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大腿骨骨折後に歩けるまでの期間は?|交通事故の後遺障害

大腿骨骨折は、歩行に大きな影響を及ぼす重大なケガです。事故や転倒によって骨折してしまった場合、「どのくらいで歩けるようになるのか?」と不安を感じる方も多いでしょう。

 

回復期間は骨折の種類や治療方法によって異なり、適切なリハビリを行うことで歩行の回復を早めることも可能です。

 

本記事では、大腿骨骨折の種類や治療法ごとの回復期間を詳しく解説します。歩行可能になるまでの目安や後遺障害についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

 

最終更新日: 2025/3/13

 

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大腿骨骨折後に歩けるまでの期間は?

大腿骨頚部骨折

大腿骨頚部骨折は、股関節に近い部位の骨折で、高齢者に多く見られます。手術後、早期にリハビリテーションを開始することが推奨されており、通常は術後翌日からリハビリを始めます。

 

 

内固定術(骨接合術)

 

歩行の回復には個人差がありますが、手術後1〜2ヶ月程度で歩行能力がある程度安定するケースが多いです。

 

人工骨頭置換術

 

一般的に内固定よりも早期に歩行が可能となり、手術後4〜6週間程度で歩行能力が安定するケースが多いです。

 

 

大腿骨転子部骨折

大腿骨転子部骨折は、股関節と大腿骨幹部の間に位置する部位の骨折です。手術後、早期のリハビリが重要で、通常は術後翌日からリハビリを開始します。

 

歩行の回復には個人差がありますが、約4~6週間で補助具を使用した歩行が可能となりますが、完全な回復には数ヶ月を要することがあります。

 

 

大腿骨骨幹部骨折

大腿骨骨幹部骨折は、太ももの中央部分の骨折で、交通事故など高エネルギー外傷によって生じることが多いです。

 

手術後6〜12週間程度で部分荷重歩行が可能となり、3〜4ヶ月程度で全荷重歩行が可能となるケースが多いです

 

 

大腿骨顆上骨折

大腿骨顆上骨折は、膝関節に近い大腿骨の下部の骨折です。手術後、早期のリハビリテーションが推奨され、通常は術後数日以内に開始します。

 

骨折の程度や治療法によって異なりますが、通常手術後4〜6週間程度で部分荷重歩行が可能となり、2〜3ヶ月程度で全荷重歩行が可能となることが多いです。

 

 

大腿骨顆部骨折

大腿骨顆部骨折は、膝関節の直上に位置する部位の骨折で、関節面を含む複雑な骨折となることが多いです。

 

骨折の程度や治療法によって異なりますが、一般的に手術後6〜8週間程度で部分荷重歩行が可能となり、3〜4ヶ月程度で全荷重歩行が可能となるケースが多いです。

 

 

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大腿骨骨折の後遺障害認定で請求できる損害賠償金

 

交通事故で受傷した大腿骨骨折が、後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

 

 

後遺障害慰謝料とは

交通事故で後遺障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。

 

 

後遺障害等級

後遺障害慰謝料

1級

2800万円

2級

2370万円

3級

1990万円

4級

1670万円

5級

1400万円

6級

1180万円

7級

1000万円

8級

830万円

9級

690万円

10級

550万円

11級

420万円

12級

290万円

13級

180万円

14級

110万円

 

 

後遺障害逸失利益とは

後遺障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。

 

後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

 

 

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

 

 

 

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大腿骨骨折で考えられる後遺障害

 

交通事故で受傷した大腿骨骨折で後遺症が残ると、以下のような後遺障害に認定される可能性があります。

 

 

機能障害

等級

認定基準

8級7号

下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

10級11号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級7号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

8級7号:1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

  • 股関節がほとんと動かない状態(関節可動域が10%以下)
  • 人工関節を挿入して、関節可動域が2分の1以下に制限された状態

 

 

