交通事故に遭った直後は、気が動転していたり、目立った外傷が見られなかったりするため、「大丈夫」と感じてしまうことも少なくありません。
しかし、時間が経ってから足に違和感や痛みが出てきた――そんな経験をされる方も多くいらっしゃいます。
実は、事故の衝撃によって体にかかった負荷が、あとからじわじわと症状として現れるケースは珍しくありません。
特に足の痛みは、見逃されやすく、放置すると慢性化や後遺障害につながる可能性もあります。
本記事では、交通事故後にあとから現れる足の痛みについて、考えられる原因や適切な対処法のポイントを分かりやすく解説しています。
最終更新日: 2025/4/14
Table of Contents
交通事故であとから足の痛みが出た際の対処法
すぐに医療機関を受診する
事故直後に症状がなくても、後から痛みが出ることは珍しくありません。特に足の痛みは、放置すると悪化する可能性があります。
早期に整形外科などの医療機関を受診して、適切な診断と治療を受けることが重要です。
また、医療機関の受診が遅れると、交通事故との因果関係が認められず、保険会社から支払いを拒否される可能性があります。
診断書を入手する
医療機関での診察後、診断書を発行してもらいましょう。診断書は、交通事故と負傷との因果関係を証明する重要な書類です。
診断書がないと、保険会社への請求や人身事故への切り替えが難しくなる場合があります。診断書は、交通事故後の手続きを円滑に進めるために不可欠です。
人身事故に切り替える
交通事故当初、物損事故として処理された場合でも、後から身体の不調が判明した際には、人身事故への切り替えが可能です。
診断書を持参して、速やかに警察署で手続きを行いましょう。人身事故として認定されることで、治療費や慰謝料の請求が可能となります。
保険会社に連絡
交通事故後に新たな症状が出たら、速やかに保険会社へ連絡して、その旨を伝えましょう。
事前に連絡しておくことで、治療費の補償や今後の手続きがスムーズに進みます。連絡を怠ると、補償を受けられない可能性もあるため注意が必要です。
交通事故であとから足の痛みが出る理由
事故当日は気が動転している
交通事故直後は、アドレナリンの分泌により痛みを感じにくくなりがちです。これは体の防御反応であり、危機的状況に対応するためのものです。
そのため、事故直後は自覚症状がなくても、時間が経つにつれて痛みが現れることがあります。
炎症が数時間遅れで発生する可能性もある
交通事故の衝撃で筋肉や靭帯が損傷すると、炎症が引き起こされます。炎症反応は即座に現れるとは限らず、数時間から数日後に痛みとして感じるケースがあります。
特に、むちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫などの症状は、交通事故から遅れて現れるケースが多いです。
他の部位の痛みのため気付かない
事故直後は、目立つ外傷や強い痛みがある部位に注意が向きがちです。そのため、比較的軽度な痛みや違和感がある部位は見過ごされることがあります。
しかし、時間が経つにつれて、これらの部位の痛みが増して、後から自覚するケースも少なくありません。
交通事故のあとに出る足の痛みの原因
腰椎捻挫
交通事故の衝撃で腰部に過度な負荷がかかると、腰椎周辺の筋肉や靭帯が損傷して、腰椎捻挫を引き起こすケースがあります。
これらの損傷が神経を刺激して、足の痛みやしびれを感じる可能性があります。早期の診断と適切な治療が重要です。
<参考>
腰椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
坐骨神経痛
坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で坐骨神経が圧迫されて、お尻から足にかけて痛みやしびれを引き起こす症状です。
交通事故による腰部の損傷が原因となることもあります。症状が悪化すると歩行困難になる可能性があるため、適切な治療が必要です。
<参考>
坐骨神経痛でやってはいけないこと|交通事故の後遺障害
打撲
交通事故で足を強く打ち付けると、皮下組織や筋肉が損傷して、打撲が生じます。打撲は内出血や腫れ、痛みを伴い、場合によっては神経を圧迫してしびれを引き起こすこともあります。
<参考>
打撲の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
骨折
交通事故の強い衝撃により、足の骨にひびが入ったり折れたりすることがあります。適切な診断と治療を受けることで、後遺症のリスクを減らすことができます。
交通事故で受傷した腰椎捻挫の後遺障害等級
交通事故で受傷した足の痛みの原因としては、腰椎捻挫が最も多いです。腰椎捻挫の後遺症は、自賠責保険から後遺障害に認定される可能性があります。後遺障害等級の詳細は、以下のコラム記事を参照してください。
<参考>
腰椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
腰椎捻挫の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】
交通事故で受傷した腰椎捻挫の後遺障害認定ポイントは、以下のコラム記事を参照いただければ幸いです。
<参考>
腰椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
交通事故で受傷した腰椎捻挫の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で受傷した腰椎捻挫の後遺症が、後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
腰椎捻挫が後遺障害認定されると損害賠償金を請求できる
交通事故による腰椎捻挫が、後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害慰謝料とは
交通事故による腰椎捻挫の後遺症が残った精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。
後遺障害等級 | 後遺障害慰謝料 |
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
4級 | 1670万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害慰謝料の相場は?
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって異なります。例えば、腰椎捻挫では12級13号に認定される可能性があり、慰謝料の相場は、110万円~290万円です。
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害逸失利益とは
交通事故による腰椎捻挫の後遺症が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。
後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
後遺障害逸失利益の相場は?
逸失利益は、後遺障害等級によって異なります。一般的に、後遺障害等級が高いほど逸失利益の金額も高くなります。
非常にざっくりした数字で言うと、高齢者で軽度の症状であれば数十万円から、若年者で重度の症状であれば数百万円に達する可能性もあります。
後遺障害逸失利益の金額は、被害者の年収や年齢、労働能力喪失率などによっても大きく変動します。
交通事故のあとから出る足の痛みでよくある質問
事故のあとから痛みが出るのはどのくらいまでですか?
交通事故直後は、アドレナリンの影響で痛みを感じにくい場合があります。しかし、数時間から数日後に痛みが現れることがあります。
事故のあとから痛みが出てきた場合、何日以内に受診すればよい?
痛みが出たらできるだけ早く医療機関を受診することが重要です。事故から時間が経過すると、症状と事故との関連性を証明するのが難しくなるため、遅くとも3日以内の受診が推奨されます。
示談後に痛みが出てきたら?
示談後に新たな痛みが出た場合、再度の補償請求は難しいです。そのため、示談前に十分な経過観察と必要な医療検査を受けて、将来的な症状の可能性も考慮した上で示談を行うことが重要です。
まとめ
交通事故のあとに足が痛くなってきたら、すぐに病院で診てもらいましょう。最初は痛みがなくても、時間がたってから出ることがあります。
早く診てもらわないと、事故が原因と証明できず保険会社から支払いを拒否される可能性があります。
診断書も忘れずにもらって、物損事故であれば警察で人身事故に切り替えましょう。保険会社にも連絡をしておくと安心です。
足の痛みの原因には、腰からくる神経の痛みや、打撲・骨折などがあり、きちんと治療しないと後で困る可能性もあります。
交通事故で受傷した腰椎捻挫の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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