「しびれ」は、交通事故でよく見かける後遺症のひとつです。むちうちや腰椎捻挫だけではなく、「しびれ」は手足のケガでも発症します。
「しびれ」は交通事故の後遺症として一般的ですが、必ずしも自賠責保険で後遺障害に認定されるわけではありません。
本記事は、「しびれ」が後遺障害に認定されるヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/9/29
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「しびれ」で認定される後遺障害等級
自賠責保険では、「しびれ」の症状で認定される後遺障害には14級9号と12級13号があります。この2つの後遺障害等級では、14級9号に認定されるケースが圧倒的に多いです。
後遺障害14級に認定される「しびれ」
自賠責保険の用語では、「しびれ」のことを神経症状と言います。しびれは「局部に神経症状を残すもの」として14級9号に認定されます。
しかし、しびれがあれば必ず後遺障害14級9号に認定されるわけではありません。むしろ、ほとんどのケースが非該当になっているのが現実です。
<参考>
【日経メディカル】初回認定率は約5%!自賠責保険の厳しい現実
後遺障害12級に認定される「しびれ」
しびれは後遺障害12級13号に認定されるケースもあります。12級13号は「局部に頑固な神経症状を残すもの」です。
12級13号と14級9号の違いは「頑固な」というフレーズです。具体的には、MRI検査やレントゲン検査で客観的に後遺症の存在を証明する必要があります。
しびれの原因となる傷病
しびれを発症するケガはたくさんあります。代表的な傷病は以下のごとくですが、ほとんどの外傷でしびれを発症する可能性があります。
しびれを発症するケガとして最も多いのは「むちうち」でしょう。それ以外にも腰椎捻挫や骨折でもしびれを残す可能性があります。
当然、脊髄損傷、神経損傷、頭部外傷では、しびれを発症する可能性があります。しかし、これらの傷病では、しびれ以外の後遺症が後遺障害の対象になるケースが多いです。
【弁護士必見】しびれの後遺障害14級認定ポイント
しびれで後遺障害14級9号に認定される具体例
前述のように、しびれがメインの症状である事案では、後遺障害14級9号認定を目標とするケースがほとんどです。
しびれが後遺症となるケガでは、むちうちが最も多いです。14級9号は、むちうちの後遺症に悩む人の現実的な救済手段として重要なのです。
しかし14級9号と言えども、決して後遺障害認定のハードルは低くありません。むしろほとんどの事案は、非該当になるという重い現実があります。
14級9号の後遺障害認定基準は「局部に神経症状を残すもの」です。12級13号の「頑固な」が無いだけでほぼ同じ文言です。
後遺障害認定基準を翻訳すると「画像所見や神経学的所見などの他覚所見によって客観的に証明できないが、事故形態や治療経過などから、症状の存在を医学的に推定できるもの」となります。
具体的には、以下のような事案が14級9号に認定される典型的なケースだと考えています。
症状
- 右頚部痛
- 右上肢の痛みとしびれ
MRI検査
- C5/6の椎間板変性と正中型の椎間板ヘルニアを認める
- 右椎間孔の狭窄は明らかではない
神経学的所見
- スパーリングテスト(Spurling test)陽性
- ジャクソンテスト(Jackson test)陽性
- 右上肢の深部腱反射(腕橈骨筋反射)正常
通院頻度
- 毎月10回以上通院
- 通院期間が6ヵ月以上
後遺障害14級9号は、ひとつでも条件が欠けると認定されないのではなく、総合点で何点以上であれば認定しましょうという感覚です。
<参考>
【医師が解説】後遺障害が14級に認定されるには?ポイントを紹介
後遺障害14級9号の認定ポイント
後遺障害14級9号は「救済等級」と呼ばれており、交通事故被害者の窮状がある程度考慮されます。
感覚的に言うと、後遺障害12級13号は減点方式で、1点でも減点対象があると後遺障害に認定されません。
一方、後遺障害14級9号は絶対にクリアするべき基準があるものの、加点方式に近い総合判定のイメージです。
つまり、最低限の認定基準をクリアしていれば、減点対象が少しぐらいあっても、他の項目で著しく高い点数があれば総合判定で認定されます。
審査側担当者の感覚的な部分もあるので、12級13号よりも14級9号の認定確率を予測する方が難しいと感じています。
逆に言うと、後遺障害14級9号は総合判定なので、対策次第で認定される可能性があります。非該当でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
「しびれ」で後遺障害14級9号が認定された事例
事案サマリー
- 被害者:60歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:後遺障害14級9号(局部に神経症状を残すもの)
交通事故後に頚部痛と両手のしびれを自覚されていました。受傷から半年間通院されましたが、頚部痛と両手のしびれは改善せず、後遺障害診断書が作成されましたが、非該当と判定されたため、弊社に相談がきました。
弊社の取り組み
MRI検査を脊椎脊髄外科専門医が読影したところ、頚椎後縦靭帯骨化症が存在していることが明らかになりました。診療録を確認すると、受傷当日から首の痛みと両手のしびれが記載されていました。
身体所見、画像所見および診療経過について、医師意見書を作成して異議申立てを行ったところ14級9号が認定されました。
しびれの後遺障害14級認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、しびれが後遺障害14級に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
しびれの後遺障害14級認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
まとめ
「しびれ」は、交通事故でよく見かける後遺症のひとつです。むちうちや腰椎捻挫だけではなく、「しびれ」は手足のケガでも発症します。
しびれを発症する代表的な傷病は以下のごとくで、最も多いのはむちうち(頚椎捻挫)です。
後遺障害14級9号は、基本となる認定基準をクリアしていれば、それ以外の条件が多少足りなくても、総合判定で後遺障害が認定される傾向にあります。
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