脳出血によって突然言葉がうまく話せなくなった…。そんな状況に直面したとき、このまま失語症が治らなかったらどうしようと不安になる方も多いでしょう。
特に交通事故などの予期せぬ出来事がきっかけで脳出血を起こして、後遺症として失語症が残ったら、本人だけでなくご家族の生活にも大きな影響を及ぼします。
本記事では、「脳出血の失語症は治らないのか？」という疑問に寄り添いながら、治療の可能性やリハビリの方法、治らない場合の生活への支援について詳しく解説していきます。
失語症と向き合うために、まずは正しい知識を身につけることから始めましょう。
最終更新日： 2025/4/28
Table of Contents
脳出血の失語症とは何か
失語症の種類と特徴
失語症は、言語機能の障害により、話す・聞く・読む・書く能力が損なわれた状態です。主に「流暢型」と「非流暢型」に分類されます。
流暢型は話すことは可能でも、内容や文法に支障があります。一方、非流暢型は言葉を作り出すことが難しくなります。具体的な症状には、言い間違いや言葉が出てこない喚語困難などがあります。
脳出血による失語症の原因
脳出血は、脳内の血管が破裂して、血液が漏れ出すことで周囲の脳組織に損傷を与えます。特に言語を司る左脳の損傷が失語症の原因となります。
高血圧や動脈瘤、血管の異常、そして交通事故などによる頭部外傷が、脳出血の主な原因です。
失語症の診断方法
失語症の診断には、言語機能の評価が行われます。具体的には、話す・聞く・読む・書く能力を測定するテストや、脳の画像検査（MRI検査やCT検査）を用いて脳の損傷部位を特定します。
脳出血による失語症は治るのか？治療方法とアプローチ
失語症が治る確率は？
失語症は、発症初期に自然回復が見込まれますが、回復の程度には個人差があるため、治る確率を明確に示すことは難しいです。
失語症の回復には、発症年齢、損傷部位、リハビリの早期開始などが影響して、完全な回復は難しい場合もあります。
言語療法の役割と方法
言語療法は、言語聴覚士が患者の状態に合わせて行うリハビリです。聴く・話す・読む・書く能力を向上させるため、絵カードやテキストを用いた訓練も行われます。コミュニケーション能力の改善が目的です。
薬物療法の効果と限界
失語症に対する薬物療法が試みられていますが、効果は限定的です。言語療法と併用することで、より良い結果が得られる可能性がありますが、単独での効果は、あまり見込めません。
作業療法と社会復帰
作業療法は、日常生活動作の改善を目指すリハビリテーションです。失語症患者が社会復帰するために、言語療法と併用して行われます。個々の症状に合わせたプログラムで、生活の質の向上を図ります。
交通事故による失語症の後遺障害等級
失語症は高次脳機能障害の一種であり、交通事故によって発症した場合、自賠責保険から後遺障害に認定される可能性があります。
高次脳機能障害の等級は、言語能力、思考力、集中力、易疲労性、対人関係能力といった機能低下の程度によって判定され、1～14級の等級区分が設けられています。
高次脳機能障害の後遺障害認定基準を詳細に知りたい方は、以下のコラムにまとめています。
＜参考＞
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント｜交通事故の医療鑑定
失語症の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】
交通事故で失語症になった場合、CT検査やMR検査で脳の損傷と症状の因果関係を証明できれば、後遺障害に認定される可能性があります。
特に、脳出血や脳挫傷のようなケースでは、受傷した脳の部位と失語症の症状が一致しているかが、重要なポイントになります。
失語症が後遺障害に認定されるかは、高次脳機能障害と同じ基準で判断されます。高次脳機能障害が後遺障害認定されるポイントを詳しく知りたい方は、以下のコラム記事にまとめています。参考にしていただければ幸いです。
＜参考＞
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント｜交通事故の医療鑑定
交通事故で発症した失語症の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
失語症の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で発症した失語症が、後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
＜参考＞
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査｜医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
＜参考＞
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由｜異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
＜参考＞
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由｜異議申し立て
失語症の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
脳出血の失語症でよくある質問
失語症の平均寿命は？
脳出血後の失語症患者の平均余命は、出血の規模や健康状態、治療の速さにより異なります。一般的には7〜12年程度とされ、若年者や再発がない場合は、平均寿命まで生きられる可能性もあります。
脳内出血で言葉が出ないのはなぜですか？
脳内出血により、言語を司る左脳の言語中枢が損傷されると、言葉を話す・理解する能力が障害されます。これが失語症の原因であり、損傷部位によって症状が異なります。
まとめ
脳出血による失語症は、言語を司る左脳が損傷されることで、話す・聞く・読む・書く力に障害が生じる状態です。
失語症は「流暢型」と「非流暢型」に分かれ、症状や回復の程度には個人差があります。治療は、言語療法や作業療法が中心で、薬物療法の効果は限定的です。
交通事故による失語症は、後遺障害に認定される可能性がありますが、等級認定には専門的な診断と証拠が重要です。
交通事故で発症した失語症の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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