むちうちは、交通事故で最も多いケガです。一方、事故直後は比較的痛みが軽いため、医療機関をすぐに受診しない人も少なくありません。
後遺症が残れば後遺障害審査を申請しますが、通院回数が少ないと症状が軽いとみなされて認定されません。
むちうちの後遺症が残ってから慌てるのではなく、治療中から後遺症が残る可能性も考えて準備することが大切でしょう。
むちうちは後遺障害に認定されにくいです。本記事は、むちうちが後遺障害認定されにくい理由と、非該当になった際の対処法を解説しています。
最終更新日: 2026/2/18
Table of Contents
むちうちの後遺障害が認定されない8つの理由
事故規模が小さい
むちうちが後遺障害認定されない理由として、交通事故の規模が小さいことが挙げられます。
その理由は、首にかかる衝撃が小さければ、むちうち症状は残りにくいと考えられているからです。
特に後遺障害が認定されにくいのは、自動車の躯体構造に損傷が及ばないケースです。
通院頻度が低い
むちうちの後遺症が後遺障害に認定されるためには、病院などの医療機関に通院する頻度も重要です。
概ね、月に10回以上、かつ症状固定までの通院日数が合計60日以上無ければ、後遺障害に認定されにくいです。
通院頻度が低いと認定されにくい理由は、そんなに通院しなくても問題無い程度の症状しか無かったとみなされるからです。
整骨院メインである
通院頻度が多いと言っても、整骨院(接骨院)に通っている場合は注意する必要があります。
自賠責保険は、整骨院への通院を整形外科などの医療機関と同等には見ていないからです。
このため、整骨院メインで整形外科にはあまり通院していない場合には、後遺障害に認定されない確率が高まります。
<参考>
症状固定までの期間が短い
むちうちの後遺症が後遺障害に認定されるためには、受傷から症状固定までの期間が6ヵ月以上必要です。
弊社の経験では、数日足りないだけなら後遺障害認定への影響は大きくありません。しかし、2週間以上足りないと、ほとんど認定されません。
ただし、手足の切断や遷延性意識障害(植物状態)については、6ヵ月経っていなくても後遺障害に認定されます。
<参考>
遷延性意識障害(植物状態)における医師意見書の有効性|医療鑑定
症状に一貫性が無い
交通事故に遭った時には腰が痛かったが、事故から1ヵ月してから首も痛くなってきたケースでは、後遺障害に認定されません。
弊社の経験では、おおむね受傷後1週間以内に発症した症状だけが、後遺障害の対象となります。
常時痛ではない
「夕方になると痛む」「雨の日に痛い」「ときどき痛い」など、症状が持続していないケースでは、後遺障害に認定されません。
自賠責保険は、むちうちの後遺症に関しては「常時痛」しか後遺障害に認定しないので注意が必要です。
一方、関節内骨折などの器質的所見のある事案では、運動時だけ痛いケースでも後遺障害に認定されます。
画像所見や身体所見に乏しい
レントゲンやMRIなどの画像検査や、身体の状態に明確な異常が見られないケースも後遺障害に認定されにくいです。
自賠責保険は、診断書や検査結果のみの書類審査です。このため、画像所見や身体所見に乏しいケースは後遺障害に認定されにくいです。
<参考>
骨折が後遺障害認定されない理由と対処法|交通事故の医療鑑定
後遺障害診断書の記載内容が不十分
後遺障害診断書の内容が不十分だと、後遺障害に認定されにくいです。後遺障害診断書は重要な書類なので、記載内容には細心の注意が必要です。
弊社はこれまで数千に及ぶ後遺障害診断書を見てきましたが、完璧な後遺障害診断書はほとんどありませんでした。
致命的な記載がなければ、認定されないわけではありません。しかし、ケガの種類によって、後遺障害診断書で強調するべきポイントが違います。
また、専門医でなければ診断書の記載内容の妥当性を判断できないため、主治医に修正を依頼しても受け入れてもらえないことが多いです。
<参考>
医師が診断書を書いてくれない理由と対処法|交通事故の後遺障害

