高次脳機能障害の後遺障害認定審査では、主治医が作成する「頭部外傷後の意識障害についての所見」が極めて重要です。
「頭部外傷後の意識障害についての所見」に記載されている意識障害の程度で、高次脳機能障害が認定されると言っても過言ではありません。
本記事は、「頭部外傷後の意識障害についての所見」のポイントを知ることで、高次脳機能障害が後遺障害認定されるヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/11/7
Table of Contents
「頭部外傷後の意識障害についての所見」とは
「頭部外傷後の意識障害についての所見」とは、受傷直後~1ヶ月前後までの意識障害の有無や程度を知るための医証です。
「頭部外傷後の意識障害についての所見」を記載するのは、急性期病院の医師です。医師は診療録の内容を確認したり、当時の状況を思い出して作成します。
「頭部外傷後の意識障害についての所見」が高次脳機能障害の認定に重要な理由
ほとんどの高次脳機能障害の被害者は、受傷時に意識障害があると言われています。このため自賠責保険は、受傷直後の意識障害の有無や程度を精査して、後遺障害認定審査を行います。
高次脳機能障害では、医師が作成する神経系統の障害に関する医学的意見や、被害者の御家族や親族が記載する日常生活状況報告書と同列に扱われています。
<参考>
「頭部外傷後の意識障害についての所見」の注意点
「頭部外傷後の意識障害についての所見」で問題になるのは、特に受傷直後の意識障害の有無や程度です。
多発外傷の場合、救命が最優先されます。救命における最重要課題は、血圧などの循環動態を保つことです。
例えば、腹部外傷による失血で外傷性ショックをきたしている場合、頭部外傷よりも腹部外傷が優先されます。
このため、診療録に意識障害の記載が抜け落ちていたり、研修医などの経験の浅い医師が記載するケースがあります。
経験が浅いとJCSやGCSを充分に理解していない可能性もあり、意識障害が正確に記載されていないケースも存在します。
意識障害の程度や持続時間と高次脳機能障害の程度に整合性が無ければ、主治医に問い合わせる必要があります。
<参考>
【弁護士必見】高次脳機能障害の後遺障害認定ポイント
後遺障害認定で必要な3つの要件
自賠責保険では、高次脳機能障害が後遺障害に認定されるための要件は、以下の3つだと言われています。
- 脳外傷の診断名がついている
- 症状固定時に脳実質損傷の画像所見が存在する
- 受傷直後に意識障害があり、それが一定時間継続している
この3つの要件が全てそろっていると高次脳機能障害が残っていると判断され、次のステップである等級の決定に進みます。
意識障害は必ずしも必要ではない
一般的には、高次脳機能障害が認定されるためには、前述の3つの要件を全て満たす必要があります。
しかし弊社では、意識障害が無かった、もしくは軽度だった事案でも、高次脳機能障害に認定された事案例が蓄積されてきました。
これらの事案の分析結果から、他の2要件が十分に存在すれば、意識障害が無くても高次脳機能障害に認定される可能性はあると考えています。
<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害が後遺症認定されるポイント|交通事故
高次脳機能障害の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で残った高次脳機能障害が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
高次脳機能障害の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
まとめ
「頭部外傷後の意識障害についての所見」とは、受傷直後~1ヶ月前後までの意識障害の有無や程度を知るための医証です。急性期病院の医師が診療録の内容を確認したり、当時の状況を思い出して作成します。
ほとんどの高次脳機能障害の被害者は、受傷時に意識障害があると言われています。このため自賠責保険は、「頭部外傷後の意識障害についての所見」で受傷直後の意識障害の有無や程度を精査します。
高次脳機能障害の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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