むちうちは交通事故などで首が激しく動かされることで発生する症状です。首の痛みや肩こり、頭痛などの症状が現れるため、適切な治療と通院が必要です。
本記事では、むちうちの通院頻度や期間について詳しく解説しています。また、後遺症が残った際の後遺障害認定のための通院頻度や、通院期間の目安、通院終了のタイミングについても触れています。
最終更新日: 2024/11/24
Table of Contents
むちうちの通院先は整形外科一択
むちうちは、交通事故などで首に強い衝撃が加わることで発生する症状です。むちうちの治療には、整形外科を受診することが推奨されています。
整形外科では、レントゲン検査やMRI検査などを受けることができ、医師の診断に基づいた適切な治療が行われます。
整形外科で作成する診断書は、後遺障害認定や損害賠償請求時に必要な証拠資料となります。整骨院も利用できますが、まずは整形外科を受診することが重要です。
むちうちの通院頻度とは?
初期の通院推奨ペース
むちうちの初期治療では、最低でも週2回の通院が推奨されています。できる限り、2日に1回のペースで通院することが理想的です。初期段階での積極的な治療が、早期回復に繋がります。
状態に応じた通院頻度の調整
むちうち症状の程度に応じて通院頻度を調整することが重要です。軽度の症状の場合は週1〜3回、中等度以上の症状では週3〜4回の通院が推奨されます。
症状が改善しない場合は、医師と相談しながら通院頻度を見直すことが必要です
改善が見られた場合の通院間隔
症状が改善してきた場合、通院間隔を徐々に広げることができます。最初の1ヶ月は週3〜4回通院し、その後は週に2〜3回のペースに減らすことが一般的です。最終的には、月に1回程度の通院で経過観察を行うことが多いです。
後遺障害認定のための通院頻度
後遺障害認定を受けるためには、一定の通院実績が必要です。症状固定後も、申請結果が出るまで自費で通院を続けることが推奨されます。
通院頻度は週に2〜3回を目安にし、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。
<参考>
むちうち後遺障害認定は週4通院が必要?週1通院は?|交通事故の医療鑑定
むちうちの通院期間はどのくらい?
むちうちの通院期間の目安は治療開始から3ヶ月
むちうちの治療期間は、一般的に2〜3ヶ月が目安とされています。初期の1ヶ月は毎日通院することが推奨され、その後は週に2〜3回のペースで通院を続けることが一般的です。
重度の症状による通院期間の延長
症状が重い場合や改善が見られない場合は、通院期間が4〜6ヶ月に延長されることがあります。
6ヶ月を超えても症状が良くならない場合は「症状固定」とされ、後遺障害と診断されることがあります。
通院終了のタイミングは?
通院終了のタイミングは、症状の改善度合いや医師の判断によります。一般的には、症状が安定し、日常生活に支障がないと判断された時点で通院を終了します。
むちうちの通院を勝手に止めるデメリット
慰謝料を満額もらえない
むちうちの治療を途中で勝手に止めてしまうと、保険会社から治療の必要性がないと判断され、慰謝料を満額もらえない可能性があります。
通院頻度が少ないと軽症と見なされ、保険会社から治療打ち切りの連絡が来ることもあります。適切な治療を続けることで、納得のいく慰謝料を受け取ることができます。
適切な後遺障害認定を受けられない
むちうちの治療を途中で止めると、後遺障害認定を受けるための通院実績が不足して、適切な後遺障害認定を受けられない可能性があります。
後遺障害認定を受けるためには、治療を継続して、医師の診断書を基に申請することが重要です。治療を続けることで、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求する際の証拠となります。
保険会社から治療費打ち切りを伝達されたら?
