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【医師が解説】抜釘手術後の仕事復帰は?痛みはいつまで?|医療鑑定

交通事故などで受傷した骨折に対して手術を行うと、数ヵ月から1年後に抜釘術を行うケースがあります。

 

抜釘手術後の仕事復帰時期や、痛みはいつまで続くのかは、気になるポイントですね。

 

本記事は、抜釘手術後の仕事復帰時期や、痛みはいつまで続くのかを理解するヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日: 2024/5/11

 

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抜釘術とは

 

手足を骨折した場合の手術治療では、プレートや髄内釘といった金属性の内固定材料がよく使われます。

 

内固定材料は、人間の体には異物なので、役目が終わったら体内から取り出すことが望ましいです。

 

そのため、骨が十分に癒合した時に、もう必要なくなった内固定材料を取り除く「抜釘術」という手術が行われます。

 

 

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骨折で抜釘しないデメリット

 

抜釘しないデメリットには、以下の点があります。

 

  • 内固定材料周囲の骨が弱くなる
  • 転倒などによって内固定材料周囲を骨折する可能性がある
  • 内固定材料に遅発性感染を併発する可能性がある
  • 内固定材料が皮下に突出している場合には違和感が残る
  • 痛みや関節の可動域制限が残る可能性がある

 

 

抜釘しないデメリットは、すぐに現れないことが一般的です。このため、抜釘術を躊躇しがちです。

 

ただし、特に鎖骨遠位端骨折でフックプレートを使用した場合には、抜釘は必須の手術となります。抜釘によって痛みが軽減し、関節の可動域が改善することが多いです。

 

治療方針を決定する際には、医師とよく相談して、自分にとって最適な選択をしましょう。

 

 

<参考>
【医師が解説】鎖骨骨折が後遺障害認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】鎖骨遠位端骨折に続発する肩関節可動域制限

 

 

骨折で抜釘しないメリット

 

抜釘しないメリットは、以下のような点があります。

 

  • 手術をもう一度受ける必要がない
  • 感染などの手術の合併症を心配する必要が無い
  • 抜釘後の運動制限を考える必要が無い

 

 

抜釘術のメリットとデメリットを考慮して、抜釘術の是非を主治医とよく相談しましょう。

 

 

 

 

抜釘手術後の仕事復帰はいつから?

抜釘手術直後から歩ける

抜釘するということは、すでに体内の内固定材料の役割が終了していることを意味します。

 

このため、抜釘しても機能的な問題が発生する可能性は無く、抜釘手術直後から歩けます。

 

ただし、全身麻酔や腰椎麻酔の場合には、麻酔の影響が無くなるまで歩くことはできません。

 

また、抜釘する目的が感染制御や偽関節手術である場合には、免荷が必要なケースが多いです。

 

 

事務職なら数日後から仕事復帰可能

前述のように、抜釘しても機能的な問題が発生する可能性は無いため、事務職であれば即日~数日で仕事復帰可能です。

 

 

重労働では創が治癒するまで休業が無難

重労働では、早期に仕事復帰すると創の治癒が遅れる可能性があります。このため、抜糸が終わって創が治癒するまで休業した方が無難なケースが多いです。

 

 

抜釘手術の痛みはいつまで続く?

 

抜釘手術後の痛みの原因は、皮膚や皮下組織を切った痛みです。骨の痛みではないので、創が治癒すれば痛みは無くなるケースが多いです。

 

 

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【弁護士必見】抜釘術と後遺障害認定のポイント

遷延癒合や偽関節は抜釘しなくても変形障害に認定される

実臨床では、大腿骨、脛骨、上腕骨、鎖骨などで遷延癒合や偽関節になっている事案を散見します。

 

このような事案では、抜釘すると骨折の不安定性が顕在化するため、実質的に抜釘不可能です。

 

もちろん、理想は骨癒合することなので、偽関節手術(骨移植術を併用)の実施が望まれます。

 

しかし、確実に骨癒合するわけではないので、主治医や患者さんが躊躇するケースも少なくありません。

 

このような抜釘しない事案であっても、CT検査などで遷延癒合や偽関節を証明できれば、変形障害が認定されます。

 

 

<参考>
【医師が解説】偽関節の後遺症が等級認定されるポイント|交通事故

 

 

腰椎固定術では抜釘時期に注意

若年者の腰椎や胸椎の脊椎固定術では、脊椎インスツールメンテーションを抜釘するケースがあります。

 

しかし、自賠責保険の後遺障害認定の観点では、脊椎インスツールメンテーションを抜釘するタイミングには注意が必要です。

 

その理由は、術式によっては、脊椎インスツールメンテーションを抜釘すると、脊柱変形障害に認定されなくなる可能性があるからです。

 

抜釘すると脊柱変形障害に認定されなくなる可能性は、画像所見や手術記録を精査する必要があります。

 

 

<参考>
【日経メディカル】抜釘のタイミングで圧迫骨折の後遺障害の等級が変わる?
【医師が解説】圧迫骨折が後遺障害認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】脊柱変形障害や運動障害が後遺障害認定されるポイント

 

 

 

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まとめ

 

抜釘術のメリットは分かりにくいですが、デメリットはすぐに現れやすいのが特徴です。メリットとデメリットを考慮して、抜釘術の是非を主治医とよく相談しましょう。

 

抜釘手術直後から歩けます。事務職なら数日後から仕事復帰可能でしょう。一方、重労働では創が治癒するまで休業が無難です。

 

抜釘手術後の痛みの原因は、皮膚や皮下組織を切った痛みです。骨の痛みではないので、創が治癒すれば痛みは無くなるケースが多いです。

 

抜釘術と後遺障害認定の観点では、抜釘時期に注意するべき事案が存在します。抜釘術と後遺障害の関係でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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