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隅角解離(ぐうかくかいり)とは?骨折と違う?|交通事故の医療鑑定

交通事故や転倒などの強い外力で腰を打ってから痛みが続く際に、画像に写る異常がある…。そんなケースでありがちなのが、隅角解離(ぐうかくかいり)です。

 

一見すると、背骨の骨折のようにも見える病態ですが、隅角解離は骨折ではありません。

 

本記事では、隅角解離の基礎知識から、骨折との違い、画像診断、後遺障害認定のポイントまでを専門的かつ分かりやすく解説しています。

 

交通事故に関わる医療・法的判断にも影響するため、被害者や弁護士の方にとっても必見の内容です。

 

 

最終更新日: 2025/5/17

 

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隅角解離(ぐうかくかいり)とは?

隅角解離の定義

隅角解離とは、主に成長期の脊椎で見られる病態で、椎体縁の輪状骨端(骨端核)が椎体から部分的に離れる現象です。

 

椎間板の圧力や外傷が原因で骨端が分離して、レントゲンやCTなどの画像検査で、椎体の一部が欠けたように見えるのが特徴です。

 

 

隅角解離の疫学

隅角解離は10代の成長期に多く発生して、特にスポーツを行う若年者に多いとされています。

 

17歳以下の腰椎椎間板ヘルニア患者の約28%に隅角解離が認められたとの報告もあり、体操やバレエなど腰部に負担がかかる競技で高頻度に観察されます。

 

 

隅角解離の原因

隅角解離の主な原因は、慢性的な機械的刺激や、急性の外傷による椎間板圧の上昇です。

 

これらの原因により、成長期の脆弱な骨端核と椎体終板の間に亀裂が生じて、繰り返しの負荷で骨端が離開します。

 

 

隅角解離の好発部位

多くは中位腰椎(L2~L4)の椎体前上縁に発生します。特にスポーツ活動中の腰部伸展動作が誘因となりやすいです。

 

 

隅角解離の症状

発症時は腰痛が主な症状で、動作時痛や運動制限を伴うことがあります。ただし、無症状で偶然に画像で発見されるケースも多いです。

 

進行すると、椎間板変性や腰椎分離症と類似した症状を呈する可能性があります。

 

 

隅角解離の治療

多くは保存的治療(安静、運動制限、鎮痛薬)で経過観察されます。症状が強い場合や合併症がある場合は、手術が検討されるケースもあります。

 

 

隅角解離の画像所見

レントゲン検査やCT検査では、椎体縁の骨端が分離して、椎体の一部が欠けて見えます。

 

MRI検査では椎体辺縁に信号変化が認められ、骨端核の癒合不全や周囲の炎症所見が確認されます。腰椎分離症や骨折との鑑別が重要です。

 

 

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隅角解離の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

交通事故では隅角解離と骨折の鑑別が問題になる

交通事故の後遺障害認定では、隅角解離と椎体骨折(圧迫骨折)の鑑別が重要です。椎体骨折であれば、最低でも後遺障害11級7号に認定されます。

 

一方、外傷ではない隅角解離では、非該当もしくは14級9号目線になります。主治医が整形外科医でないケースでは、隅角解離を骨折と誤診するケースも珍しくありません。

 

このような場合であっても、自賠責保険による後遺障害認定では、ほぼ確実に非該当になります。

 

<参考>
圧迫骨折の後遺症が後遺障害認定されるポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

隅角解離は後遺障害に認定される?

隅角解離の発生は、交通事故と関係ありません。しかし、交通事故による外力がきっかけとなって、それまで無症状だった隅角解離が有症化する可能性があります。

 

隅角解離を、交通事故に起因した椎体骨折であると主張しても、後遺障害に認定される可能性はありません。

 

しかし、腰椎捻挫と同様に、交通事故による外力のため、無症状だった隅角解離が有症化したと主張することで、14級9号に認定される可能性はあります。

 

<参考>
腰椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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隅角解離の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、隅角解離の後遺障害認定のために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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隅角解離の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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隅角解離でよくある質問

隅角解離とヘルニアの関係は?

隅角解離は椎間板ヘルニアと合併することがあり、特に成長期のヘルニア患者で高頻度に見られます。隅角解離を伴うヘルニアは、保存的治療に抵抗性であるケースが多いです。

 

 

隅角解離とシュモール結節の違いは?

隅角解離は椎体辺縁の骨端核の離開で、主に成長期に発生します。一方、シュモール結節は椎間板組織が椎体内に陥入したもので、年齢を問わず発生します。画像所見や発生機序が異なります。

 

 

 

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まとめ

 

隅角解離とは、成長期の腰椎に起こる病態で、椎体の端にある骨端核が外力や圧力によって剥がれる現象です。

 

特に10代のスポーツ選手に多く、腰痛や動作痛を引き起こします。中位腰椎の前上縁に好発して、多くは安静などの保存療法で回復しますが、重症例では手術が必要なケースもあります。

 

交通事故では、隅角解離と骨折の鑑別が重要で、後遺障害の認定には正確な診断と専門的なサポートが求められます。

 

隅角解離の後遺障害認定で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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