医師に確認する
保険会社から治療費の打ち切りを伝達された場合、まずは医師に確認することが重要です。
医師の診断に基づいて治療の必要性を判断し、まだ治療が必要である場合はその旨を保険会社に伝えます。
医師の診断書を提出することで、治療費の支払いを継続してもらえる可能性があります
<参考>
むちうちで治療打ち切りにならない方法は?|交通事故の後遺障害
打ち切り後は健康保険や労災保険の活用を
治療費が打ち切られた場合でも、健康保険や労災保険を活用することで自己負担を軽減できます。
健康保険を利用する場合は、第三者行為による傷病届を提出し、治療費の3割負担で治療を続けることが可能です。
また、労災保険を利用することで、さらに負担を減らすことができます34。
むちうち後遺症は後遺障害に認定される可能性がある
むちうちで首の痛みや手のしびれが後遺症として残ると、以下の表のような後遺障害が認定される可能性があります。
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
自賠責保険における神経症状とは痛みです。しかし、首の痛みだけで後遺障害12級13号が認定されるハードルは極めて高いと言えるでしょう。
何故なら、12級13号が認定されるためには自覚症状だけでは不十分で、客観的な身体所見が必要とされるからです。身体所見は神経学的所見の推移についてという書式に記載されます。
腕から手にかけての客観的な身体所見には、筋力低下、筋肉の萎縮(やせて細くなる)、深部腱反射の異常(医師が打腱器を使って行う検査)があります。
しかし、首の痛みに関しては、客観的な身体所見は想定されません。このため実務的には、むちうちの首の痛みだけでは後遺障害12級13号が認定される可能性は極めて低いと言わざるを得ないです。
むちうちが後遺障害12級の認定を受けるためのポイントについて知りたい方は以下を参照してください。
<参考>
【医師が解説】後遺障害が12級に認定されるポイント|医療鑑定
14級9号:局部に神経症状を残すもの
局部とは、むちうちでは頚椎(首)をさします。神経症状とは、むちうちに由来する症状をさします。首の痛みや頭痛だけでなく、上肢のしびれや痛み、めまい、嘔気なども含まれます。
12級13号と14級9号の最大の違いは、14級9号では症状の原因を客観的に証明する必要が無い点です。画像所見や神経学的所見がはっきりしていなくてもよいのです。
つまり、14級9号であれば、むちうちが首の痛みだけで後遺障害に認定される可能性があると言えます。
<参考>
【医師が解説】むちうち後遺障害12級、14級のポイント|医療鑑定
むちうちの後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で残ったむちうちの後遺症が、後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
むちうちの後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
むちうちの慰謝料相場は?
むちうちの慰謝料は、通院期間や後遺障害の有無によって異なります。一般的な入通院慰謝料の相場は、1ヶ月で約19万円、2ヶ月で約36万円、3ヶ月で約53万円、4ヶ月で約67万円、5ヶ月で約79万円、6ヶ月で約89万円です。
後遺障害が認定された場合、14級9号では約110万円、12級13号では約290万円が支払われる可能性があります。慰謝料の金額は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のいずれかに基づいて計算されます。
むちうちの治療法
治療法の選択肢とその効果
むちうちの治療法には、整形外科での物理療法や薬物療法、整骨院での手技療法、鍼灸施術などがあります。
整形外科では、牽引療法や電気療法、温熱療法が一般的で、痛みの軽減や炎症の抑制に効果があります。
整骨院の施術では、柔道整復師によるマッサージやストレッチ、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
治療法の選択肢とその効果
整骨院の施術には、医療機関と異なり診断書の発行ができないため、保険会社との交渉や後遺障害認定の際に不利になることがあります。
また、整骨院の施術は症状の一時的な改善に効果がある一方で、診断ができず科学的なエビデンスに乏しいため、適切な治療を受けられないリスクがあります
むちうちでよくある質問
むちうちの一般的な症状
むちうちの一般的な症状には、首や肩の痛み、頭痛、吐き気、めまいなどがあります。これらの症状は、交通事故などで首に強い衝撃が加わることで発生します。
むちうちは、首の筋肉や靭帯が損傷することで発症し、症状が多岐にわたるため、早期の治療が重要です。
症状が現れるまでの時間
むちうちの症状が現れるまでの時間は、事故直後から数時間後、または翌日以降にかけてです。
事故直後は痛みがなくても、数時間後や翌日に痛みが強くなることがあります。
これは、事故の衝撃による興奮状態が収まり、痛みが感じられるようになるためです。
むちうちと他の怪我との違い
むちうちは、交通事故やスポーツなどで首に強い衝撃が加わることで発生する「外傷性頚部症候群」とも呼ばれる怪我です。
打撲とは異なり、むちうちは首がムチのようにしなることで筋肉や靭帯が損傷します。レントゲンでは異常が見られないことが多く、MRI検査が必要です。
<参考>
外傷性頚部症候群の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
まとめ
むちうちは、交通事故などで首に強い衝撃が加わることで発生する症状です。整形外科での診断と治療が推奨され、初期は週2~3回の通院が理想です。
症状が改善すれば通院間隔を広げますが、後遺障害認定のためには一定の通院実績が必要です。
治療を途中で止めると慰謝料が減額される可能性があり、健康保険や労災保険を活用して治療を継続することが大切です。
後遺障害認定には適切な証拠が必要で、慰謝料の額は通院期間や後遺障害の有無によって異なります。
交通事故で受傷した、むちうちの後遺障害認定に関してお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
関連ページ
資料・サンプルを無料ダウンロード
以下のフォームに入力完了後、資料ダウンロード用ページに移動します。