医療を受ける中で、「もしかしてミスでは?」と感じた経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、医療ミスかどうかを判断するのは難しく、誰に相談すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
病院に直接聞くべきか、第三者の意見を求めるべきか、あるいは法律の専門家に相談するべきか──
正しい対応を取らなければ、真実が見えづらくなったり、後悔の残る結果になってしまうこともあります。
本記事では、医療ミスが疑われる際に相談できる窓口や、医療鑑定・医師意見書の役割、法的対応のポイントなどを分かりやすく解説します。
医療ミスに対する不安や疑問を抱える方が、次に取るべき一歩を見つけられる内容です。
最終更新日: 2025/6/10
Table of Contents
医療ミスの相談はどこにすればよい?
病院の相談窓口
医療機関内には、患者の不満や疑問に対応する相談窓口が設置されている施設が多いです。診療内容や医師・スタッフの対応に関する意見を伝えることで、問題解決や改善が期待できます。
大規模な病院では、医療安全管理部門が対応することもあります。まずは病院内の窓口に相談することが基本です。
医療安全支援センター
医療安全支援センターは、医療に関する不安や疑問に中立的な立場で対応する公的機関です。病院での対応に納得できない場合や、直接相談しづらい場合に利用されます。
診療内容の是非や医師の過失の有無についての判断は行いませんが、適切な助言や情報提供を行います。
<参考>
医療安全支援センター総合事業
医療事故情報センター
医療事故情報センターは、医療事故の被害回復と再発防止を目的とした活動を行う団体です。医療事故に関する情報収集や分析を通じて、医療の質と安全性の向上を図っています。
<参考>
医療事故情報センター
日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)
日本医療安全調査機構は、医療事故調査制度に基づき、医療事故の調査と再発防止策の提言を行う機関です。
医療機関からの報告を受けて、事故の原因分析や改善策の提案を通じて、医療の安全性向上に寄与しています。
<参考>
日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)
消費生活センター(国民生活センター)
消費生活センターは、消費者からの苦情や相談に対応する公的機関で、医療サービスに関する問題も扱います。
相談者の話を聞き、解決のための助言や、必要に応じて関係機関への紹介を行います。最寄りのセンターは、消費者ホットライン(188)で案内を受けることができます。
<参考>
消費生活センター(国民生活センター)
最寄りの弁護士会
各地の弁護士会では、医療ミスに関する法律相談を受け付けています。弁護士が、医療行為に法的問題があるかを判断して、必要に応じて調査や交渉、訴訟の提起を行います。
医療訴訟に詳しい弁護士
医療訴訟に詳しい弁護士は、医療ミスの法的責任を追及するための専門知識と経験を有しています。
診療記録の分析や専門医の意見書の取得、示談交渉や訴訟手続きなど、複雑な対応が求められる医療事件において、適切なサポートを提供します。
医療ミスの損害賠償を請求できる条件
過失(医療ミス)を証明できる
医療ミスによる損害賠償請求では、医師や病院の過失を証明する必要があります。過失は、医療従事者が診療契約上の注意義務に違反して、患者に損害を与えた場合に該当します。
過失の有無を判断するためには、医療の専門的な知見が求められ、第三者による医療調査や医師の意見書が重要な役割を果たします。
患者さんに損害が発生している
損害賠償請求を行うには、患者に実際の損害が発生していることが必要です。損害には、身体的な傷害や死亡、精神的苦痛、治療費の増加、収入の減少などが含まれます。
これらの損害は、金銭的に評価可能であることが求められます。損害の存在とその程度を明確にするためには、診療記録や検査結果などの客観的な証拠が重要となります。
過失と損害の因果関係を証明できる
医療ミスによる損害賠償請求では、医師や病院の過失と患者に生じた損害との間に因果関係があることを証明する必要があります。
因果関係の証明には、カルテや検査結果だけでなく、協力医(各科の専門医)による医療調査や医師意見書が不可欠です。
<参考>
医療ミスを疑った時の注意点
病院や医師に高圧的な態度をとらない
医療ミスが疑われる場合でも、感情的にならず冷静に対応することが重要です。
高圧的な態度は、医療機関との信頼関係を損ね、問題解決を困難にする可能性があります。
まずは事実関係を整理し、適切な相談窓口や専門家に相談することが望ましいです。
実は医療ミスではないケースが多い
医療行為の結果が期待通りでなかった場合でも、それが必ずしも医療ミスとは限りません。医療には一定のリスクが伴い、予期せぬ結果が生じることも珍しくありません。
医療ミスかどうかを判断するには、専門的な知見が必要であり、医療調査や専門家の意見を求めることが重要です。
<参考>
医療過誤の3要件とは?損害賠償請求の流れも解説|医療調査・医師意見書
医療訴訟にこだわらない
医療ミスが疑われる場合でも、必ずしも訴訟が最善の解決策とは限りません。訴訟は時間と費用がかかり、精神的な負担も大きいからです。
示談や調停、医療ADR(裁判外紛争解決手続き)など、他の解決手段も検討することも重要です。
時効は意外に短い
