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高次脳機能障害と脳出血の関係とは?後遺障害認定ポイントも解説

高次脳機能障害は、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼす可能性のある障害ですが、その原因の1つとして脳出血が挙げられます。

 

脳出血は突然発症することもあり、適切な治療を受けても後遺症として高次脳機能障害が残ることがあります。

 

しかし、具体的にどのような症状が現れるのか、また、それらがどのように診断・治療されるのかを詳しく知る機会は少ないかもしれません。

 

本記事では、高次脳機能障害と脳出血の関係を解説して、脳出血後に起こりうる症状や改善のためのリハビリ方法について詳しく説明します。

 

脳出血後の回復過程や後遺症について理解を深めて、ご自身やご家族の適切な対応につなげていただければと思います。

 

 

最終更新日: 2025/2/3

 

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高次脳機能障害とは?

高次脳機能障害の原因

高次脳機能障害は、脳の損傷により記憶、注意、判断、感情などの認知機能に支障をきたした状態です。この障害は、日常生活や社会生活において大きな制約をもたらすことがあります。

 

主な原因としては、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や、交通事故などによる頭部外傷が挙げられます。また、脳炎や低酸素脳症、脳腫瘍なども原因となることがあります。

 

 

主要な高次脳機能障害の症状

記憶障害

 

記憶障害とは、新しい情報を覚えたり、過去の出来事を思い出したりする能力が低下する状態です。

 

短期記憶と長期記憶の両方に影響を及ぼすことがあり、例えば「数分前に話した内容を忘れる」「日付や約束をすぐに忘れる」といった症状が現れます。

 

特に、脳出血による高次脳機能障害では、前向性健忘(新しいことを覚えられない)や逆向性健忘(過去の記憶が失われる)が見られることが多いです。

 

 

注意障害

 

注意障害は、集中力や注意を維持する能力が低下する症状です。注意の持続が難しくなるため、仕事や日常生活に支障をきたすことがあります。

 

たとえば、会話中に気が散ってしまい相手の話を聞き続けられなかったり、複数の作業を同時に進めることが困難になったりします。

 

特に、後頭葉や前頭葉に損傷を受けると、注意の切り替えや選択的注意(重要な情報に意識を向ける能力)が低下しやすくなります。

 

 

遂行機能障害

 

遂行機能障害とは、計画を立てて実行する能力や、臨機応変に行動を調整する能力が損なわれる障害です。

 

たとえば、「料理を作る手順がわからなくなる」「スケジュールを立てられない」「問題が発生したときに適切な対応ができない」などの症状が現れます。

 

前頭葉が損傷を受けると、この障害が発生しやすく、特に社会復帰の妨げとなることが多いです。

 

リハビリでは、作業手順を細かく分けて練習し、段階的に遂行機能を回復させることが重要です。

 

 

社会的行動障害

 

社会的行動障害とは、感情のコントロールが難しくなり、適切な対人関係を築くことが困難になる障害です。

 

例えば、「些細なことで怒りやすくなる」「場の空気を読めずに不適切な発言をする」「相手の気持ちを理解しづらくなる」といった症状が現れます。

 

特に、前頭葉の損傷が関与しており、感情抑制の低下や衝動的な行動が目立つようになります。

 

社会的行動障害により、家庭や職場での人間関係に問題が生じることが多く、周囲の理解とサポートが不可欠です。

 

 

診断方法と検査手段

高次脳機能障害の診断には、医師による問診や神経心理学的検査、画像診断(MRI検査やCT検査)などが用いられて、総合的に評価されます。

 

早期の診断と適切なリハビリテーションが、社会復帰や生活の質の向上に重要です。

 

<参考>
高次脳機能障害の診断基準とは?後遺障害認定基準との違い|交通事故

 

 

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脳出血とは?

