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びまん性軸索損傷の医師意見書とは?有効性と活用法も解説|交通事故の後遺障害

交通事故や労災によって、びまん性軸索損傷(DAI)を負った際に、後遺障害等級の認定や損害賠償請求を進めるうえで重要な役割を果たすのが「医師意見書」です。

 

医師意見書は、診断書だけでは伝えきれない症状の実態や、医学的な因果関係を補強する資料として活用されるため、異議申し立てや裁判においても強力な証拠となります。

 

しかし、医師意見書と診断書の違いや、取得方法、実際にどのように役立てられるのかを、詳しく理解している方は多くありません。

 

本記事では、びまん性軸索損傷に関する医師意見書の基礎知識から、交通事故や労災事故での有効な活用法、取得の手順や費用までを分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/10/1

 

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Table of Contents

びまん性軸索損傷と医師意見書の基礎知識

びまん性軸索損傷はどのようなケガか

びまん性軸索損傷(DAI)は、交通事故や転倒など強い外力により脳が急激に揺さぶられることで、脳内の神経線維(軸索)が広範囲に損傷する外傷です。

 

びまん性軸索損傷は、意識障害が長期に及ぶケースが多いにもかかわらず、CTやMRI検査で明確な所見が出にくい特徴があります。

 

びまん性軸索損傷は、見た目の外傷が軽度でも重篤な後遺症を残す可能性があり、高次脳機能障害や運動障害を残す例が少なくありません。

 

 

<参考>
びまん性軸索損傷の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

医師意見書とは何か

医師意見書とは、単なる診断結果にとどまらず、傷病による後遺症やその程度、社会生活における支障について、医師が専門的観点から詳しく意見を述べる文書です。

 

特に、後遺障害認定や訴訟などで重要な医学的資料となります。診察経過や検査結果を踏まえて、日常生活や就労能力への影響も加味して説明されます。

 

 

医師意見書と診断書の違い

診断書は、病名や受傷部位、治療期間など客観的事実を簡潔にまとめた書類です。

 

一方、医師意見書は、患者の後遺症の程度や社会生活への影響などを分析・評価して、医学的見解として示すものです。

 

診断書が報告的性格を持つのに対して、意見書は判断材料を提供する性格が強く、法的な場面でより重視されます。

 

 

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びまん性軸索損傷で医師意見書が重視される理由

びまん性軸索損傷の後遺症を医学的に証明

びまん性軸索損傷は画像上の所見が乏しいにもかかわらず、記憶障害、集中力低下、性格変化など多様な後遺症を引き起こします。

 

医師意見書は、診療経過や神経心理学的検査による専門的評価を通じて、後遺症の存在を医学的に裏付ける役割を果たします。

 

 

<参考>
神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント|後遺障害

 

 

びまん性軸索損傷の後遺障害認定基準への適合性を主張

びまん性軸索損傷の後遺障害認定では、後遺症の程度が認定基準に合致しているかどうかが重要です。

 

医師意見書では、高次脳機能障害の有無や程度、日常生活の制限、就労不能状態を医学的に説明して、後遺障害認定基準に沿った評価が可能です。

 

 

<参考>
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

異議申し立てや訴訟での証拠としての有用性

後遺障害等級認定において不利な認定結果が出た際には、医師意見書は異議申し立てや裁判での有力な証拠になります。

 

診断書や検査結果だけでは補えない具体的な症状や生活障害の実態を示すことで、当方の主張を補強できます。

 

また裁判では、医師意見書は、裁判官に対して医学的妥当性を示す重要な医証となります。

 

 

 

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びまん性軸索損傷の医師意見書を活用する方法

びまん性軸索損傷の異議申し立てで後遺障害認定の根拠を補強する

後遺障害認定結果が非該当や低い等級となった際には、専門医による医師意見書を添えることで症状の医学的説明が強化されます。

 

医師意見書によって、後遺症に対する誤認や見落としが是正されて、後遺障害認定基準に沿った再評価が期待できます。

 

 

保険会社との示談交渉を有利に進める

保険会社との示談交渉では、後遺症の程度や事故との因果関係についての客観的裏付けが、補償額の妥当性を左右します。

 

医師意見書は後遺症の深刻さを具体的に示すため、保険会社との示談交渉で有利に働き、適切な賠償を受けやすくします。

 

 

裁判や調停で医学的根拠として活用する

裁判や調停で、医師意見書が医学的根拠として提示されることで、被害者側の主張に説得力を与えます。

 

医師意見書では、中立的な第三者医師が評価するため、裁判の判断に大きな影響を与える可能性があります。

 

 

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びまん性軸索損傷の医師意見書を取得する方法

びまん性軸索損傷の医師意見書を取得する手順

医師意見書の取得は、まず相談書、診断書、画像検査、神経心理学的検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。

