン型を隠れ蓑にした低品質MRIの存在です。MRI検査は磁場の強さによって解像度が異なります。

 

最近、クリニックでもオープン型MRIを導入する施設が増えていますが、性能の悪い機種が多いです。

 

オープン型MRIは設備負担が小さいことがメリットですが、解像度が低いため、頚椎や肩関節の異常が判別できないことがあります。

 

このような低品質MRIによる検査は、自賠責保険で「有意な画像所見無し」と判断されることが多く、結果的に非該当となるケースが増えています。オープン型MRIは受けない方がよいでしょう。

 

 

<参考>

 

 

 

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MRIで異常が無ければ逆効果

MRIは、痛みやしびれの原因の客観的証拠とみなされますが、若年者では注意点があります。

 

特に30歳までの若年者では、MRIで異常なしのことが多いです。MRIで異常なしの場合、後遺障害が非該当になる可能性があります。

 

 

MRIで異常が無い場合の対応法

異議申立てでは、MRIで異常が無ければ、検査結果を添付せずに後遺障害申請する選択肢もあります。

 

一方、訴訟ではMRIの結果を隠すことが困難です。このため若年者では、MRIを実施するかどうかを慎重に判断する必要があります。

 

 

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まとめ

 

交通事故でMRIを受ける最適なタイミングは、部位によって異なります。むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫であれば、早いに越したことがありませんが、症状固定直前でも問題ありません。

 

一方、肩関節、手関節、膝関節などの関節のケガでは、受傷してから1ヵ月以内にMRIを受ける必要があります。

 

交通事故の外傷で想定していた後遺障害等級が認定されずにお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

 

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