10級11号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

  • 関節可動域が2分の1以下に制限された状態

 

 

12級7号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

  • 関節可動域が4分の3以下に制限された状態

 

 

 

神経障害(痛み)

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

  • 画像所見などで痛みの原因を証明できるもの

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

  • 画像所見で痛みの原因を証明できないものの、治療内容などから痛みの存在を類推できるもの

 

 

 

変形障害(骨が治癒しなかった)

12級8号:長管骨に変形を残すもの

  • 大腿骨または脛骨の骨端部に癒合不全を残すもの

 

 

 

短縮障害(下肢が短くなった)

等級

認定基準

8級5号

1下肢を5センチメートル以上短縮したもの

10級8号

1下肢を3センチメートル以上短縮したもの

13級8号

1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

 

いずれも下肢の長さはSMDで計測します。SMD(Spina Malleollar Distance:棘果長)は、下肢の長さの計測法のひとつです。骨盤にある上前腸骨棘から足関節の内果(内くるぶし)までの距離をメジャーを用いて計測します。

 

 

<参考>
脚長差(短縮障害)の評価はSMDが妥当?|交通事故の後遺障害

 

 

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大腿骨骨折の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

大腿骨骨折は、大きな外力が加わって受傷するケースが多く、被害者の意識では「重症」だとおもいがちです。

 

もちろん、実際に大きな外傷であることは間違いないですが、必ずしも自賠責保険の後遺障害認定基準を満たす後遺症が残るとは限りません。

 

むしろ、外力の大きさの割には、大腿骨骨折では後遺症を残しにくいと言えます。その理由の1つは、治療技術の進歩です。

 

50年前であれば確実に大きな後遺症が残ったであろう骨折型であっても、医療技術の進歩で後遺症が残りにくくなったのです。

 

大腿骨骨折の後遺障害認定のポイントは、こちらのコラムで詳述しています。興味のある方は参照いただければ幸いです。

 

<参考>
大腿骨骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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大腿骨骨折の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した大腿骨骨折が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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大腿骨骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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大腿骨骨折後に歩けるまでの期間でよくある質問

大腿骨骨折をしたら歩けなくなりますか?

大腿骨骨折は、適切な治療とリハビリテーションにより、再び歩行できるようになる可能性が高いです。手術後、早期にリハビリを開始することで、歩行能力の回復が促進されます。

 

一般的には、術後数日以内に歩行訓練を始め、数週間で松葉杖を使用した歩行が可能となります。

 

完全な回復には個人差がありますが、少なくとも2~3ヶ月以上のリハビリが必要とされます。ただし、高齢者の場合、事故前と同等の歩行能力に戻らない可能性もあります。

 

 

大腿骨骨折は歩行困難になりますか?

大腿骨骨折は、歩行困難を引き起こす可能性があります。骨折により股関節の可動域が制限され、歩行時の痛みや不安定さが生じることがあります。

 

適切な手術とリハビリテーションにより、これらの症状を軽減し、歩行能力を回復させることが可能です。

 

しかし、年齢や骨折の程度、全身の健康状態によっては、完全な回復が難しい場合もあります。

 

 

 

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まとめ

 

大腿骨骨折で歩けるようになるまでの期間は、骨折した場所によって異なります。

 

股関節に近い、大腿骨頚部骨折では手術後1~2ヶ月、大腿骨転子部骨折では4~6週間で歩行が安定しますが、完全に回復するには数ヶ月かかることがあります。

 

太ももの真ん中の大腿骨骨幹部骨折では、手術後6~12週間で体重をかけて歩き始め、3~4ヶ月で普通に歩けるようになることが多いです。

 

膝関節に近い、大腿骨顆上骨折は手術後4~6週間、大腿骨顆部骨折は6~8週間で体重をかけて歩き始め、どちらも2~3ヶ月で普通に歩けるようになることが多いです。

 

交通事故で受傷した大腿骨骨折の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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