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脊髄損傷の画像鑑定で後遺障害を立証する方法|交通事故

交通事故で脊髄を損傷すると、手足の麻痺や感覚障害などの後遺症が残ることがあります。

 

しかし、後遺障害に認定されるには、単に症状を訴えるだけでは不十分で、MRIなどの画像検査で脊髄損傷の医学的根拠を示す必要があります。

 

しかし、脊髄損傷には明確な画像所見が無いケースもあり、非該当になることも少なくありません。そこで注目されているのが「画像鑑定」です。

 

画像鑑定とは、脊椎外科の専門医が画像検査を詳細に分析して、外傷の有無や神経損傷の程度を客観的に評価する手法です。

 

画像鑑定は、後遺障害認定の異議申し立てや訴訟で、症状と事故の因果関係を裏付ける強力な証拠として活用できます。

 

本記事では、脊髄損傷で画像鑑定が必要とされる理由から、依頼の流れ、意見書との違い、効果的な使い方まで、分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/11/14

 

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Table of Contents

脊髄損傷で画像鑑定による専門分析が必要な理由とは

なぜ脊髄損傷の後遺障害は認められにくいのか

脊髄損傷の中でも、骨折を伴わない脊髄損傷(非骨傷性頚髄損傷)では、画像上で明確な所見を得られないケースが存在します。

 

後遺障害認定では、症状を客観的に証明できる医学的根拠が不可欠ですが、画像所見に乏しい場合は非該当になりやすいです。

 

また、加齢による所見(頚椎症性脊髄症)と外傷性所見を鑑別することが難しいケースでは、事故との因果関係が争いになる事例もあります。

 

 

<参考>
脊髄損傷の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

画像鑑定の仕組み

画像鑑定とは、各科の専門医がレントゲン、CT、MRIなどの画像検査を詳細に読影して、後遺症との関連性を記載した報告書です。

 

脊髄損傷では、臨床経験豊富な脊椎外科専門医が担当して、後遺障害診断書に記載された症状と画像所見の整合性を医学的に評価します。

 

画像鑑定には、画像所見と後遺症の関連性、医師による総括などが含まれ、異議申し立てや訴訟で使用できる正式な医証として使用されます。

 

 

後遺障害認定において画像鑑定が持つ意義

脊髄損傷の後遺障害認定では、後遺症の存在を画像所見で証明できるかが重要なポイントとなります。

 

画像鑑定は、後遺障害診断書などを参考にしながら後遺症を画像所見で裏付けることで、後遺障害に認定される可能性を高めます。

 

特に、より専門的な視点からの評価を加えることで、前回審査で非該当とされた事案でも、異議申し立てで等級認定を覆す強力な根拠となります。

 

脊髄損傷のように画像所見の有無が後遺障害認定を左右する傷病では、脊椎外科専門医による画像鑑定の価値は非常に高いと言えます。

 

 

画像鑑定に含まれる医学的情報

脊髄損傷の画像鑑定には、主に以下のような内容が記載されるケースが多いです。

 

  • 傷病名
  • ポイントとなる画像
  • レントゲン、CT、MRIなどの所見
  • 画像所見と後遺症の関連性
  • 鑑定医師による総括

 

 

これら以外にも、画像所見が脊髄損傷の後遺障害認定基準を満たしていることをコメントするケースもあります。

 

 

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画像鑑定の効果的な使い方

脊髄損傷の異議申し立てで後遺症を証明する

前回審査で非該当とされた場合、脊椎外科専門医による画像鑑定を提出することで、後遺障害認定の確率を向上させることができます。

 

特に、MRI検査で後遺症の内容と画像所見が一致すると、「後遺症が残る蓋然性」を医学的に主張できます。

 

異議申し立てでは、前回申請で後遺障害認定基準を満たさなかった点を、新たな医学的証拠で補強することが成功の鍵となります。

 

脊椎外科専門医による詳細な画像鑑定は、症状の一貫性や事故との因果関係を補強する強力な根拠として、審査側に再評価を促す材料となります。

 

 

訴訟で後遺症を裏付ける医学的根拠として活用

訴訟においては、脊椎外科専門医によって作成された画像鑑定を提出することで、当方の主張が裏付けられます。

 

裁判所は専門医の見解を重視する傾向があり、経験豊富な医師による画像鑑定があると、医学的争点に対する説得力が格段に増します。

 

特に、脊髄損傷のように専門的な判断を要する傷病では、脊椎外科専門医による客観的な評価が、裁判官の判断に大きな影響を与えます。

 

 

<参考>
【日経メディカル】医療鑑定の後遺障害認定における位置付けは?

