交通事故では、ミラー同士が接触する事故の頻度が多いです。自動車の躯体に損傷が及ばないため、一般的には軽微な事故だと認識されています。
ミラー接触であっても、頚部痛を訴える方が一定数存在します。しかし、自賠責保険では、事故との因果関係を認めない事案が多いです。
本記事は、ミラー接触で発症した「むちうち」と交通事故との因果関係が認定されるヒントとなるように作成しています。
最終更新日:2023/3/30
Table of Contents
ミラー接触とは
ミラー接触とは、自動車のサイドミラー同士の接触事故です。サイドミラーは衝撃を吸収して、車両本体には衝撃が及ばないと考えられています。
このため、自賠責保険では、ミラー接触で何らかの症状が発症することは想定されていません。ミラー接触後に頚部痛を発症して整形外科を受診しても、交通事故との因果関係を否定されるケースが多いです。
ミラー接触でむちうちは存在する
前述のように、ミラー接触では運転者の身体に大きな衝撃が加わらないため、自賠責保険では交通事故との因果関係を認めないケースが多いです。
しかし、実臨床では、ミラー接触後に首の痛みを訴える人が一定数存在します。もちろん、後遺症を残す事案はほぼ無いですが、全員がまったく無症状というわけではありません。
私の臨床経験では、ミラー接触事故後に首の痛みを発症した人の多くは、サイドミラーが接触した際の大きな音に驚き、首を寝違えたようになったと訴えています。
ミラー接触でむちうち症状を発症する原因
むちうちは、事故規模と比例しないケースが少なくありません。ごく軽度の接触事故であったも、首の痛みなどの症状を併発する可能性があります。
ミラー接触などのごく軽度の接触事故であったも、首の痛みなどの症状を発症する原因は、防御態勢をとっていない時に受傷したケガだからです。
<参考>
【医師が解説】軽いむちうち症状でも病院受診するべき理由|交通事故
ミラー接触は債務不存在確認訴訟を提起される事案が多い
ミラー接触で弊社に相談のあった事案の多くは、保険会社から債務不存在確認訴訟を提起されています。
自賠責保険だけでなく裁判においても、ミラー接触と症状との因果関係を認められない事案が多いです。
このため、債務不存在確認訴訟に対抗するのは難しいのが現実です。
自分の人身傷害保険利用が現実解のケースが多い
自賠責保険は、事故状況や自動車の躯体損傷の程度で、交通事故と症状との因果関係を判断します。
このため、ミラー接触では、自賠責保険・加害者側保険のいずれからも賠償してもらえない可能性が高いです。
自分で加入している自動車保険に、人身傷害保険を附帯しているのであれば、加害者への請求は諦めて自分の人身傷害保険を利用するのが現実解かもしれません。
【弁護士必見】ミラー接触の債務不存在確認訴訟への対抗法
たしかに、保険会社の立場では、ミラー接触でむちうち症状を発症することは認めがたいでしょう。
しかし現実問題として、全員ではないものの、ミラー接触で首の痛みを訴える人は、一定数存在します。
そして、むちうちの発症機序を考えると、ミラー接触のような軽微事故であって、むちうち症状を発症する可能性はゼロではありません。
ミラー接触で債務不存在確認訴訟を提起された事案では、軽微な外傷でも、むちうち症状を発症する可能性があることを医学的に主張する必要があります。
弊社では、ミラー接触事故とむちうち症状との因果関係を主張する医師意見書をいくつか作成してきました。
ミラー接触でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
まとめ
ミラー接触とは、自動車のサイドミラー同士の接触事故です。サイドミラーは衝撃を吸収して、車両本体には衝撃が及ばないと考えられています。
このため、自賠責保険、裁判とも、ミラー接触後に首の痛みを発症して整形外科を受診しても、交通事故との因果関係を否定される事案が多いです。
ミラー接触でも首の痛みなどの症状を発症する原因は、防御態勢をとっていない時に受傷したケガだからです。
ミラー接触の債務不存在確認訴訟に対抗するには、医師意見書が有効なケースも少なくありません。
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