 

脳出血とは、脳内の血管が破れて出血して、脳組織内に血液が漏れ出す状態です。脳出血によって、血腫(血の塊)が形成されて、脳を圧迫して機能障害を引き起こします。

 

 

脳出血の原因

主な原因は高血圧で、長期間の高血圧により脳内の細い動脈が損傷して、破裂しやすくなります。

 

その他の原因として、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、頭部外傷、脳腫瘍、血液凝固障害などが挙げられます。

 

 

脳出血の症状

出血した部位や出血量によって症状は異なりますが、一般的な症状には以下のものがあります。

 

  • 突然の激しい頭痛
  • 片側の手足の麻痺やしびれ
  • 言語障害(話す、理解するのが難しい)
  • 視覚障害(視野の一部が見えない、二重に見える)
  • めまい、ふらつき
  • 意識障害(意識がもうろうとする、昏睡)

 

 

これらの症状が突然現れた際には、脳出血の可能性があるため、直ちに医療機関を受診する必要があります。

 

 

診断と治療法について

診断には、頭部のCT検査やMRI検査などの画像検査が用いられ、出血の場所や程度を確認します。

 

治療法は、出血の量や患者の状態によって異なります。小さな出血で症状が安定している場合は、血圧管理や安静などの内科的治療が行われます。

 

一方、大きな出血や症状の進行が見られる場合は、外科的治療として開頭手術や内視鏡手術による血腫除去が検討されます。

 

早期の治療介入が予後を左右するため、迅速な対応が求められます。

 

 

 

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脳出血と高次脳機能障害の関係

脳出血後に見られる高次脳機能障害

脳出血は、脳内の血管が破れて出血することで、脳組織に損傷を与えます。この損傷によって、高次脳機能障害が引き起こされる可能性があります。

 

脳出血後の高次脳機能障害には、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。これらの障害は、日常生活や社会生活において大きな支障をきたすことがあります。

 

 

通常の脳出血後の経過と障害の出現時期

脳出血後に急性期を過ぎると、早い段階からリハビリテーションが開始されます。

 

高次脳機能障害の症状は、出血直後から現れることもあれば、回復過程で徐々に明らかになることもあります。症状の出現時期や程度は個人差があり、継続的な評価と対応が重要です。

 

 

脳出血の部位と障害の特徴との関係

脳出血の発生部位によって、現れる高次脳機能障害の種類や特徴が異なります。例えば、前頭葉での出血は遂行機能障害や社会的行動障害を引き起こしやすく、側頭葉での出血は記憶障害を伴うことが多いです。

 

適切なリハビリテーションを行うためには、損傷部位と症状の関係を理解することが重要です。

 

 

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交通事故で発症した高次脳機能障害の後遺障害等級

 

高次脳機能障害は、意思疎通能力、問題解決能力、作業の持続力や持久力、さらには社会行動能力の低下度合いによって評価されます。この評価結果に基づき、後遺障害等級は1級から14級までに分類されます。

 

高次脳機能障害が後遺障害に等級認定される要件を、さらに詳細に知りたい方は、以下のコラムにまとめています。ご参照いただければ幸いです。

 

 

<参考>
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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高次脳機能障害の後遺障害認定ポイント

 

交通事故の頭部外傷で発症した高次脳機能障害では、画像診断により後遺症との関連性が確認できると、後遺障害認定の可能性が高くなります。特に局所脳損傷の場合、損傷部位と症状との一致が重要な判断材料となります。

 

高次脳機能障害が認定されると、「神経心理学的検査」「医学的意見」「日常生活状況報告」の結果を総合的に評価して、等級審査が行われます。

 

最近では、意識障害の重要性が低下し、全体的な状況を考慮した総合的な判断が重視されています。高次脳機能障害は身体機能障害と一体として評価されて、就労能力や日常生活への影響度合いに基づき、後遺障害等級が決定されます。

 

賠償実務では、主観的な要素が強い神経心理学的検査が争点となることが少なくありません。検査結果が時間の経過とともに悪化することはまれですが、その場合にはガイドラインを基に反論が可能です。

 

さらに高次脳機能障害が後遺障害認定されるポイントを詳しく知りたい方は、以下のコラム記事にまとめています。ご参考にしていただければ幸いです。

 

