むちうちは、交通事故で最もよく起こるケガです。交通事故では、首が衝撃を受けやすい部位だからです。
首に強い衝撃を受けると「ストレートネック」という状態になることがあります。ストレートネックは、むちうちでよく認められる画像所見です。
本記事は、むちうちとストレートネックの因果関係や、ストレートネックで後遺障害に認定されるのかについて詳しく説明しています。
最終更新日: 2024/9/28
Table of Contents
ストレートネックとは?
ストレートネックの症状
ストレートネックとは、首の骨が本来の前方凸のカーブを失い、まっすぐになる状態です。ストレートネックになると、頭痛、肩こり、首の痛みが起こりやすくなります。
ストレートネックの症状がひどくなると、手のしびれや、めまい、耳鳴り、不眠などの自律神経失調症を引き起こすこともあります。
ストレートネックの原因
ストレートネックは、悪い姿勢を長期間続けることで首がまっすぐになり起こります。背骨は本来S字カーブを描き、体への衝撃を和らげる役割を持っています。
しかし、スマホやパソコンの使用で前かがみになると、首のカーブが失われてしまいます。正しい姿勢に戻さないと筋肉や関節が固まり、首が元に戻らなくなります。
一方、スマホやパワコン使用ほど多くないですが、交通事故でむちうちを受傷した際にも、ストレートネックを併発するケースがあります。
むちうちとストレートネックの違い
前述のように、ストレートネックの症状として、頭痛、肩こり、首の痛み、手のしびれなどがあります。
むちうちの症状と似ていますが、むちうちは症状がはっきり出るのに対して、ストレートネックは無症状の人も多いです。
ストレートネックの診断法
ストレートネックは、レントゲン検査を実施すると簡単に確認できます。MRI検査やCT検査は必要ではありません。
<参考>
【医師が解説】むちうちはレントゲンでわかる?|医療鑑定
むちうちとストレートネックは因果関係がある?
交通事故でもストレートネックは発症する
ストレートネックは「スマホ首」と言われるように、スマホを長時間使ってうつむいた姿勢を続けて首の筋肉が固まることで、首の骨がまっすぐになった状態です。
一方、交通事故で追突されて首の骨の周囲に炎症が起こると、首の筋肉に炎症が波及して首の筋肉が固まってしまいます。このため、むちうちではストレートネックを併発しやすいです。
ストレートネックには2つのタイプがある
ストレートネックには2つのタイプがあります。1つ目は「筋性のストレートネック」で、パソコンやスマホを使う悪い姿勢が続くことで、筋肉がこわばり首がまっすぐになる状態です。
2つ目は「骨性のストレートネック」で、頚椎が変形し、隙間が狭くなることで起こります。これは、年齢の変化で発生します。
若いむちうち患者さんでストレートネックが多い
交通事故では、若い患者さんほどストレートネックを認めやすいです。その理由は、若いほど頚椎の変形が少ないので、筋性のストレートネックが多くなると考えています。
【弁護士必見】ストレートネックで後遺障害認定されるのか?
ストレートネックだけでは不充分
前述したように、若い人ほど筋性のストレートネックが多いです。逆に言うと、若いむちうち患者さんには、ストレートネック以外の画像所見が無いケースが多いです。
しかし、自賠責保険は、ストレートネックだけでは「有意所見」とみなさない傾向にあります。このため、レントゲン検査でストレートネックしか所見が無い事案では、後遺障害に認定されにくいと言えます。
ストレートネックでは事故規模が重要
しかし、ストレートネックだけでは後遺障害に認定されないかと言うと、そういうわけではありません。14級9号の条件を満たせば、むちうちと同様に後遺障害に認定される可能性は十分にあります。
ストレートネックしか所見の無い事案では、事故規模が大きなポイントになります。つまり事故の規模が大きければ、ストレートネックしか所見が無くても14級9号に認定されやすいと言えます。
ただし、漫然と事故規模の大きさを主張するだけでは、後遺障害に認定されません。医師意見書などで、事故規模の大きさとストレートネックの因果関係を証明する必要があります。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
むちうちでストレートネックしか所見が無いため、後遺障害非該当になってお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
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医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
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<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
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<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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まとめ
ストレートネックは、首の骨がまっすぐになる状態で、悪い姿勢や交通事故が原因です。むちうちと似た症状を持ちますが、むちうちははっきりした症状が出やすく、ストレートネックは無症状のこともあります。
ストレートネックには「筋性」と「骨性」の2タイプがあり、レントゲン検査で確認可能です。非該当になったら、医師意見書でストレートネックと事故の大きさとの因果関係を主張する必要があります。
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