頚髄損傷や頚椎症では、神経が損傷した部位が問題になります。神経が障害を受けた部位を「高位」といいます。
損傷した高位は、頚髄と頚椎でほぼ一致しますが、正確には1椎体程度異なります。本記事は、頚髄と頚椎の高位の違いを理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/5/14
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頚髄と頚椎の高位の違い
頚椎レベルの損傷では、脊髄の障害なのか神経根の障害なのかによって、障害を残す領域に差があります。
解剖学的に脊髄は中枢神経ですが、神経根は末梢神経です。木に例えると分かりやすいのですが、脊髄は幹、神経根は枝に相当します。
例えば、C5/6の外傷性頚椎椎間板ヘルニアのために障害が発生した場合、脊髄の損傷であればC7(第7頚髄)が障害されることが多いです。
一方、神経根の損傷であれば、C6神経根の障害となります。だいたいの目安として、中~下位頚椎レベルでは、頚髄(中枢神経)と頚椎(背骨)の間には、1~2高位のずれが生じます。
何故、このようなことがおこるのかというと、発生段階にその原因があります。胎生期には脊髄と脊椎の長さはほぼ同じです。
しかし、成長にしたがい、脊髄の成長以上に脊椎が伸びるため、最終的には脊椎の方がかなり長くなります。このため、頸椎レベルでは1~2高位のずれが生じてしまうのです。
【弁護士必見】頚髄と頚椎の高位の違いが後遺障害認定に及ぼす影響
後遺障害の判定にあたって、審査側が頚椎と頚髄の高位の違いを理解していない事案にときどき遭遇します。
例えばC5/6レベルの損傷がMRIでみとめられる症例で、実際の脊髄障害高位がC7レベルのケースです。
障害高位と画像所見が一致しないという初歩的な勘違いがなされて非該当となることがあります。
脊髄損傷なので結構な障害が残っているにも関わらず非該当になったのではたまったものではありません。
<参考>
【医師が解説】脊髄損傷が後遺症認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】中心性脊髄損傷が後遺症認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】頚椎骨折が後遺症認定されるポイント|交通事故
【医師が解説】頚椎捻挫が後遺症認定されるポイント|交通事故
頚髄損傷の後遺障害はメディカルコンサルティングまで
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