交通事故コラム詳細

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MTBIの異議申し立てを成功させるポイント|交通事故の後遺障害認定

交通事故による軽度外傷性脳損傷(MTBI)は、外見上の異常が乏しく画像検査でも異常が確認されにくいため、後遺障害等級の認定で「非該当」とされるケースが少なくありません。

 

しかし実際には、記憶力や集中力の低下、頭痛や倦怠感、感情の起伏の激しさなど、生活や仕事に深刻な影響を及ぼす後遺症が長期にわたって残るケースもあります。

 

そのようなときに重要となるのが「異議申し立て」です。異議申し立てでは、初回申請で不足していた医学的根拠や検査結果を追加提出する必要があります。

 

本記事では、MTBIが非該当と判断される理由から、異議申し立ての流れ、成功のために押さえるべきポイントまでを分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/9/18

 

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MTBIが非該当になる理由

MTBIで非該当と判断されやすいケース

MTBIが非該当とされる代表的なケースは、事故時に意識障害が全く認められなかったり、画像検査(MRI、CT)で明らかな脳損傷の所見が得られないケースです。

 

MTBIは、高次脳機能障害の後遺障害認定基準を満たさないので、後遺症が残っていても非該当になりやすいです。

 

 

MTBIの後遺障害認定基準

高次脳機能障害の後遺障害認定は、「頭部外傷の存在」「持続した意識障害」「脳損傷の画像所見」の3要件が重視されます。

 

高次脳機能障害に認定されると、症状の重さに応じて1~14級の等級が決定されます。

 

しかし、MTBIのように意識障害が短時間・軽度であったり、画像所見が明確でないケースは認定されにくいです。

 

例外的に、症状固定時期に画像異常がなくても、症状の経過などで認定されるケースもありますが、ほとんどの事案は非該当になります。

 

 

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MTBIの異議申し立て手順ガイド

異議申し立ての流れと必要書類

異議申し立ての第一歩は「異議申立書」の作成です。異議申立書には、事故年月日、請求した等級・異議の理由を明記します。

 

そして、非該当や軽い等級とされた判断を覆すに足る医学的資料(診断書、画像検査、神経心理学的検査、医師意見書画像鑑定報告書など)を添付します。その後、書類を提出 → 審査 →結果通知、という流れです。

 

 

MTBIの異議申し立ての申請先

異議申し立ての申請先は、初回申請の方法によって変わります。事前認定方式では加害者側の任意保険会社を通じて、被害者請求方式では自賠責保険会社に申請します。

 

 

異議申し立ての費用と時間は?

異議申し立てには原則手数料は不要ですが、追加診断書や意見書の発行、専門医への受診などで費用がかかります。

 

準備期間も含め提出から結果まで約3~6ヶ月が必要です。提出書類が増えると期間はさらに延びる可能性があるため、効率的な資料収集が重要です。

 

 

MTBIの効果的な異議申し立て準備

MTBIの効果的な異議申し立てには、高次脳機能障害の後遺障害認定基準に沿った追加証拠の準備が不可欠です。

 

特に、検査結果や診断書を新たに取得して、日常生活の変化や支障を具体的に証明する資料を揃えることがポイントです。

 

 

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MTBIの異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】

MTBIが非該当になる原因を分析

MTBIが非該当になる主な原因は、高次脳機能障害の後遺障害認定基準を満たさないことです。

 

たとえば、画像所見がなく、意識障害が認められないケースや、診断書の記載が不十分な例が挙げられます。

 

MTBIによる後遺症と交通事故との因果関係や、回復困難性が医学的に示されないと非該当になります。

 

 

<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

MTBIの後遺障害認定条件をクリア

MTBIで後遺障害認定を受けるには、脳外傷の診断名、画像検査による脳実質損傷の所見、そして受傷直後の持続的な意識障害が認められることが重要です。

 

高次脳機能障害の後遺障害認定基準を全てクリアしなければ非該当になるため、前述の3つの条件を確認する必要があります。

 

 

 

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異議申し立てでは新たな医証が必須

MTBIの異議申し立ての成功には、高次脳機能障害の後遺障害認定基準を満たすための新たな医証が必要不可欠です。

 

具体的には、追加の画像検査や神経心理学的検査、第三者による医師意見書画像鑑定報告書などです。

 

新たな医証がない異議申し立ては、後遺障害認定に結びつきにくいです。足りない検査や診断記録を補う医学的資料を集めることが重要です。

 

 

<参考>

 

 

 

MTBIの後遺障害認定ポイント

MTBIの後遺症が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事でも紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
MTBIの後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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MTBIの後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷したMTBIの後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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MTBIの後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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MTBIの異議申し立てでよくある質問

画像検査で異常が出ていなくても後遺障害は認定されますか?

びまん性軸索損傷では、症状固定時期の画像検査で異常が出ていなくても、後遺障害に認定される可能性があります。

 

しかし、MTBIのように、意識障害時間が30分以内のケースでは、自賠責保険で後遺障害が認定される可能性は極めて低いです。

 

 

記憶障害や集中力低下などの症状をどうやって客観的に証明すればよいですか?

記憶障害や集中力低下などの症状は、神経心理学的検査の結果で客観的に証明できる可能性があります。また、家族や知人などの視点による日常生活状況報告も効果的です。

 

 

<参考>
日常生活状況報告の書き方とポイント|高次脳機能障害の後遺障害

 

 

神経心理学的検査は異議申し立てに有効ですか?

WAISやWMS-Rなどの神経心理学的検査は、高次脳機能障害の客観的所見として重要です。

 

高次脳機能障害による認知障害を証明するために実施した神経心理学的検査は、異議申し立てに有効です。

 

 

<参考>
神経心理学的検査は高次脳機能障害の等級認定ポイント|後遺障害

 

 

医師が「異常なし」と記載した診断書を修正してもらうことは可能ですか?

可能ですが慎重さが必要です。医師が医学的判断に基づいて記載した内容は簡単に修正できません。症状を丁寧に説明して、追加検査や補足意見書を依頼する方法が現実的です。

 

 

事故後すぐに症状を訴えていなくても、後から症状が出てきた場合は認められますか?

認められる可能性はありますが、立証は難しいです。受傷直後のカルテに症状の記載がないと、事故との因果関係を疑われやすいです。発症時期や経過を家族の記録で丁寧に示すことが重要です。

 

 

精神的な症状(うつ、不安、易怒性など)も後遺障害として主張できますか?

精神的な症状も脳損傷による後遺障害の認定対象となり得ます。医師の診断書や神経心理学的検査、日常生活状況報告、医師意見書などを異議申し立ての資料に加えると効果的です。

 

 

 

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まとめ

 

MTBI(軽度外傷性脳損傷)は、画像所見や意識障害が明確でないことが多く、高次脳機能障害の後遺障害認定基準を満たさず非該当となりやすいのが現状です。

 

異議申し立てでは、事故直後の意識障害や脳損傷所見の有無、症状の持続を裏付ける医証が重要であり、追加の神経心理学的検査や画像鑑定、医師意見書を添えることで認定の可能性が高まります。

 

提出から結果までは3~6ヶ月程度を要し、費用も診断書や専門医の意見書取得に伴い発生します。非該当を覆すには、弁護士や専門医の協力を得て認定基準に沿った立証を行うことが効果的です。

 

MTBIの後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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