交通事故コラム詳細

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身体性機能障害とは?後遺障害認定ポイントも解説|交通事故の医療鑑定

身体性機能障害は、人々に深刻な身体的制約をもたらす後遺症であり、とりわけ交通事故などの外傷が原因で発生するケースが少なくありません。

 

交通事故で受傷した身体性機能障害は、後遺障害として認定される可能性があります。

 

本記事では、身体性機能障害の定義や原因傷病、後遺障害認定のポイントを中心に、症状に悩む方や支援を必要とする方々に向けて、その解決策を提案しています。

 

 

最終更新日: 2025/4/20

 

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身体性機能障害とは

身体性機能障害の定義

身体性機能障害とは、交通事故や疾病などによって、両手・両足の麻痺や半身麻痺といった、身体の基本的な動作に支障をきたす障害です。

 

身体性機能障害は、歩行や手足の操作といった日常生活や労働に大きな影響を与えます。自賠責保険では、その程度に応じて1級1号から12級13号までの後遺障害等級に分類されます。

 

 

身体性機能障害の原因傷病

身体性機能障害の原因となる傷病は多岐にわたります。​交通事故による脊髄損傷脳外傷、脳卒中、神経変性疾患などが主な原因とされています。​

 

<参考>

 

 

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身体性機能障害の後遺障害等級

 

脳挫傷による身体性機能障害は、麻痺の範囲や程度、介護の有無と程度によって、後遺障害等級が認定されます。

 

なお、麻痺の範囲や程度については、身体所見、MRI検査、CT検査によって裏付けできることが必要です。

 

等級

認定基準

具体例

1級1号

身体性機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの

  • 高度の四肢麻痺が認められるもの

  • 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの

  • 高度の片麻痺があって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの

2級1号

身体性機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの

  • 高度の片麻痺が認められるもの

  • 中等度の四肢麻痺であって食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を必要とするもの

3級3号

生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、身体機能性障害のため労務に服することができないもの

  • 中等度の四肢麻痺が認められるもの
    (第1級、第2級に該当するものは除く)

5級2号


身体性機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの

  • 軽度の四肢麻痺が認められるもの

  • 中等度の片麻痺が認められるもの

  • 高度の単麻痺が認められるもの

7級4号

身体性機能障害のため、軽易な労務以外には服することができないもの

  • 軽度の片麻痺が認められるもの

  • 中等度の単麻痺が認められるもの

9級10号

通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当程度に制限されるもの

  • 軽度の単麻痺が認められるもの

12級13号

通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、多少の障害を残すもの

  • 通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、多少の障害を残すもの

  • 運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの

  • 運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるものも該当

 

 

身体性機能障害の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

後遺障害診断書や医療記録が重要

身体性機能障害の後遺障害認定では、医師による後遺障害診断書や医療記録が重要な証拠となります。

 

障害の症状が客観的に確認でき、交通事故との因果関係が明確であることが求められます。特に次の項目が記載されていることがポイントです。

 

 

  • 障害の内容(どのような機能が損なわれているか)
  • 発症原因(交通事故との因果関係)
  • 後遺障害の程度(具体的な制限や症状の重さ)

 

 

 

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交通事故との因果関係が問題になる

身体性機能障害で問題になるのは、交通事故との因果関係です。脳挫傷や脊髄損傷であれば、因果関係は明確です。

 

しかし、もともとあった頚椎症性脊髄損傷後縦靭帯骨化症(OPLL)の増悪のケースでは、因果関係素因減額が問題になるケースが珍しくありません。

 

<参考>

 

 

個々の事案によって対応は異なりますが、脊椎外科医による医師意見書が有用になる可能性があります。

 

身体性機能障害でお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

 

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身体性機能障害の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、身体性機能障害が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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身体性機能障害の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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身体性機能障害が後遺障害認定されると損害賠償金を請求できる

 

身体性機能障害が後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

 

 

身体性機能障害の後遺障害慰謝料とは

身体性機能障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。

 

 

後遺障害等級

後遺障害慰謝料

1級

2800万円

2級

2370万円

3級

1990万円

4級

1670万円

5級

1400万円

6級

1180万円

7級

1000万円

8級

830万円

9級

690万円

10級

550万円

11級

420万円

12級

290万円

13級

180万円

14級

110万円

 

 

身体性機能障害の後遺障害慰謝料の相場は?

身体性機能障害の後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって異なります。例えば、9級の場合は約690万円、7級は約1000万円、5級は約1400万円、3級は約1990万円、2級は約2370万円、1級は約2800万円となります。

 

また、近親者の慰謝料として数百万円程度が加算されることがあります。さらに、1級や2級の場合には将来の介護費として数千万円から1億円を超える額が認められることがあります。

 

このように、身体性機能障害の後遺障害慰謝料は等級によって大きく異なり、適切な後遺障害等級を獲得することが重要です。

 

 

身体性機能障害の後遺障害逸失利益とは

身体性機能障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。

 

後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

 

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

 

 

身体性機能障害の後遺障害逸失利益の相場は?

身体性機能障害の逸失利益は、後遺障害等級によって異なります。一般的に、後遺障害等級が高いほど逸失利益の金額も高くなります。

 

例えば、1級の後遺障害の場合、逸失利益は約1億円前後となる可能性があります。一方、9級の場合は約1000万円程度のケースが多いです。

 

後遺障害逸失利益の金額は、被害者の年収や年齢、労働能力喪失率などによっても大きく変動します。

 

 

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身体性機能障害でよくある質問

身体性機能障害と身体表現性障害の違いは?

身体性機能障害は、交通事故や病気などの外的要因によって身体の機能に障害が生じた状態です。​

 

一方、身体表現性障害は、ストレスや心理的要因が原因で身体症状が現れる心身症であり、医学的な検査で明確な身体的原因が見つからないことが特徴です。​

 

つまり、身体性機能障害は身体的な損傷が原因であるのに対して、身体表現性障害は心理的な要因が主な原因となります。 ​

 

 

身体性機能障害と機能性神経症状症の違いは?

身体性機能障害は、身体の機能に障害が生じる状態であり、交通事故や病気などの外的要因によって引き起こされます。

 

​一方、機能性神経症状症(旧称:転換性障害)は、心理的なストレスや葛藤が原因で、神経系の病気に類似した身体症状(例:麻痺、感覚の喪失)が現れる障害です。

 

​機能性神経症状症では、医学的な検査で明確な神経疾患が見つからないことが特徴です。​

 

つまり、身体性機能障害は身体的な損傷が原因であるのに対して、機能性神経症状症は心理的な要因が主な原因となります。

 

 

 

 

まとめ

 

身体性機能障害とは、交通事故や病気によって手足が動かなくなったり、体の一部が麻痺したりする障害です。

 

身体性機能障害があると、歩くことや物をつかむといった日常の動作が難しくなります。状態の重さによって1級から12級までの「後遺障害等級」に分けられ、それによって慰謝料や補償の金額も変わります。

 

診断では、MRI検査やCT検査などの証拠が必要で、既往症による素因減額や因果関係が問題になる事案では、医学的な証明が必要です。

 

身体性機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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