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【医師が解説】脳梗塞と交通事故の因果関係|高次脳機能障害

交通事故で負った外傷をきっかけにして、脳梗塞になる事例を散見します。このような事例では、脳梗塞と交通事故との因果関係が争いになるケースが多いです。

 

本記事は、脳梗塞と交通事故との因果関係を証明する方法について解説しています。

 

 

最終更新日:2023/9/14

 

 

脳梗塞とは

脳梗塞の原因

脳梗塞とは、脳の動脈が詰まってしまい、そこから先に血液が行かなくなって脳組織が壊死する傷病です。

 

 

脳梗塞の分類

脳梗塞は、血管が詰まる原因によって、以下に分類されます。

 

 

アテローム血栓性脳梗塞

 

高血圧や糖尿病などを放置していると、血管が傷んで動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が起こると、動脈が狭くなったところに血栓を生じやすくなります。血栓が大きくなると、血流を止めてしまい脳梗塞を引き起こします。

 

アテローム血栓性脳梗塞は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの基礎疾患を持っている人に起こりやすいと言われています。

 

 

心原性脳塞栓症

 

心房細動や心臓弁膜症などの心疾患があると、心臓内に血栓を生じることがあります。心臓の中に出来た血栓は、血流に乗って脳に送り出されて脳の血管を詰まらせます。

 

右脳や左脳全体を栄養する血管を詰まらせるケースが多いため、アテローム血栓性脳梗塞と比べて、脳の広い範囲に脳梗塞を引き起こすケースが少なくありません。

 

 

ラクナ梗塞

 

ラクナ梗塞は、高血圧のために脳の深い場所に存在する細い血管が詰まって発症します。ラクナ梗塞で詰まるのは細い血管なので、小さな脳梗塞に留まるケースが多いです。

 

 

脳梗塞の危険因子

脳卒中治療ガイドライン2015では、脳梗塞を発生させる危険因子として以下の8つを挙げています。

 

  • 加齢
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 不整脈(心房細動)、心臓弁膜症
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 全身の高い炎症状態

 

 

脳梗塞の症状

運動障害

 

右(左)半身全体を動かせないなどの片麻痺、手足や指を動かしにくくなる単麻痺、言葉を話しにくくなる、物を飲み込めなくなるなどの、さまざまな症状が現れます。

 

 

感覚障害

 

手足のしびれや、感覚の消失(触っても分からない)などの症状が現れます。

 

 

失語症

 

言葉を言えなくなる、文字を読めなくなる、字を書けなくなるなどの症状が現れます。

 

 

高次脳機能障害

 

記憶障害、注意障害、社会的行動障害などの人格変化を伴う、さまざまなタイプの障害を引き起こします。

 

 

<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害の後遺症が認定されるコツ|交通事故

 

 

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交通事故がきっかけで脳梗塞を発症した事例

 

弊社では、交通事故がきっかけで脳梗塞を発症した事例を取り扱ってきました。それらの事案は、以下のような3つのパターンに分けられます。

 

  • 交通事故で受傷した骨折の手術後に脳梗塞を発症
  • 交通事故で入院中に脳梗塞を発症
  • 交通事故で寝たきりになって脳梗塞を発症

 

 

交通事故で受傷した骨折の手術後に脳梗塞を発症

一般的な脳梗塞の危険因子には挙げられていませんが、高齢者の骨折手術では、術後に脳梗塞を生じるリスクがあります。

 

しかし、自賠責保険は、脳梗塞と交通事故の因果関係を認めないケースが多いです。このような場合には、交通事故被害者の既往歴や治療経過を慎重に精査する必要があります。

 

弊社の経験では、脳梗塞と交通事故との因果関係を主張できる事案が多いです。このようなケースでは、専門医による医師意見書が必須と言えるでしょう。

 

弊社では事案に応じて、脳神経内科医師、循環器内科医師、整形外科医師のいずれか単独、もしくは複数の科の医師意見書を作成しています。

 

 

交通事故で入院中に脳梗塞を発症

交通事故で入院中に脳梗塞を発症するケースも少なくありません。入院が必要なほどの外傷では、全身の凝固系のバランスが大きく崩れます。このため、脳梗塞を発症しやすくなります。

 

しかし、骨折の手術後に脳梗塞を発症した事例と同様に、自賠責保険は脳梗塞と交通事故の因果関係を認めない事案が多いです。このようなケースでも、専門医による医師意見書が必須と言えます。

 

 

交通事故で寝たきりになって脳梗塞を発症

高齢者は、外傷をきっかけにして身体能力が低下して寝たきりになることがあります。一見すると、寝たきりは、脳梗塞の危険因子になりそうですが、明確なエビデンスは存在しません。

 

このため、前述の2つのパターンと比較しても、脳梗塞と交通事故の因果関係を認められない事案が多いです。

 

しかし、実臨床の肌感覚で脳梗塞と交通事故の因果関係が認められそうな事案では、医師意見書を作成できる可能性があります。

 

 

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Traffic accident patient

 

 

【弁護士必見】交通事故と脳梗塞の因果関係を証明

 

高齢者の骨折では脳梗塞を生じるリスクが高いことは、整形外科医師にとっては一般的な共通認識です。実際に、そのことを裏付ける医学論文はいくつか存在します。

 

これらの医学論文を提示した医師意見書を作成することで、交通事故と脳梗塞の因果関係を主張することが可能です。

 

交通事故と脳梗塞の因果関係証明でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
 

 

 

nikkei medical

 

 

まとめ

 

脳梗塞とは、脳の動脈が詰まってしまい、そこから先に血液が行かなくなって脳組織が壊死する傷病です。血管が詰まる原因は、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3つに分類されます。

 

脳卒中治療ガイドライン2015では、脳梗塞を発生させる危険因子として以下の8つを挙げています。

 

  • 加齢
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 不整脈(心房細動)、心臓弁膜症
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 全身の高い炎症状態

 

 

一方、高齢者の骨折では、脳梗塞を生じるリスクが高いことが知られています。自賠責保険は、脳梗塞と交通事故の因果関係を認めないケースが多いですが、弊社の経験では脳梗塞と交通事故との因果関係を主張できる事案が多いです。

 

 

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