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高次脳機能障害が自賠責保険で後遺障害認定されるポイント|交通事故

交通事故の被害によって高次脳機能障害が残ると、ご本人やご家族の生活は大きく変わってしまいます。交通事故後の生活再建に向けて、公的な補償制度である自賠責保険の活用は不可欠です。

 

しかし「どのような条件で後遺障害に認定されるのか」「どのような書類が必要なのか」など、手続きや制度の詳細が分かりづらいという声も少なくありません。

 

本記事では、高次脳機能障害と自賠責保険の関係について、基本的な知識から後遺障害等級の認定ポイント、請求に必要な資料までを分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/5/1

 

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高次脳機能障害と自賠責保険を知ろう!

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳の損傷により記憶力、注意力、判断力、感情のコントロールなどの認知機能に支障をきたした状態です。​

 

交通事故などによる頭部外傷の他にも、脳卒中なども原因となります。外見からは障害が分かりにくいため、周囲の理解を得にくいケースが珍しくありません。​

 

症状には、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、感情や行動の変化などが含まれ、日常生活や社会復帰に大きな影響を及ぼします。

 

 

自賠責保険とは

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、日本で自動車を運転する際に法律で加入が義務付けられている保険です。​

 

交通事故の被害者が最低限の補償を受けられるよう設けられており、治療費や慰謝料、後遺障害が残った場合の損害などが補償対象となります。

 

​高次脳機能障害が後遺障害に認定されたら、その等級に応じた補償が支払われます。​被害者の生活再建を支援するための制度です。

 

 

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自賠責保険で高次脳機能障害に認定される必須条件

 

自賠責保険で、高次脳機能障害が後遺障害に認定されるためには、以下に挙げる3つの条件が必須と言われています。

 

 

受傷時の意識障害(頭部外傷後の意識障害についての所見)

交通事故による高次脳機能障害の認定には、受傷直後の意識障害の有無とその程度が重要です。​JCS(ジャパンコーマスケール)やGCS(グラスゴーコーマスケール)を用いて評価されます。

 

重い意識障害が6時間以上続いた事案や、意識障害が軽度であっても1週間以上継続したケースでは、後遺障害に認定される可能性が高まります。

 

<参考>
頭部外傷後の意識障害についての所見|高次脳機能障害の後遺障害

 

 

傷病名(後遺障害診断書)

後遺障害に認定されるためには、脳損傷が確認できる傷病名の診断が必要です。​具体的には、脳挫傷、びまん性軸索損傷、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血などが該当します。​

 

主治医が作成する後遺障害診断書に、これらの診断名が記載されていると、高次脳機能障害の存在が医学的に裏付けられ、認定の可能性が高まります。

 

 

画像検査

症状固定時期に実施したCT検査やMRI検査などの画像検査で、脳損傷の画像所見を確認できることが、後遺障害認定に必須の条件です。

 

​ただし、画像所見が認められない場合でも、意識障害の持続や認知機能の低下などの症状があるケースでは、慎重な審査が行われる可能性があります。

 

 

 

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高次脳機能障害の等級を自賠責保険が審査する資料

 

前述の3つの必須条件をクリアして、高次脳機能障害と判断された後は、後遺症が何級に該当するのかが審査されます。

 

自賠責保険による後遺障害等級の審査に際して、以下に挙げる3つの資料が重要視されています。

 

 

神経系統の障害に関する医学的意見(診断書)

後遺障害認定において、神経系統の障害に関する医学的意見という診断書に記載されている内容が重要です。​

 

この診断書の記載内容は、脳損傷の程度や後遺症の影響を、客観的に評価する材料となります。

 

<参考>
神経系統の障害に関する医学的意見|高次脳機能障害の後遺障害

 

 

神経心理学検査

神経心理学検査は、高次脳機能障害の程度を客観的に評価するために実施されます。​注意力、記憶力、判断力などの認知機能を測定して、障害の具体的な影響を明らかにします。

 

​<参考>
神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント|後遺障害

 

 

日常生活状況報告(家族が作成)

日常生活状況報告は、患者の生活の質や自立度を示す重要な資料です。​家族や介護者が作成して、日常生活での困難や支援の必要性を具体的に記録します。

 

​<参考>
日常生活状況報告の書き方とポイント|高次脳機能障害の後遺障害

 

 

高次脳機能障害の後遺障害等級の認定基準

 

高次脳機能障害の等級は、言語能力、思考力、集中力、易疲労性、対人関係能力といった機能低下の程度によって判定され、1~14級に区分されています。

 

高次脳機能障害の後遺障害認定基準を詳細に知りたい方は、以下のコラムにまとめています。

 

 

<参考>
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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高次脳機能障害の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

交通事故で受傷した高次脳機能障害は、意識障害の時間や画像検査で、後遺症との関連性が確認されると、後遺障害に認定される可能性があります。

 

特に、脳挫傷などの脳の一部が損傷した事案では、損傷した場所と症状が一致するかが重要な判断基準となります。

 

高次脳機能障害に認定されると、神経心理学的検査医学的意見日常生活状況報告の結果を総合的に評価して、後遺障害等級が決まります。

 

最近では、意識障害の期間が短くても、全体的な後遺症の状況を考慮した審査が行われる傾向にあります。

 

高次脳機能障害は、四肢麻痺などの身体的な障害と一緒に評価されて、仕事への影響や日常生活での困難さを考慮して後遺障害等級が決まります。

 

賠償実務では、神経心理学的検査の結果が重要な争点となる事案が多いです。一般的に、検査結果が時間とともに悪化することは稀ですが、ガイドラインに基づいて反論できるケースもあります。

 

さらに高次脳機能障害が後遺障害認定されるポイントを詳しく知りたい方は、以下のコラム記事にまとめています。ご参考にしていただければ幸いです。

 

<参考>
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

交通事故で発症した高次脳機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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高次脳機能障害の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で発症した高次脳機能障害が、後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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高次脳機能障害の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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高次脳機能障害と自賠責保険でよくある質問

高次脳機能障害は労災認定されますか?

高次脳機能障害は労災認定の対象となります。​業務中の事故や通勤中の事故で脳損傷を負ったら、労働基準監督署に申請することで業務災害として認定されて、障害年金や一時金、傷病給付などの補償を受けることができます。 ​

 

 

高次脳機能障害でもらえる保険金は?

高次脳機能障害の後遺障害等級に応じて、保険金の額は異なります。​等級が高いほど、支給される保険金も増額されます。​具体的な金額は、認定された等級や保険契約の内容、事故の状況などによって変動します。

 

 

高次脳機能障害の自賠責保険の必要書類は?

高次脳機能障害の後遺障害認定を受けるためには、以下の書類が必要です。

​ 

  • 後遺障害診断書
  • 頭部外傷後の意識障害に関する所見
  • 神経系統の障害に関する医学的意見
  • 日常生活状況報告書
  • 診療報酬明細書(レセプト)
  • 画像検査

 

 

 

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まとめ

 

高次脳機能障害は、交通事故や脳卒中によって脳が損傷して、記憶力や判断力、感情のコントロールに影響が出る障害です。高次脳機能障害は外見からは分かりにくく、周囲の理解を得にくいことがあります。

 

自賠責保険は、交通事故での被害者を最低限補償するための保険で、高次脳機能障害が認定されれば、その等級に応じて補償が支払われます。

 

後遺障害認定には意識障害の程度、傷病名、画像検査などが重要な要素です。神経系統の医学的意見や神経心理学検査、日常生活状況報告などが評価されて、後遺障害等級が決まります。

 

交通事故で受傷した高次脳機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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