交通事故による骨盤骨折は、強い痛みや長期のリハビリを伴い、後遺症が残るケースも少なくありません。
しかし、後遺障害等級認定を申請しても「非該当」と判断されたり、認定等級が実際の症状より軽く評価されることは珍しくありません。
このような際に重要となるのが「異議申し立て」です。適切な手順を踏み、医学的根拠を裏付ける資料を揃えることで、認定結果を覆す可能性があります。
本記事では、骨盤骨折で非該当や低い等級と判断される理由、異議申し立ての具体的な流れや準備すべき資料、さらに成功のポイントを詳しく解説しています。
読後には、自身の状況に即した対応策を見つけて、納得できる後遺障害認定結果へとつなげていただけるはずです。
最終更新日: 2025/9/4
Table of Contents
骨盤骨折が非該当になる理由
骨盤骨折で非該当と判断されやすいケース
交通事故による骨盤骨折は、高エネルギー外傷であるため重症化するケースが多いです。しかし、救命に成功すると、受傷時の重篤さから劇的に回復する可能性があります。
骨盤骨折は、死亡率の高い重度外傷にもかかわらず、自賠責保険の後遺障害認定基準を満たしにくいため、非該当になりやすい特徴があります。
骨盤骨折の後遺障害認定基準
骨盤骨折の後遺障害等級は、障害の内容や程度により8級~14級など幅広く設定されています。
股関節可動域の制限が重い場合は「8級7号」、可動域が著しく制限されている場合は「10級11号」、軽度の機能障害がある場合は「12級7号」となります。
また、骨盤の変形障害がある場合は「12級5号」なども該当します。骨盤骨折の詳細な後遺障害認定基準は、こちらのコラム記事を参照してください。
<参考>
骨盤骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
骨盤骨折の異議申し立て手順ガイド
異議申し立ての流れと必要書類
骨盤骨折の異議申し立ては、まず異議申立書の作成から始まります。これに加えて、新たな診断書や画像検査、医師意見書などの医学的資料を提出します。
前回の申請より詳細で客観的な資料を備えることが重要です。診断書やカルテ、家族による報告書、事故状況の資料も任意で提出できます。
骨盤骨折の異議申し立ての申請先
申請先は初回の申請方法で異なります。事前認定は加害者側の任意保険会社に、被害者請求は加害者側の自賠責保険会社となります。
どちらの場合も、保険会社から損害保険料率算出機構に回付されて審査されます。申請ルートによる誤りがないよう注意が必要です。
異議申し立ての費用と時間は?
異議申し立て自体には原則費用はかかりませんが、新しい診断書や検査画像など医学資料の取得には医療機関ごとに実費が必要です。
異議申し立ての審査期間は2~4ヶ月が一般的で、弁護士を依頼した場合は別途費用が発生します。
骨盤骨折の効果的な異議申し立て準備
効果的な異議申し立てには、前回非該当となった理由を分析して、新たな医学的証拠を添付することが不可欠です。
新規の診断書や検査結果があると認定が覆る可能性が高くなります。主観的な訴えだけではなく、客観的証拠の提出を心掛けましょう。
骨盤骨折の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】
骨盤骨折が非該当になる原因を分析
骨盤骨折は高エネルギー外傷であるため、受傷時の死亡率が高いです。しかし、救命に成功すると、急激に回復するケースが珍しくありません。
股関節に骨折が及ぶ骨盤骨折を除けば、後遺障害の認定基準を満たしにくいため、非該当になりやすいです。
<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定
骨盤骨折の後遺障害認定条件をクリア
骨盤骨折で後遺障害認定を受けるには、股関節などの可動域制限や明確な変形、神経症状、下肢短縮障害などを医学的に証明する必要があります。
骨盤部の痛みやしびれは、画像検査で異常所見がなく自覚症状のみであれば、後遺障害に認定されません。
<参考>
【日経メディカル】重症外傷の骨盤骨折は後遺障害が残りにくい?
異議申し立てでは新たな医証が必須
異議申し立ての成功には、後遺障害認定基準を満たすための新たな医証が必要不可欠です。具体的には、追加の画像検査、第三者による医師意見書、画像鑑定報告書などです。
新たな医証がない異議申し立ては、後遺障害認定に結びつきにくいです。足りない検査や診断記録を補う医学的資料を集めることが重要です。
<参考>
骨盤骨折の後遺障害認定ポイント
骨盤骨折の後遺症が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事でも紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。
<参考>
骨盤骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
骨盤骨折の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で受傷した骨盤骨折の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
骨盤骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
骨盤骨折の異議申し立てでよくある質問
骨盤骨折で後遺障害が非該当になった場合、どのような理由が多いですか?
医学的な証拠(診断書・画像検査など)が不十分、事故と症状の因果関係が明確でない、他覚所見がなく自覚症状のみである場合は、非該当とされるケースが多いです。
骨盤骨折で認定されやすい後遺障害等級は何ですか?
骨盤骨折でよく認定されるのは「12級13号(頑固な神経症状)」「14級9号(神経症状)」などです。股関節などの運動制限が証明できる場合は12級や8~10級に該当するケースもあります。
異議申し立てをする際、どんな資料を追加すべきですか?
追加すべき資料は、新しい診断書や画像データ(CT/MRI)、医師意見書、画像鑑定報告書などです。前回より詳細な医学的証拠が重要となります。
骨盤骨折後の痛みやしびれだけで等級認定されますか?
痛みやしびれだけでは基本的に認定は難しいですが、医学的に症状の原因を客観的所見として示せれば、12級13号や14級9号に認定される可能性があります。
骨盤に金属プレートやスクリューが残っている場合、それだけで後遺障害に認定されますか?
単にプレートやスクリューが体内に留まっているだけでは認定されません。偽関節や変形、股関節の運動制限、神経障害など具体的な後遺症が必要です。
まとめ
交通事故で受傷した骨盤骨折は重度の外傷ですが、救命後に回復する例も多いため、自賠責保険の後遺障害認定では非該当になりやすい特徴があります。
後遺障害に認定されるには、股関節の可動域制限や変形、神経症状など客観的な医学的所見が必要で、痛みやしびれだけでは認められません。
異議申し立てを行う際は、前回不足した点を補う新しい診断書やCT検査、医師意見書、画像鑑定報告書などの医学的証拠を提出することが成功の鍵です。
骨盤骨折の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。
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