交通事故コラム詳細

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偽関節の画像鑑定を後遺障害認定で活用する方法とは|交通事故

交通事故で骨折を負い、治療を続けても骨が癒合せず偽関節(ぎかんせつ)と診断されることがあります。

 

しかし、痛みや可動域制限が残っているにもかかわらず、後遺障害として認定されないケースも少なくありません。

 

こうしたときに有効なのが「画像鑑定」です。専門医が画像検査を詳細に分析して、骨癒合の状態を医学的根拠として明確に示します。

 

単なる診断書や医師意見書では伝わりにくい「医学的な説得力」を補う資料として、異議申し立てや裁判でも重視されています。

 

本記事では、偽関節の画像鑑定の目的や取得方法、活用法、さらに医師意見書との使い分け方について分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/11/1

 

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Table of Contents

なぜ偽関節は後遺障害認定で争いになるのか

交通事故で生じた偽関節が非該当となる背景

交通事故による骨折後に偽関節になっても、後遺障害認定では「骨癒合良好」とされて、非該当になる事案が少なくありません。

 

レントゲン検査では、偽関節の所見が曖昧な事案も存在するため、偽関節ではないと判断されてしまう可能性があるのです。

 

 

<参考>
偽関節・遷延治癒の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

後遺障害認定における画像所見の重要性

偽関節の診断は、レントゲン検査だけでは困難なケースがあります。このような事案では、CT検査による三次元的評価が必要です。

 

CT検査では、各スライスの骨連続性途絶や髄腔閉塞を示すことが、後遺障害に認定される鍵となります。

 

画像鑑定では、事故後の画像所見の推移を評価して、外傷に起因する偽関節の存在を証明できます。

 

 

画像鑑定の定義と目的

画像鑑定とは、専門医が画像検査(レントゲン、CT、MRIなど)を精査して評価する報告書です。

 

偽関節の場合、事故による骨折とその後の癒合不全、不安定性性残存などを、画像的に証明します。

 

画像鑑定の目的は、診断書の記載内容だけでは後遺障害認定基準を満たさない事案において、詳細な医学的な判断を示すことにあります。

 

 

画像鑑定に記載される具体的な内容

偽関節の画像鑑定には、主に以下のような内容が記載されるケースが多いです。

 

  • 傷病名
  • ポイントとなる画像
  • レントゲン、CT、MRIなどの所見
  • 画像所見と後遺症の関連性
  • 鑑定医師による総括

 

 

これら以外にも、画像所見が後遺障害認定基準を満たしていることをコメントするケースもあります。

 

 

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「画像鑑定」を最大限に活かす活用戦略

異議申し立てにおける偽関節の証明

非該当や想定より低い等級認定に対して、異議申し立てを行う際に、画像鑑定は偽関節の存在を証明します。

 

整形外科専門医が、各種の画像検査や経過を詳細に評価して、骨折部が偽関節になっていることを詳細に解説します。

 

 

裁判における偽関節の医学的証拠としての利用法

裁判では、偽関節の存在や、事故が原因で発生した偽関節であるかが、争点になりやすいです。

 

画像鑑定では、画像上での骨硬化や線維性組織などを示して、偽関節の存在や事故との因果関係を解説できます。

 

画像所見が争点になっている事案では、画像鑑定は当方の主張を裏付ける重要な医学的証拠になります。

 

 

<参考>
【日経メディカル】医療鑑定の後遺障害認定における位置付けは?

 

 

 

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偽関節の「画像鑑定」取得プロセスと必要情報

画像鑑定依頼の具体的な手順

画像鑑定の取得には、まず相談書、診断書、画像検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。

 

尚、弊社では、画像所見の有無を無料で判定する簡易読影を実施しています。画像所見が無い可能性があっても、安心してご依頼いただけます。

 

ただし、無料の簡易読影で所見があっても、そのまま画像鑑定に進むことはお勧めできません。画像所見は認定基準の一部に過ぎないからです。

 

画像鑑定が有効かを判断するために、等級スクリーニング®で後遺障害に認定される可能性について分析することをお勧めしています。

 

無料簡易読影や等級スクリーニングの結果で画像鑑定に進む場合には、見積金額の了承から約3週間で初稿(画像鑑定報告書案)が提出されます。

 

画像鑑定報告書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に画像鑑定の原本が発送される流れが一般的です。

 

 

画像鑑定に必要なレントゲン・CTなどの画像と関連資料

偽関節の異議申し立てで使用する画像鑑定の作成には、以下のような書類や資料が必要です。

 

  • 相談書(依頼時にお渡しします)
  • 画像検査
  • 後遺障害診断書
  • 診断書
  • 診療報酬明細(レセプト)
  • 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 交通事故証明書 / 車の損傷写真 など
  • 後遺障害等級結果連絡書

 

 

画像鑑定の作成に必要な資料の受け渡しは、オンラインストレージ(無料)もしくは郵送となります。

 

弊社では、安全性や利便性から、オンラインストレージの利用を強く推奨しています。

 

ご依頼の際には、無料で利用できるオンラインストレージの使用方法を、簡単にご説明させていただきます。

 

 

画像鑑定の費用体系

概要

価格

基本料金(通常)


8.8万円

基本料金(単純)

7万円

基本料金(複雑)

12.8万円

訴訟加算

2万円

多部位加算(3部位以上)

1万円/数

特急対応加算

2万円

電子化加算

5,000円

顧問契約有り

-1万円

 

画像鑑定報告書の作成にかかる費用は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。

 

  • 画像検査の分量
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 納品時期
  • 電子データではない事案

 

 

整形外科領域における一般的な事案では、7~8万円台の料金負担で、各領域の専門医による画像鑑定報告書の作成が可能です。

 

弊社の画像鑑定作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

画像鑑定の取得にかかる時間は?

