交通事故で発生する外傷で最も多いのは、むちうち(頚椎捻挫)です。むちうちでは、首コルセット(頚椎カラー)を処方されることがあります。
本記事は、むちうちの首コルセットは寝るときも装着するのかや、首コルセットの効果について理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/5/16
Table of Contents
むちうちの首コルセットとは
首コルセット(頚椎カラー)の本来の使用目的
首コルセット(頚椎カラー)の本来の使用目的は、頚椎骨折や脊髄損傷などの疑いがある傷病者の首に装着して、頚椎を保護することです。
もし頚椎骨折が存在する状態で不用意に首を動かすと、頚椎の中にある脊髄が損傷させてしまうからです。
<参考>
【医師が解説】頚椎骨折が後遺症認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】脊髄損傷が後遺症認定されるポイント|交通事故
むちうちで首コルセットを使用する目的
一方、むちうちで処方される首コルセットの目的は、本来の頚椎カラーの使用目的とは少し異なります。
むちうちでは、脊髄損傷を防ぐためではなく、首の安静目的で首コルセットが処方されます。
<参考>
【医師が解説】頚椎捻挫(むちうち)の後遺症認定のポイント|交通事故
【医師が解説】むちうち後遺症が首の痛みだけで後遺障害認定される?
むちうちの首コルセットは寝るときも装着する?
むちうちでは、頭の重みを首コルセットで支える目的で装着します。寝るときは首に頭の重みが加わらないので、むちうちの首コルセットを外しても問題ありません。
むちうちの首コルセットはいつまで装着する?
むちうちの首コルセットは1週間以内を目途に
やむを得ず、むち打ち患者さんにコルセットを処方する場合でも、装着は1週間以内としています。
むちうちの首コルセットを長期間使ってはいけない
長期間に渡って首コルセットを装着し続けると、首周囲の筋力が弱くなってコルセットを外しにくくなります。
このため、首の痛みが治らなくても、首コルセットを1週間以上装着することは控えるべきでしょう。
むちうちはコルセットなしが大半
むちうちと言えば、コルセットが定番のように思えます。しかし、私の臨床経験では、むちうちでコルセットを処方する症例はほとんどありません。
首コルセットの代用は?
首コルセットはタオルと輪ゴムで代用できる
首コルセットの代用品として、タオルを利用できます。まず、タオルを広げて4つ折りにします。
4つ折りにしたタオルを首に巻きます。そしてタオルの両端を輪ゴムに通して固定すると、首コルセットの代用品が出来上がります。
緊急時にはタオルだけでも代用できる
交通事故に遭った直後で首が痛い時は、タオルをマフラーのように首の周囲に巻くだけでも、ある程度の効果が得られます。
もちろん、本物のマフラーを使用しても問題ありません。
【弁護士必見】むちうちの後遺障害認定ポイント
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号と比較すると、はるかに認定基準は厳しくなります。痛みが持続しているだけでは不十分で、「障害の存在が医学的に証明できるもの」という条件が必要になります。
具体的には頚椎MRIで神経の圧迫があることです。弊社の経験では、多くの事案で新鮮外傷を疑う椎間板の高信号変化がありました。
さらにその圧迫されている神経と実際の症状(知覚障害の範囲、深部腱反射の異常、スパーリング徴候などの誘発テストが陽性など)の一致が必須条件です。
弁護士では、専門的な判断が難しいため、脊椎脊髄外科指導医/専門医や整形外科専門医の評価が必須となります。弊社では等級スクリーニングというサービスを提供しているのでご気軽にお問い合わせください。
14級9号:局部に神経症状を残すもの
14級9号は、救済等級としての位置づけでもあり、比較的広い範囲の患者さんが認定される可能性があります。
受傷から一定の期間(約半年が目安になります)通院していて、その間の通院回数が一定の基準を超えていれば認定の可能性が高まります。それ以外にも交通事故の規模や画像所見(頚椎のレントゲンやMRI)も参考にします。
一番重要なことは、受傷直後から後遺障害診断書作成にいたるまで、症状に一貫性があることと、持続性があることです。
異議申立てでは、症状の一貫性も含めた総合的な主張が必須です。弊社ではすべての対策を網羅した医師意見書サービスを提供しています。
<参考>
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