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【医師が解説】医療裁判は勝てない?医師は医療訴訟が怖い|医療過誤

医療裁判は勝てないと言われています。医療裁判で勝てる確率は約20%しかないと言われています。医療過誤(医療ミス)が起こっても泣き寝入りしなければいけない厳しい状況に見えます。

 

しかし、実際の医療裁判は、数字と少し異なります。本記事は、医療過誤の真実と医療裁判の実際を理解するヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2023/3/2

 

 

医療裁判は勝てない?

医療事故と医療過誤の違い

 

医療事故とは、医療従事者の過失有無とは無関係で、病院などの医療機関で起こったすべての事故を指します。例えば、病院内で他の患者さんにぶつかって転倒しても、医療事故になります。

 

一方、医療過誤とは、医師や看護師などの医療従事者が注意を払って対策していれば防ぐことができた事故です。医療過誤は、医療事故の中に含まれます。

 

 

医療裁判(医療訴訟)とは

 

医療訴訟とは、医療過誤に対する裁判です。具体的には以下の2つのケースがあります。
 

  • 医療従事者が負っている注意義務に対する違反(注意義務違反)
  • 医療過誤のために、患者側に損害が生じた

 

 

医療事故と医療過誤の具体的な事例

医療事故の具体的な事例

 

病院内で転倒して骨折したケースなどは、医療過誤ではなく医療事故になります。

 

 

医療過誤の具体的な事例

手術の医療過誤

手術による医療過誤は、術者が誤って血管や神経を損傷したり、麻酔科医師の麻酔管理ミス、病理の誤診断などが挙げられます。

 

 

薬物療法の医療過誤

薬物の投与分量や投与頻度を間違えたり、投与する薬物を間違えたケースが挙げられます。医薬品情報に収録されていない用途に使用したケースも該当します。

 

 

その他の医療過誤

誤診や術後管理の注意義務違反などが挙げられます。また、医師による説明義務違反は、最もメジャーな医療過誤の具体的事例のひとつと言えるでしょう。

 

 

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医療裁判で勝てる確率は約20%

医療裁判(医療訴訟)で勝てる確率は20%前後で推移しています。医療裁判では、原告側はかなり不利な状況です。

 

医療裁判の勝率は20%しかないため、医療裁判の解決のために、裁判ではなく示談交渉での解決や調停での和解が、現実的な解となる事案が多いです。

 

 

医療裁判で勝てる確率が低い理由

実際には医療過誤ではない事案が多い

裁判になるのは、治療結果が悪いケースばかりです。しかし、弊社の経験では、治療結果が悪かったのは不可抗力によるものがほとんどです。

 

医療は不確実性に満ちた領域なので、ベストを尽くしても治療結果が悪いことは日常茶飯事です。そして、医師は日々研鑽に励んでいるため、明らかな知識不足による事案は滅多に無いのが実情です。

 

 

医療裁判の協力医を探すことは難しい

医療裁判で使用する医師意見書の作成を引き受けてくれる医師は滅多にいません。医療裁判では医師意見書は必須です。しかし、ほとんどの事案で、協力医を見つけ出すのは至難の業と言えます。

 

 

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医師は医療訴訟が怖い?

 

医療裁判は、勝率で見ると医師側に著しく有利です。このため、医師は医療過誤を起こしても医療裁判で負ける可能性は低いと高を括っているのでしょうか。

 

実際には、ほとんどの医師は、患者さんから医療裁判を提起されることを恐れて日常診療を行っています。医療行為をする毎に、医療裁判の可能性を考えながら実施していると言っても過言ではありません。

 

これだけ医師は医療裁判に過敏になるのは以下の理由によります。

 

  • 治療結果が悪いと医療裁判を起こされる危険性がある
  • 医療裁判を起こされると大きな負担がかかる

 

 

治療結果が悪いと医療裁判を起こされる危険性がある

前述のように、医療は不確実な領域なので、ベストを尽くしても治療結果が悪い症例は珍しくありません。

 

治療結果が悪い=医療過誤では決して無いのです。しかし、患者の立場では、治療結果が悪いと何らかの医療過誤の存在を疑います。

 

つまり医師の立場では、治療結果が悪いだけで医療過誤の疑いをかけられることになります。医師は何も悪くないのに、医療裁判のリスクが常に存在するという極めて苦しい状況なのです。

 

 

医療裁判を起こされると大きな負担がかかる

仮に、医療裁判が発生した場合、医師には多大な負担が発生します。医療裁判で使用する証拠を整理したり、相手側弁護士への反論を検討しなければいけません。

 

ただでさえ超多忙な日常診療に加えて、追加業務が発生するわけですから、医師の立場ではたまったものではありません。

 

しかも、医療裁判になる事案の多くは、医療過誤ではなく単に治療結果が悪いだけのケースが多いです。

 

医師の立場では、患者から難癖をつけられているのと同じなので、医療裁判を恐れる気持ちを理解できるでしょう。

 

 

 

 

【弁護士必見】弊社が提供できること

本当に医療過誤なのかについての調査

医療裁判の多くは、単に治療結果が悪いだけで医療過誤ではありません。医療過誤か否かは客観的に判断されるため、単に治療結果が悪いだけでは医療裁判で勝てる確率は著しく低いです。

 

弁護士や患者にとってはもちろんのこと、医師にとっても徒労に終わるだけの不毛な医療裁判を防ぐためには、第三者による医療過誤なのか否かについての調査が望ましいです。

 

弊社では、ほぼすべての科の事案で医療過誤か否かの調査が可能です。詳細は以下の意見書作成可否調査をご確認ください。

 

 

<参考>
【弊社ホームページ】意見書作成可否調査

 

 

医療裁判で使用する医師意見書

意見書作成可否調査で医療過誤であることが判明した場合、各科の専門医による医師意見書を作成することが可能です。詳細は以下の医師意見書のページをご確認ください。

 

 

<参考>
【医療過誤】医師意見書|120名の各科専門医による圧倒的実績

 

 

 

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まとめ

 

医療裁判で患者側が勝てる確率は約20%です。このため医療裁判は勝てないと言われています。その理由は、医療裁判の多くは、単に治療結果が悪いだけで、実際には医療過誤ではないことが原因です。

 

弁護士や患者にとってはもちろんのこと、医師にとっても徒労に終わるだけの不毛な医療裁判を防ぐためには、第三者による医療過誤なのか否かについての調査が望ましいです。

 

医療過誤の可能性がある事案でお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

 

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