偽関節の画像鑑定を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には3週間ほどで初稿(画像鑑定報告書案)が納品されます。

 

画像鑑定報告書案への修正依頼に、専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。

 

 

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偽関節の画像鑑定を使いこなすポイント【弁護士必見】

偽関節の後遺障害認定ポイント

偽関節で後遺障害認定を目指すには、自覚症状だけでなく、客観的な医学的な裏づけが不可欠です。

 

画像鑑定によって後遺症の客観的証拠が補強されると、後遺障害認定の審査が有利に働きやすいです。

 

一方、後遺障害に認定されるためには、画像所見だけではなく、以下の後遺障害認定基準を全て満たす必要があります。

 

  • 事故と症状に整合性がある
  • 後遺症と各種検査が一致している
  • 事故後から症状固定まで症状が続いている
  • 常に後遺症が存在している

 

 

すべての後遺障害認定基準を満たしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの認定基準が存在します。

 

画像鑑定の価値は、後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。

 

この目的を達成するためには、画像鑑定を受任する医療鑑定会社が、後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。

 

偽関節が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
偽関節・遷延治癒の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

偽関節の後遺障害認定における画像鑑定と医師意見書の使い分け

画像鑑定は「画像検査に基づく後遺症の評価」であるのに対して、医師意見書は「画像検査も含めた総合的な後遺症の評価」を実施します。

 

後遺障害が非該当になった原因が、画像所見の乏しさであれば、画像鑑定が有効になる可能性があります。

 

一方、事故と後遺症の因果関係や、医学論文を引用した医学的な解説が必要な事案では、医師意見書が望ましいでしょう。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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偽関節の後遺障害認定サポートサービスのご紹介

弁護士向け:後遺障害認定のサポートサービス

弊社では、交通事故で受傷した、偽関節の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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被害者向け:弁護士紹介サービス

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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偽関節の画像鑑定でよくある質問

CTやMRIのどちらを用いると偽関節の診断精度が高いですか?

偽関節の診断精度が高いのはCT検査です。レントゲン検査では評価しきれない骨癒合の状態や細かい所見を詳細に把握できます。

 

MRI検査は、軟部組織や骨髄の変化を評価できます。脊椎などの特殊な部位や、合併症の有無を確認するのに有用です。

 

CT検査やMRI検査は、症例によって使い分ける必要がありますが、骨折部の評価にはCT検査が必須です。​

 

 

画像上で「偽関節」と判断される典型的な所見は何ですか?

画像検査で偽関節だと診断される典型的な所見は、骨折部の癒合不全、骨梁の消失、骨片同士の解離などです。

 

また、CT検査では骨折端の間に骨が架橋していない状態、MRI検査では骨髄の信号変化や液体貯留像がポイントになります。

 

 

交通事故との因果関係を画像でどのように示せますか?

交通事故と偽関節の因果関係を証明するためには、事故直後からの画像所見の推移を評価して、偽関節の併発を証明することが重要です。

 

 

骨癒合が進行している途中でも「偽関節」と鑑定されることはありますか?

骨癒合が途中まで進行していても、骨片間が架橋されていない場合、画像上で偽関節と鑑定されるケースはあります。

 

 

プレート固定やスクリュー挿入がある場合、画像鑑定に影響しますか?

プレートやスクリューなどの金属固定があると、画像検査で骨折部の状態が分かりづらくなって、画像鑑定に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

過去の画像(初期・術後・現在)を比較すると、どんな点が評価されますか?

過去の画像の比較では、受傷からの癒合過程・骨片の位置変化・部分的に癒合しているかなどが評価ポイントです。

 

経時的な変化を追うことで、骨癒合の停滞が客観的に示されれば、交通事故による後遺障害の立証に役立ちます。

 

 

疼痛や可動域制限などの臨床症状は、画像鑑定でどのように補強できますか?

画像鑑定では、疼痛や可動域制限などの原因となりうる画像所見を評価することで、臨床症状の存在を補強します。

 

 

医師によって偽関節の判断が分かれるのはなぜですか?

偽関節の診断は、画像所見だけでなく臨床症状に個人差があるため、医師によって判断が分かれる可能性があります。

 

特に、部分的な骨癒合や手術症例では、医師の見解が異なりやすく、画像鑑定の質にも差が生じます。

 

 

 

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まとめ

 

交通事故で骨折後に偽関節と診断されても、後遺障害認定で「骨癒合良好」と判断されて非該当になる事例は少なくありません。

 

レントゲン検査だけでは偽関節の所見が明確でなく、画像所見が不十分とされるためです。こうした場合、画像鑑定が重要になります。

 

画像鑑定では、骨の連続性の途絶や硬化像などを指摘して、事故による偽関節であることを客観的に証明します。

 

後遺障害認定を有利に進めるためには、画像鑑定で後遺症との因果関係を医学的に補強することが鍵となります。

 

偽関節の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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