 

 

 

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脊髄損傷の画像鑑定を依頼する際のステップ

画像鑑定を依頼する際のステップ

脊髄損傷の画像鑑定の取得には、まず相談書、診断書、画像検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。

 

尚、弊社では、画像所見の有無を無料で判定する簡易読影を実施しています。画像所見が無い可能性があっても、安心してご依頼いただけます。

 

ただし、無料の簡易読影で所見があっても、そのまま画像鑑定に進むことはお勧めできません。画像所見は認定基準の一部に過ぎないからです。

 

脊髄損傷の画像鑑定が有効かを判断するために、等級スクリーニング®で後遺障害に認定される可能性について分析することをお勧めしています。

 

無料簡易読影や等級スクリーニングの結果で画像鑑定に進む場合には、見積金額の了承から約3週間で初稿(画像鑑定報告書案)が提出されます。

 

脊髄損傷の画像鑑定報告書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に画像鑑定の原本が発送される流れが一般的です。

 

 

鑑定に提出が必要な書類と画像データ

脊髄損傷の異議申し立てで使用する画像鑑定の作成には、以下のような書類や資料が必要です。

 

  • 相談書(依頼時にお渡しします)
  • 画像検査
  • 後遺障害診断書
  • 診断書
  • 診療報酬明細(レセプト)
  • 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 交通事故証明書 / 車の損傷写真 など
  • 後遺障害等級結果連絡書

 

 

画像鑑定の作成に必要な資料の受け渡しは、オンラインストレージ(無料)もしくは郵送となります。

 

弊社では、安全性や利便性から、オンラインストレージの利用を強く推奨しています。

 

ご依頼の際には、無料で利用できるオンラインストレージの使用方法を、簡単にご説明させていただきます。

 

 

画像鑑定にかかる費用の相場

概要

価格

基本料金(通常)


8.8万円

基本料金(単純)

7万円

基本料金(複雑)

12.8万円

訴訟加算

2万円

多部位加算(3部位以上)

1万円/数

特急対応加算

2万円

電子化加算

5,000円

顧問契約有り

-1万円

 

画像鑑定報告書の作成にかかる費用は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。

 

  • 画像検査の分量
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 納品時期
  • 電子データではない事案

 

 

脊椎外科領域における一般的な事案では、7~8万円台の料金負担で、各領域の専門医による画像鑑定報告書の作成が可能です。

 

弊社の画像鑑定作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

画像鑑定の完成までに要する期間

脊髄損傷の画像鑑定を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には3週間ほどで初稿(画像鑑定報告書案)が納品されます。

 

画像鑑定報告書案への修正依頼に、脊椎外科専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。

 

 

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脊髄損傷の画像鑑定を最大限活かすコツ【弁護士必見】

脊髄損傷で後遺障害認定を得るための重要ポイント

脊髄損傷で後遺障害認定を目指すには、自覚症状だけでなく、客観的な医学的な裏づけが不可欠です。

 

脊髄損傷の画像鑑定によって、後遺症の客観的証拠が補強されると、後遺障害認定の審査が有利に働きやすいです。

 

一方、脊髄損傷で後遺障害に認定されるためには、画像所見だけではなく、以下の後遺障害認定基準を全て満たす必要があります。

 

  • 事故と症状に整合性がある
  • 後遺症と各種検査が一致している
  • 事故後から症状固定まで症状が続いている
  • 常に後遺症が存在している

 

 

非骨傷性脊髄損傷では、すべての後遺障害認定基準を満たしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの認定基準が存在します。

 

画像鑑定の価値は、脊髄損傷の後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。

 

この目的を達成するためには、画像鑑定を受任する医療鑑定会社が、脊髄損傷の後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。

 

脊髄損傷が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
脊髄損傷の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

画像鑑定と医師意見書をどう使い分けるか

画像鑑定は「画像検査に基づく後遺症の評価」であるのに対して、医師意見書は「画像検査も含めた総合的な後遺症の評価」を実施します。

 

脊髄損傷の後遺障害が非該当になった原因が、画像所見の乏しさであれば、画像鑑定が有効になる可能性があります。

 

一方、事故と後遺症の因果関係や、医学論文を引用した医学的な解説が必要な事案では、医師意見書が望ましいでしょう。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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脊髄損傷の後遺障害認定で当社が提供できるサポート

弁護士向けのサービスメニュー

弊社では、交通事故で受傷した、脊髄損傷の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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被害者へのサポート内容

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、脊髄損傷の後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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脊髄損傷の画像鑑定でよくある質問

MRI画像で脊髄損傷が確認できないのに症状があるのはなぜですか?