<参考>
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

交通事故で発症した高次脳機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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高次脳機能障害の認定基準で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で残った高次脳機能障害が後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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高次脳機能障害の認定基準でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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高次脳機能障害が後遺障害認定されると損害賠償金を請求できる

 

交通事故によって発症した高次脳機能障害で後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

 

 

高次脳機能障害の後遺障害慰謝料とは

交通事故で高次脳機能障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。

 

 

後遺障害等級

後遺障害慰謝料

1級

2800万円

2級

2370万円

3級

1990万円

4級

1670万円

5級

1400万円

6級

1180万円

7級

1000万円

8級

830万円

9級

690万円

10級

550万円

11級

420万円

12級

290万円

13級

180万円

14級

110万円

 

 

高次脳機能障害の後遺障害慰謝料の相場は?

高次脳機能障害の後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって異なります。例えば、9級の場合は約690万円、7級は約1000万円、5級は約1400万円、3級は約1990万円、2級は約2370万円、1級は約2800万円となります。

 

また、近親者の慰謝料として数百万円程度が加算されることがあります。さらに、1級や2級の場合には将来の介護費として数千万円から1億円を超える額が認められることがあります。

 

このように、高次脳機能障害の後遺障害慰謝料は等級によって大きく異なり、適切な後遺障害等級を獲得することが重要です。

 

 

高次脳機能障害の後遺障害逸失利益とは

高次脳機能障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。

 

後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

 

 

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

 

 

高次脳機能障害の後遺障害逸失利益の相場は?

高次脳機能障害の逸失利益は、後遺障害等級によって異なります。一般的に、後遺障害等級が高いほど逸失利益の金額も高くなります。

 

例えば、1級の後遺障害の場合、逸失利益は約1億円前後となる可能性があります。一方、9級の場合は約1000万円程度のケースが多いです。

 

後遺障害逸失利益の金額は、被害者の年収や年齢、労働能力喪失率などによっても大きく変動します。

 

 

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脳出血の高次脳機能障害でよくある質問

高次脳機能障害の4大症状は?

高次脳機能障害の主な症状として、以下の4つが挙げられます。

 

記憶障害

新しい情報を覚えられない、過去の出来事を思い出せないなどの症状です。

 

注意障害

注意を持続できない、複数のことに同時に注意を向けられないといった症状です。

 

遂行機能障害

計画を立てて物事を進めることが難しくなる症状です。

 

社会的行動障害

感情のコントロールが難しくなり、対人関係に支障をきたす症状です。

 

 

高次機能障害の原因で最も多いのはどれか?

高次脳機能障害の主な原因として、脳血管障害(脳卒中)が最も多く、特に脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが挙げられます。

 

これらの脳血管障害により、脳の特定の部位が損傷を受け、高次脳機能障害が発生することがあります。

 

 

くも膜下出血による高次脳機能障害のメカニズムは?

くも膜下出血は、脳を覆うくも膜と軟膜の間に出血が起こる状態です。くも膜下出血によって、脳全体が圧迫されるだけでなく、血液中の成分が脳組織に悪影響を及ぼすことがあります。

 

 

脳出血の後遺症で脳にどのような障害が起こりますか?

脳出血の後遺症として、以下のような障害が現れることがあります。

 

  • 運動障害:片側の手足の麻痺や筋力低下
  • 感覚障害:しびれや感覚の鈍さ
  • 言語障害:言葉の理解や表現が難しくなる
  • 視覚障害:視野の欠損や視力低下
  • 高次脳機能障害:記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など

 

 

これらの後遺症の程度や種類は、出血の部位や規模、個人差によって異なります。適切なリハビリテーションや医療的支援を受けることで、症状の改善や生活の質の向上が期待できます。

 

 

 

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まとめ

 

高次脳機能障害は、脳の損傷により記憶や注意、判断、感情の制御が難しくなる障害で、脳卒中や頭部外傷などが主な原因です。

 

代表的な症状には、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害があり、日常生活に大きな影響を与えます。

 

特に脳出血による損傷は、高次脳機能障害を引き起こす可能性が高く、発生部位によって症状が異なります。

 

交通事故で発症した高次脳機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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