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【医師が解説】脊髄空洞症の初期症状や原因は?完治する?|交通事故

交通事故で争いになりやすい傷病のひとつに脊髄空洞症があります。脊髄空洞症は指定難病ですが、実臨床では比較的よくみかける傷病です。

 

本記事は、脊髄空洞症の後遺症が等級認定されるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日: 2024/5/11

 

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脊髄空洞症とは

 

脊髄空洞症とは、脊髄の中に大きな空洞ができてしまう傷病です。脊髄の中にできた空洞には、本来なら脳や脊髄の外側に存在する脳脊髄液という液体で満たされています。

 

脊髄の中にできた空洞が脊髄を内側から圧迫するため、感覚障害や運動麻痺などのいろいろな神経障害をきたします。

 

 

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脊髄空洞症の原因

キアリ奇形

脊髄空洞症の原因として最も多いのは、小脳が下の方にある脊髄側に生まれつき落ち込んでいるキアリ奇形です。

 

 

脊髄損傷

脊髄損傷によって脳と脊髄を循環している脳脊髄液の流れが滞ると、脊髄の中に空洞ができると考えられています。

 

 

<参考>
【医師が解説】脊髄損傷が後遺症認定されるポイント|交通事故

 

 

脊髄腫瘍

脊髄腫瘍でも、脳と脊髄を循環している脳脊髄液の流れが滞るため、脊髄空洞症の原因となります。

 

 

脳脊髄の炎症

脳脊髄神経の癒着を起こす炎症疾患でも、脳と脊髄を循環している脳脊髄液の流れが滞るため、脊髄空洞症の原因となります。

 

 

原因不明

上記挙げたもの以外にも、脊髄空洞症の原因はたくさんあります。そして脊髄空洞症には、原因の特定できないものも少なくありません。

 

 

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脊髄空洞症の症状

脊髄空洞症の初期症状

上肢の片側だけが脱力したり、感覚が鈍くなったりして発病することが多いです。人によっては、重だるい痛みやしびれを訴えるケースもあります。

 

 

脊髄空洞症に特徴的な症状

脊髄空洞症に特徴的な症状として温痛覚障害があります。具体的な例として以下のようなものがあります。

 

  • 手をつねられると触れられている感覚はあるが、痛みは感じない
  • ヤケドをしても熱さを感じない

 

 

脊髄空洞症の晩期症状

脊髄空洞症が進行して空洞が拡大すると、手足の筋肉が萎縮して本格的に筋力が低下します。また、手足がつっぱって細かい作業をしにくくなったり、歩きづらくなって転倒するようになります。

 

延髄などの脳にまで空洞が広がると、立ちくらみなどの脳神経障害が認められることもあります。治療が奏功しないと麻痺が進行して、車いす生活になるケースもあります。

 

 

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脊髄空洞症の治療

脊髄空洞症の保存療法

症状がごく軽度のうちは、痛みやしびれに対する薬物療法で経過観察するケースもあります。しかし、根本的な治療にはならないため、基本的には症状が出現した時点で手術療法が必要です。

 

 

脊髄空洞症の手術療法

原因がわかっている場合の手術療法

 

脊髄空洞症の原因が分かっている場合には、原因に対する治療法が選択されます。

 

  • キアリ奇形: 頭蓋頚椎移行部の減圧術(後頭蓋窩減圧術)
  • 脊髄腫瘍: 腫瘍摘出術

 

 

原因不明の場合の手術療法

 

脊髄空洞症の原因が不明の場合には、空洞内に溜まった脳脊髄液を外側に排出するためのチューブを、空洞内に挿入する手術(空洞—くも膜下腔シャント術)が行われます。

 

 

脊髄空洞症はどうなる

脊髄空洞症は完治するのか?

原因が特定されている脊髄空洞症では、手術療法で症状が軽快するケースもあります。しかし、ほとんどの症例は根治療法ではないので、脊髄の空洞自体は残ってしまうケースが多いです。

 

 

脊髄空洞症の余命

しっかりと専門医によって治療されている場合には、余命は通常と比較して変わらないと思われます。しかし、脊髄空洞症に対する治療が奏功しないと、麻痺が進行して車いすが必要になることもあります。

 

 

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脊髄空洞症で考えられる後遺障害

 

脊髄空洞症で想定される後遺障害は、脊髄損傷に準じます。詳細はこちらを参照ください。

 

 

<参考>
【医師が解説】脊髄損傷が後遺症認定されるポイント|交通事故

 

 

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【弁護士必見】脊髄空洞症の後遺障害認定ポイント

脊髄空洞症と交通事故との因果関係

脊髄空洞症で最も争いになりやすいのは、交通事故と脊髄空洞症との因果関係です。脊髄損傷後に脊髄空洞症を併発することはあります。

 

しかし、脊髄損傷事案では、交通事故と後遺障害との因果関係が明白なので、仮に脊髄空洞症を併発しても、それ自体が争いにはなりにくいです。

 

一方、交通事故で実施した頚椎MRIで、偶然にも脊髄空洞症が見つかったケースでは、交通事故との因果関係が争われる傾向にあります。

 

 

脊髄空洞症が症状の原因となっているかを精査

交通事故と脊髄空洞症との因果関係が争点になっている事案では、まず現存する症状が脊髄空洞症に起因した症状であるか否かを精査する必要があります。

 

脊髄空洞症に特徴的な温痛覚障害などの症状や、空洞が存在する脊髄高位と症状の神経支配領域と一致していれば、脊髄空洞症による症状であると主張可能になります。

 

 

交通事故を契機にして脊髄空洞症が有症化するケースも

それまで無症状であった脊髄空洞症が、交通事故を契機にして有症化するケースも存在します。このような事案では、素因減額の対象にはなるものの交通事故との因果関係を強く主張することが可能です。

 

脊髄空洞症でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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まとめ

 

脊髄空洞症とは、脊髄の中に大きな空洞ができてしまう傷病です。脊髄の中にできた空洞が脊髄を内側から圧迫するため、感覚障害や運動麻痺などのいろいろな神経障害をきたします。

 

脊髄空洞症の原因には、キアリ奇形、脊髄損傷、脊髄腫瘍などがあります。いずれも、脳と脊髄を循環している脳脊髄液の流れが滞ることによって発症します。

 

脊髄空洞症で想定される後遺障害は脊髄損傷に準じます。一方、脊髄空洞症と交通事故との因果関係が争いになる事案は少なくありません。

 

 

 

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