交通事故で受傷した肩腱板断裂に、肩の痛みや可動域制限などの後遺症が残ると、後遺障害等級が気になる方は多いでしょう。
後遺障害等級がどのように決定されるのか、その基準や注意点について詳しく知ることで、納得のいく形で後遺障害申請できるようになります。
本記事では、肩腱板断裂の後遺障害認定基準や等級認定されるポイントについて、分かりやすく解説しています。
最終更新日: 2026/2/10
Table of Contents
肩腱板断裂の後遺障害等級
認定される可能性のある後遺障害等級
肩腱板断裂は、肩関節の周りを囲む腱や筋肉の損傷で、交通事故などの外傷や加齢による変性が原因となります。
交通事故で受傷した肩腱板断裂の後遺障害等級は、肩関節の可動域制限や痛みの程度に応じて認定されます。
具体的には、肩関節の可動域が2分の1以下に制限される場合は10級10号、4分の3以下に制限される場合は12級6号に認定される可能性があります。
一方、可動域制限は無いものの、肩の痛みが残存する場合は、12級13号または14級9号が認定される可能性があります。
<参考>
腱板断裂を放置するとどうなる?後遺症は?|交通事故の医療鑑定

等級認定のための注意点
交通事故で肩腱板断裂を受傷しても、自動的に後遺障害に認定されるわけではありません。むしろ、肩腱板断裂は後遺障害に認定されにくいです。
肩腱板断裂が後遺障害認定されるには、MRI検査による新鮮外傷である証明が重要です。新鮮外傷は、事故直後のMRI検査でしか判断できません。
このため肩腱板断裂が後遺障害に認定されるには、受傷後早期のMRI検査が重要です。弊社の経験では受傷後1ヵ月以内のMRI検査が望ましいです。
<参考>
肩腱板断裂の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
肩腱板断裂で10級は認定される?
肩腱板断裂は、肩関節の可動域が健側の可動域の1/2以下に制限されている場合、10級10号が認定される可能性があります。
ただし、肩関節の可動域が制限されていれば、必ず認定されるわけではありません。MRI検査における客観的な新鮮外傷の画像所見が必須です。
しかし、交通事故で発症した肩腱板断裂では、陳旧性の画像所見が多いです。このため、肩腱板断裂の後遺症は、非該当になることが多いです。
肩腱板断裂で12級が認められる条件
肩腱板断裂で12級が認められるためには、肩関節の可動域が制限されている場合や、肩に痛みなどの神経症状が残っている場合が該当します。
具体的には、肩関節の可動域が4分の3以下に制限されていれば12級6号、肩関節の痛みが残存していれば12級13号に認定される可能性があります。
12級6号や12級13号に認定されるためには、MRI検査で新鮮外傷であることが証明される必要があります。
14級9号なら簡単に認定される?
もちろん、14級9号であっても簡単に後遺障害に認定されません。12級13号ほどシビアではないものの、それなりにハードルは高いのが実情です。
ただし、MRI検査で明確な新鮮断裂がなくでも、通院頻度や事故態様から痛みの訴えが医学的に説明可能なら、後遺障害認定の可能性があります。
【弁護士必見】肩腱板断裂の後遺障害認定ポイント
肩腱板断裂の後遺障害認定には因果関係が必須
肩腱板断裂は、交通事故やスポーツなどの外傷よりも、加齢による変性のために断裂するケースが多いです。
このため、自賠責保険で後遺障害に認定されるためには、交通事故と肩腱板断裂の因果関係を証明することが極めて重要です。
交通事故と肩腱板断裂の因果関係を証明するためには、受傷直後のMRI検査で新鮮外傷であることを証明する必要があります。
弊社の経験では、交通事故と肩腱板断裂の因果関係を証明するために、受傷後1ヵ月以内のMRI検査を推奨しています。
<参考>
【日経メディカル】その腱板断裂、ホントに交通事故の後遺症?
画像上の異常所見がないケースでは?
肩腱板損傷で画像検査上の異常所見がないケースでは、12級以上の後遺障害には認定されません。
したがって、画像検査上の異常所見がないケースでは、14級9号を目指すことになります。
後遺障害14級9号では、通院頻度や事故態様が重視されます。14級9号の後遺障害認定のポイントは、以下のコラムを参考にしてください。
<参考>
後遺障害が14級に認定されるには?ポイントを紹介|交通事故の医療鑑定
事故態様が軽微なケースでは?