脊髄の微小損傷は、MRI検査で捉えにくいケースがあります。特に、中心性脊髄損傷では、画像所見が軽度でも神経症状が重いケースがあります。

 

 

画像鑑定ではどのような所見をもとに脊髄損傷を判断するのですか?

画像鑑定では、MRI検査のT2強調画像における、脊髄内の高信号領域の有無が最も重要な判断材料となります。

 

MRI検査において、脊髄損傷部位は髄内の挫傷や血管性浮腫を反映して、軽度高信号を示します。

 

また、脊髄の形態変化(物理的な変形)、脊髄内信号変化、脊髄圧迫の程度、骨化巣の占拠率なども評価されます。

 

CT検査では、骨折や骨の転位など脊椎外傷を中心に評価して、変形性脊椎症の程度も確認します。

 

 

画像鑑定と主治医の所見が異なる場合、どちらが優先されますか?

主治医の診断が優先される場合もありますが、画像鑑定の医学的根拠が高ければ、異議申し立てや裁判では専門的な画像鑑定が重視されます。

 

 

古いMRI画像でも画像鑑定に使えますか?

古いMRI画像でも、画像鑑定に使用可能です。特に、受傷直後の画像と現在の画像を比較することが望ましいとされています。

 

経時的な画像の比較では、受傷からの脊髄内信号の変化がポイントです。画像所見が経時的に改善すれば、脊髄損傷を客観的に証明できます。

 

 

CT画像だけで脊髄損傷の有無は判断できますか?

CT画像だけでは、脊髄損傷の有無や損傷した高位を、正確に判断することは困難です。

 

CTは骨の評価には優れており、骨折形状や骨片の位置関係を詳細に把握できますが、軟部組織や脊髄の病変は確認しにくいです。

 

脊髄損傷の診断には、MRI検査のT2強調画像が非常に重要です。また、脊髄損傷が疑われれば、CTとMRI検査の両方を撮像することが標準的です。

 

 

脊髄の高信号域があれば必ず後遺障害に認定されますか?

脊髄の高信号領域があるだけでは、必ずしも後遺障害に認定されるとは限りません。

 

後遺障害認定は、画像所見に加えて、事故と症状の整合性、症状固定まで症状が継続しているなど、複数の認定基準を満たす必要があります。

 

また、画像所見が、後遺障害診断書に記載されている症状と一致していることが重要なポイントとなります。

 

 

受傷直後のMRIと現在のMRI、どちらを分析に使うべきですか?

両方のMRI画像を使用することが最も望ましいとされています。受傷直後の画像では、急性期の損傷所見(出血や浮腫など)が確認できます。

 

一方、現在の画像では、慢性期の変化(脊髄萎縮や陳旧性の信号変化など)が評価できます。

 

経時的な画像の比較により、脊髄損傷の推移を客観的に示すことができ、事故との因果関係の立証に有効です。

 

後遺障害認定の審査では、治療期間中に撮影された全ての画像が、認定調査の資料として使用されます。

 

 

画像鑑定で「外傷性」か「変性(加齢性)」かを区別できますか?

画像鑑定では、外傷性か変性(加齢性)かを区別できるケースが多いです。外傷性の判断には、MRI検査における急性期の画像所見で評価します。

 

事故後の画像所見の変化や症状経過を専門的に評価することで、外傷性の所見を特定できる場合もあります。

 

ただし、変性所見が事故前から存在していた可能性もあるため、事故によって発症したものであることを明確に証明する必要があります。

 

 

画像鑑定はどの専門医が行うのが望ましいですか?

脊髄損傷の画像鑑定は、脊椎外科専門医や整形外科専門医が担当することが望ましいとされています。

 

放射線科医師は画像診断の専門家ですが、実際に患者を診察する機会が少ないため、実臨床に即した画像鑑定が難しい場合があります。

 

そのため、肌感覚で実臨床を理解している脊椎外科や整形外科の専門医による画像鑑定が推奨されます。

 

 

 

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まとめ

 

脊髄損傷は、骨折を伴わない場合(非骨傷性頚髄損傷)は画像上の異常が見えにくく、後遺障害認定が難しい傷病です。

 

後遺障害認定では、症状を客観的に示す医学的根拠が不可欠であり、画像所見が乏しいと非該当となる傾向があります。

 

こうした時に有効なのが画像鑑定です。脊椎外科専門医がMRIやCT検査を詳細に鑑定して、症状と画像所見の整合性を報告書としてまとめます。

 

画像鑑定は異議申し立てや訴訟でも正式な医証として用いられ、初回審査で非該当とされた事案の後遺障害認定につながる重要な証拠となります。

 

脊髄損傷の後遺障害認定でお困りの事案は、こちらからお問い合わせください。初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニングを承ります。

 

 

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