むちうちが後遺障害認定されるポイント
後遺障害認定基準を満たしているか確認する
弊社が取り組んだ数千例の事案を分析した結果、前述したように、後遺障害に認定されない理由として以下が挙げられます。
- 事故規模が小さい
- 通院頻度が低い
- 整骨院メインである
- 症状固定までの期間が短い
- 症状に一貫性が無い
- 常時痛ではない
- 画像所見や身体所見に乏しい
- 後遺障害診断書の記載内容が不十分
むちうちが後遺障害に認定されるためには、非該当理由や、想定していた等級が認定されなかった理由を詳しく調べることがポイントです。
上記の項目の中では、症状固定までの期間や通院頻度は分かりやすいですが、医学的内容は判断が難しいです。
また、主治医に相談しても、後遺障害認定基準を理解している医師はほとんど存在しないため、効果的ではないケースが多いです。
後遺障害に認定されるには新たな医証が必要
自賠責保険への異議申立ては何度でも可能です。しかし、対策を立てなければ、何度繰り返しても後遺障害に認定されません。
弊社の経験では、むちうちが後遺障害に認定されるには「新しい医証」が必要です。新しい医証の具体例は、以下のようなものです。
- 新しい画像検査
- 新しい各種検査結果
- 主治医の新しい診断書
- 主治医への医療照会書
- 別の医師の意見書
- 専門家による画像鑑定報告書
これらの医証や書類で、むちうちの後遺障害認定に不足している要素を補うことが重要です。
むちうちで後遺障害に認定された事例の紹介
【12級13号】むちうちの後遺障害認定事例
事案サマリー
- 被害者:46歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)
交通事故後に、頚部痛と右頚部から母指にかけて放散する痛みが持続していました。
痛みのため、1年以上通院、治療を余儀なくされましたが、症状は改善しませんでした。初回申請時には非該当と判定されました。
弊社の取り組み
診療録を詳細に確認すると、受傷直後から頚椎椎間板ヘルニアに特徴的な「スパーリング徴候陽性」と複数箇所に記載されていました。
MRIでC5/6に椎間板ヘルニアを認め、右母指にかけての放散痛は、椎間板ヘルニアが圧迫しているC6神経根の知覚領域と完全に一致しました。
脊椎脊髄外科指導医が診療録を確認して、初回申請時に見落とされていた身体所見を記載した医師意見書を作成しました。
これらの医証を添付したうえで、異議申し立てを行ったところ12級13号が認定されました。

【14級9号】むちうちの後遺障害認定事例
事案サマリー
- 被害者:60歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:14級9号(局部に神経症状を残すもの)
交通事故後に頚部痛と両手のしびれを自覚されていました。受傷から半年間通院しましたが、頚部痛と両手のしびれは改善しませんでした。
後遺障害診断書が作成されましたが、非該当と判定されたため、弊社に相談がきました。
弊社の取り組み
MRIを脊椎脊髄外科専門医が読影したところ、頚椎後縦靭帯骨化症が存在していることが明らかになりました。
診療録を確認すると、受傷当日から頚部痛と両手がしびれると記載されていました。
身体所見、画像所見および診療経過について、医師意見書を作成して異議申立てを行ったところ14級9号が認定されました。

むちうちの後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、むちうちで後遺障害に認定されなかった事案の異議申立てを成功させるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的データ量をベースにしています。整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくため、初回事務所様は無料で承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した専門医が作成します。作成前に検討項目を共有して、クライアントと意見書の内容を擦り合わせます。
必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックで、意見書の質を担保しています。
弊社は、数千におよぶ医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例があります。是非、弊社の医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査や資料を精査して、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では、事案の分析から画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
むちうちの後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解のほどお願いいたします。

むちうちが後遺障害認定されないでよくある質問
症状があるのに、なぜ非該当になるのですか?
むちうち(頚椎捻挫)は画像所見に乏しいことが多く、自賠責保険では「他覚所見」が重視されます。
MRIや神経学的検査で客観的異常が確認できなかったり、症状の一貫性や通院状況に問題があると判断されると、非該当になります。
MRIで異常がないと認定は無理ですか?
14級9号であれば、必ずしも不可能ではありません。しかし、画像所見がない場合は、神経学的検査所見や症状経過の一貫性が重要です。
スパーリングテストなどの結果、通院頻度、治療内容が整合的であることが求められ、総合評価で判断されます。
通院頻度はどのくらい必要ですか?
一般に、月10回程度の通院頻度が必要と言われています。不規則な通院や長期の中断があると、症状の持続性に疑義が生じやすくなります。
症状固定が早すぎると不利ですか?
事故後短期間で症状固定とされると、症状の残存性が軽微と判断されやすくなります。
通常は6ヵ月程度の治療経過が一つの目安とされ、十分な治療期間の有無が重要視されます。
整骨院中心の通院は不利ですか?
整骨院のみの通院では医学的資料が乏しいと判断されます。医師の診察記録や画像検査が重要資料なので、医療機関での定期的診察が必須です。
事故との因果関係が否定される理由は?
軽微な物損事故、車両損傷が小さい場合、衝撃の程度から医学的相当性が疑問視されることがあります。
初診が遅れると不利になりますか?
事故から初診まで期間が空くと、事故との関連性が疑われます。数日以内の初診が望ましく、1週間を超えると因果関係の立証が難しくなります。
医師の診断書の内容は重要ですか?
極めて重要です。自覚症状のみの記載では弱く、神経学的検査や具体的所見の記載が必要です。診断書の記載内容不備は非該当理由になります。
異議申し立てで逆転できますか?
可能性はありますが、新たな医学的資料の提出が必須です。単なる不満表明では足りず、追加検査や医師意見書など客観的根拠が求められます。
弁護士に依頼すると有利になりますか?
医学資料整理や意見書取得支援などの利点があります。ただし、結果は医学的証拠次第であり、弁護士依頼だけで認定されるわけではありません。
まとめ
むちうちが後遺障害に認定されない理由として、通院頻度が低い、整骨院中心の治療、症状に一貫性がないことなどが挙げられます。
後遺障害に認定されるには、新規の画像検査、診断書、医師意見書などの「新しい医証」が必要です。
異議申し立ては何度でもできますが、新しい医証がなければ認定されにくいため、足りない要素を補うことが重要です。
むちうちの後遺障害認定でお困りなら、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニング®を承ります。
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