肩腱板損傷で事故態様が軽微なケースでは、12級以上の後遺障害には認定されにくいです。このため、実質的には14級9号を目指すことになります。
軽微な事故態様でも後遺障害に認定されるためには、受傷後早期にMRI検査を受けることが必要です。
早期のMRI検査で新鮮な肩腱板断裂の存在を確認して、交通事故との因果関係を立証します。
初診時に肩腱板断裂の身体所見が無いケース
初診時に肩腱板断裂の身体所見が無いケースも、12級以上の後遺障害には認定されにくいです。
しかし、診療録(カルテ)を精査することで、後遺障害認定の手がかりを掴める事案を散見します。
このような事案では、医師意見書が有効となる可能性があります。肩腱板断裂の後遺障害認定でお困りなら、こちらからお問い合わせください。
肩腱板断裂の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、肩腱板断裂が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的データ量をベースにしています。整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくため、初回事務所様は無料で承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した専門医が作成します。作成前に検討項目を共有して、クライアントと意見書の内容を擦り合わせます。
必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックで、意見書の質を担保しています。
弊社は、数千におよぶ医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例があります。是非、弊社の医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査や資料を精査して、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では、事案の分析から画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
肩腱板断裂の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解のほどお願いいたします。

肩腱板断裂の後遺障害等級でよくある質問
腱板断裂は必ず後遺障害等級に認定されますか
腱板断裂が画像で確認されても、自賠責・保険実務では必ず等級認定されるわけではありません。
後遺障害等級に認定されるには、症状固定時の可動域制限、筋力低下、疼痛などの後遺症を、医学的に証明できる必要があります。
認定される等級は何級が多いですか
肩腱板断裂では、可動域制限が残れば12級6号、痛みなど神経症状で12級13号や14級9号が多く認定されます。
重度の可動域制限や筋力低下がある場合は10級、稀に8級が争点となりますが、認定されるハードルは極めて高いです。
MRIで断裂が写っていれば必ず有利ですか
MRI検査での画像所見は重要な医証ですが、画像所見だけで後遺障害等級が決まることはありません。
特に、肩腱板断裂は陳旧例が多いので、MRI検査での新鮮外傷所見が無いと、後遺障害に認定されません。
手術をしていないと認定されにくいですか
手術の有無は認定要件ではありません。保存療法でも、症状が残存している医学的合理性を説明できる医証があると認定されやすくなります。
痛みだけでも後遺障害になりますか
疼痛のみでも神経症状として12級13号や14級9号が認定される可能性がありますが、画像所見や神経学的所見との整合性が必要です。
主観的疼痛のみで他覚所見が乏しい場合は非該当となるケースが多く、医学的裏付けが重要です。
リハビリ不足だと不利になりますか
治療継続性は後遺障害の信用性判断に直結します。リハビリ中断や通院間隔の空白は症状軽快と評価されやすく、不利になります。
医学的に妥当な治療経過と症状固定までの記録が重要で、医療側の記載内容が決定的影響を持ちます。
医師意見書はどれくらい影響しますか
後遺障害診断書だけでは不足することが多く、専門医意見書で外傷性、可動域制限の機序、疼痛の病態を説明できると認定率が上がります。
実務では、医師意見書の有無や内容が、後遺障害等級認定の分水嶺になることが少なくありません。
加齢性変性と言われると認定されませんか
腱板断裂は加齢性変性が多いため外傷性かどうかが争点になります。受傷機転の妥当性、急性期の画像所見で外傷性を立証できれば認定されます。
肩腱板断裂とは
腱板は、肩の動きを支える重要な部分であり、特に上腕骨と肩甲骨をつなぐ役割を果たしています。
腱板の断裂は、急激な動きや過度な負荷がかかることで起こることが多く、痛みや運動の制限を引き起こします。
肩腱板断裂の原因
肩腱板断裂の原因は主に3つあります。まず、加齢による腱板の劣化です。腱板を構成するコラーゲンが脆くなって損傷しやすくなります。
交通事故などの外傷が原因となる場合があります。転倒や重い物を持ち上げる際に肩に負荷がかかり、腱板が損傷することがあります。
肩を酷使することが原因となる場合もあります。特に野球やバレーボールなどのスポーツを行う人は、肩腱板断裂のリスクが高まります。
肩腱板断裂の症状は?
肩腱板断裂の主な症状は、肩の運動障害、運動時の痛み、夜間痛です。特に夜間痛は患者が病院を受診する一番の理由となります。
肩を動かすとズキズキ痛み、腕の挙げ下げ時に引っかかり感やジョリジョリという軋轢音がすることがあります。
肩腱板断裂の診断は?
肩腱板断裂の診断は、まず患者の症状や病歴の問診から始まります。肩の挙上が困難、拘縮、挙上時の軋轢音、棘下筋の萎縮を確認します。
これらの症状が見られる場合、腱板断裂が疑われます。次に、レントゲン検査やMRI検査を用いて詳細な診断を行います。
MRI検査では、腱板部の断裂が明確に映し出されます。最近では、超音波検査も診断に用いられることが増えてきています。
肩腱板断裂の治療法
肩腱板断裂の治療法には、保存療法と手術療法の2種類があります。保存療法では、内服薬やリハビリテーションを通じて症状を緩和します。
手術療法では、関節鏡視下手術や直視下手術が行われます。関節鏡視下手術は低侵襲で、術後の痛みが少ないです。
肩腱板断裂のリハビリ
肩腱板断裂のリハビリは、痛みの軽減、可動域の回復、筋力の向上を目的としています。
リハビリ方法は損傷の程度や個人の状態に応じて異なりますが、一般的に保存療法と手術後のリハビリに分けられます。
保存療法では、投薬とリハビリを組み合わせて症状を緩和し、手術後のリハビリでは肩の機能回復を目指します。
日常生活での注意点
肩腱板断裂の日常生活での注意点として、まず重いものを持ち上げないことが重要です。
肩に負担がかかる動作は避けて、特に腕を頭の後ろに動かすことは控えましょう。
また、寝るときには肩の下にクッションを置くと良いです。これにより、肩への負担を軽減し、回復を促進します。
このような注意点を守ることで、肩腱板断裂の症状を悪化させずに日常生活を送ることができます。
まとめ
肩腱板断裂は、外傷や加齢で肩関節周りの腱や筋肉が損傷することです。肩腱板断裂の後遺障害等級は、肩の可動域や痛みの程度で決まります。
具体的には、肩の可動域が半分以下に制限されると10級10号、4分の3以下だと12級6号が認定される可能性があります。
また、可動域に問題がなくても痛みが残る場合、12級13号または14級9号が認定されることもあります。
肩腱板断裂は陳旧例が多いため、後遺障害に認定されるには、早期のMRI検査で新鮮な外傷であることを証明することが重要です。
肩腱板断裂の後遺障害認定でお困りなら、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニング®を承ります。
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