医療ミスによる損害賠償請求には時効があり、一定期間を過ぎると請求が認められなくなります。
2020年4月1日以降に発生した医療事故の場合、損害および加害者を知った時から5年、または不法行為の時から20年で時効が成立します。早めの相談と対応が必要です。
メディカルコンサルティングができること
医療ミスなのかについての医療調査
医療訴訟の多くは、単に治療結果が悪いだけで医療ミスではありません。単に治療結果が悪いだけでは、医療訴訟で勝てる確率は著しく低いです。
勝訴できる可能性の無い不毛な医療訴訟を防ぐためには、第三者による、医療ミスかどうかについての医療調査の実施が望ましいです。
弊社では、ほぼすべての科の事案で医療ミスか否かの医療調査(意見書作成可否調査)が可能です。詳細は、以下のコラム記事をご確認ください。
<参考>
医療事故における医療調査の基本内容とは?費用も解説|医師意見書
医療調査できる診療科一覧
弊社では、以下のようにほぼ全科の医療調査を実施できます。
- 整形外科
- 脳神経外科
- 耳鼻咽喉科
- 眼科
- 消化器外科
- 呼吸器外科
- 心臓血管外科
- 産婦人科
- 泌尿器科
- 脳神経内科
- 循環器内科
- 消化器内科
- 呼吸器内科
- 腎臓内科
- 血液内科
- 小児科
- 放射線科
- 精神科
- 皮膚科
- 形成外科
- ⻭科
- 麻酔科
- 救急科
- 感染症科
- ペイン科
- 病理
医療訴訟で使用する医師意見書
意見書作成可否調査で医療ミスであることが判明した場合、各科の専門医による顕名の医師意見書を作成することが可能です。
医療ミスの可能性がある事案で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
尚、個人の方は、必ず弁護士を通じてご相談ください。個人の方からの直接のお問い合わせは、固くお断りしております。
<参考>
医療訴訟の医師意見書|160名の各科専門医による圧倒的実績
医師意見書の作成にかかる費用
医療調査(意見書作成可否調査)
医療訴訟用の医師意見書を作成できるのかを判断するために、医療調査(意見書作成可否調査)を必須とさせていただいています。
意見書作成可否調査では、各科の専門医が、診療録や画像検査などの膨大な資料を精査いたします。
概要 | 価格 |
基本料 | 140,000円 |
動画の長い事案 | 170,000円 |
追加質問 | 45,000円 / 回 |
※ すべて税抜き価格
※ 意見書作成には医療調査(意見書作成可否調査)が必須です
※ 意見書作成には別途で意見書作成費用がかかります
※ 意見書作成に至らなくても医療調査の返金は致しません
医師意見書
医療調査(意見書作成可否調査)の結果、医療ミスが判明して、医師意見書を作成する際には、別途で医師意見書作成費用がかかります。
概要 | 価格 |
一般の科 | 400,000円~ |
精神科 | 450,000円~ |
心臓血管外科 | 500,000円~ |
施設(老健、グループホームなど) | 350,000円~ |
弊社が医療訴訟で医師意見書を作成した実例
弊社には全国の法律事務所から医療訴訟の相談が寄せられます。これまで下記のような科の医師意見書を作成してきました。
- 脳神経外科
- 脳神経内科(神経内科)
- 整形外科
- 一般内科
- 消化器外科
- 消化器内科
- 呼吸器外科
- 心臓血管外科(成人)
- 心臓血管外科(小児)
- 循環器内科
- 産科
- 婦人科
- 泌尿器科
- 精神科
- 歯科
一方、眼科や美容整形外科に関しては相談件数が多いものの、実際に医療過誤である事案はほとんど無いです。このため弊社においても、医師意見書の作成実績がありません。
医療ミスの相談でよくある質問
病院にクレームを言いたいのですが、どこに相談すればよいですか?
医療ミスが疑われる場合、まずは病院内の相談窓口に連絡し、状況を説明しましょう。
それでも解決しない場合は、各都道府県に設置されている「医療安全支援センター」や「消費生活センター」に相談することができます。
これらの機関は中立的な立場で助言を行い、必要に応じて適切な対応先を紹介してくれます。
また、法的な対応を検討する場合は、医療過誤に詳しい弁護士に相談することが重要です。
病院を訴えるにはどこに訴えればいいですか?
医療ミスで病院を訴えるには、まず医療過誤に詳しい弁護士に相談して、訴訟の可否や進め方について助言を受けることが重要です。
訴訟を起こす際は、地方裁判所に訴状を提出します。医療訴訟は専門的な知識が求められるため、専門の弁護士のサポートを受けることで、適切な手続きを進めることができます。
まとめ
医療ミスが疑われる場合、まずは冷静に病院内の相談窓口に問い合わせることが基本です。
解決しない場合は、医療安全支援センターや消費生活センターなど中立的な公的機関に相談が可能です。
法的措置を考えるなら、医療過誤に詳しい弁護士に相談して、訴訟の可否を判断してもらうことが重要です。
損害賠償を請求するには「過失・損害・因果関係」の3つを証明する必要があり、医師意見書など専門的な証拠が不可欠です。
医療ミスの損害賠償請求で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
尚、個人の方は、必ず弁護士を通じてご相談ください。個人の方からの直接のお問い合わせは、固くお断りしております。
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