 

見積金額の了承後に、医師意見書の骨子案(検討項目)が提案されます。骨子案に問題が無ければ、約4週間で初稿(医師意見書案)が提出されます。

 

医師意見書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に医師意見書の原本が発送される流れが一般的です。

 

 

びまん性軸索損傷の医師意見書作成に必要な書類と情報

びまん性軸索損傷の異議申し立てで使用する医師意見書の作成には、以下のような書類や資料が必要です。

 

 

 

症状や治療経過、日常生活の支障程度が分かる資料が多いほど、医師意見書の信頼性が高まります。

 

 

医師意見書の費用

概要

価格

整形外科

23万円

脳神経外科、脳神経内科

29万円

耳鼻科、眼科、歯科など

29万円

精神科

31万円

訴訟加算(整形外科)

4万円

訴訟加算(その他の科)

1万円

多部位加算(3部位以上)

3万円/数

特急対応加算

2万円

難事案加算

6万円~

反論意見書

-5万円

 

医師意見書の作成に必要な料金は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。

 

  • 診療科目
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 弁護士特約の有無
  • 納品時期

 

 

脳神経外科領域における一般的な事案では、30万円前後の料金負担で専門医による医師意見書の作成が可能です。

 

弊社の医師意見書作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

びまん性軸索損傷の医師意見書取得にかかる期間

びまん性軸索損傷の医師意見書を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には4週間ほどで初稿(医師意見書案)が納品されます。

 

医師意見書案への修正依頼に、専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。

 

 

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びまん性軸索損傷の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

びまん性軸索損傷が、適切な後遺障害等級に認定されるには、以下のような後遺障害認定基準をすべて満たす必要があります。

 

  • 事故と症状に整合性がある
  • 後遺症と各種検査が一致している
  • 事故後から症状固定まで症状が続いている
  • 常に後遺症が存在している

 

 

シンプルに見えますが、すべてをクリアしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの後遺障害認定基準が存在します。

 

医師意見書の価値は、後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。

 

この目的を達成するためには、医師意見書を受任する医療鑑定会社が、後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。

 

びまん性軸索損傷で後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
びまん性軸索損傷の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

 

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びまん性軸索損傷の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した、びまん性軸索損傷の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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びまん性軸索損傷の後遺障害認定でお悩みの患者さんへ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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びまん性軸索損傷の医師意見書でよくある質問

意識障害の期間はどのように意見書に反映されますか?

外傷後の昏睡や意識障害の長さは、後遺障害の重症度を示す重要な指標です。検査記録や診療記録に基づいて、医師意見書に詳細に記載されます。

 

 

高次脳機能障害の有無や程度は意見書でどのように評価されますか?

記憶力や注意力、社会的行動の変化などが神経心理学的検査によって評価されて、日常生活支障の程度として医師意見書に反映されます。

 

 

身体機能障害(運動麻痺や失調など)も意見書に記載されますか?

神経心理学的検査やリハビリテーション評価で確認された運動麻痺、歩行障害、協調運動障害も、医師意見書に盛り込まれます。

 

 

受傷からどのくらい経過してから意見書を作成するのが適切ですか?

一般的に、治療が一段落して、症状固定と判断される時期が適切です。多くの事案では、受傷から6ヶ月から1年程度が目安とされます。

 

 

びまん性軸索損傷と認知症や精神症状の因果関係は意見書でどう扱われますか?

認知症状や感情障害が外傷に由来するかを判断するため、医師意見書では、既往歴や経過を考慮した上で医学的見解として示されます。

 

 

後遺障害等級の見通しについて意見書に記載してもらえますか?

医師の臨床経験や医学的知見に基づき、後遺障害等級の蓋然性について意見が述べられるケースもあります。

 

 

家族や介護者の観察内容は意見書に反映されますか?

医師は日常生活の実態を知るために家族や介護者の証言を参考にすることが多いため、その内容が医師意見書に反映されるケースもあります。

 

 

 

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まとめ

 

びまん性軸索損傷(DAI)は、交通事故などで脳内の神経線維が損傷して、高次脳機能障害や運動障害を残す重篤な外傷です。

 

びまん性軸索損傷は、画像検査で確認しづらく、後遺症の証明が難しいため、医師意見書が重要視されます。

 

診断書が事実の記録にとどまるのに対して、医師意見書は後遺症の程度や社会生活への影響を医学的見解として示す文書です。

 

後遺障害認定や異議申し立て、保険交渉や裁判で有力な根拠となります。意識障害期間や高次脳機能障害の評価、家族の観察内容なども反映可能です。

 

びまん性軸索損傷の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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