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眼窩底骨折の医師意見書とは?有効性と活用法も解説|交通事故の後遺障害

交通事故や労災事故で眼窩底骨折(がんかていこっせつ)を受傷すると、見た目の変化や視覚の異常が残る可能性があります。

 

特に「ものが二重に見える(複視)」や「眼球が奥に引っ込む(眼球陥没)」といった症状は、後遺障害に認定される可能性があります。

 

これらの症状を適切に立証するには、専門医による「医師意見書」が重要な役割を果たします。

 

医師意見書には、骨折の位置や範囲、眼球運動制限、複視の範囲など、医学的根拠に基づいた詳細な所見が記載されます。

 

本記事では、眼窩底骨折に関する医師意見書の基本から、取得方法、後遺障害認定や裁判での活用法まで分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/10/19

 

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Table of Contents

眼窩底骨折の医師意見書を理解するための基本ポイント

眼窩底骨折とはどんな骨折か

眼窩底骨折とは、眼球を支える眼窩底の骨が、眼球への直達外力によって破損した状態です。

 

交通事故やスポーツ外傷で多く、複視や眼球運動障害、頬のしびれ、眼球陥没など幅広い症状が出現します。CT検査による画像診断が重要です。

 

 

<参考>
眼窩底骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

医師意見書の役割と目的

医師意見書は、専門医が被害者の医学的状態や後遺症の存在を、詳細に記載する文書です。

 

医師意見書は画像所見や診療録などを基に作成され、異議申し立てや訴訟などで医学的根拠として活用されます。

 

 

眼窩底骨折の意見書に盛り込まれる主な情報

眼窩底骨折の医師意見書には、主に以下のような内容が記載されるケースが多いです。

 

  • 傷病名
  • 治療経過
  • 後遺症(複視・しびれ・眼球運動障害)や重症度
  • 症状固定時期
  • 画像検査の結果(CT検査など)
  • 骨折と後遺症の因果関係

 

 

これら以外にも、眼窩底骨折の後遺障害認定基準を満たしていることを、医学論文なども引用して解説します。

 

 

診断書との違いと使い分け

診断書は、患者の傷病名や治療経過、治療見込み、症状固定日などを簡潔に記載したものです。

 

一方、医師意見書は、医学的見解や後遺症の蓋然性、後遺障害認定基準への適合性などの医学的根拠を詳しく述べます。

 

専門医によって作成された医師意見書は、異議申し立てや裁判の証拠として利用されます。

 

 

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なぜ眼窩底骨折では医師意見書が欠かせないのか

眼窩底骨折の後遺症を医学的に解説

眼窩底骨折の後遺症として、物が二重に見える複視、眼球運動障害、頬や唇のしびれ、眼球陥没、視力低下などがあげられます。

 

医師意見書では、これらの症状が後遺障害認定基準を満たしていることを、専門医が医学的に解説します。

 

 

後遺障害認定で医師意見書が果たす役割

後遺障害認定の審査では、症状(複視・運動障害など)が、後遺障害認定基準を満たすかが問われます。

 

一方、臨床医のほとんどは後遺障害認定基準を知らないため、診断書の記載内容が不足しているケースが珍しくありません。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準を熟知している専門医が作成するため、後遺障害認定で不足している資料を補強できます。

 

 

異議申し立てや裁判での証拠価値

医師意見書は、認定基準への適合性を客観的に説明するため、当方の主張を裏付ける医学的証拠となります。

 

 

 

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眼窩底骨折の医師意見書を効果的に活用するには

異議申し立てで後遺障害認定基準を満たすことを主張

認定結果に不服があれば、異議申し立てせざるを得ません。その際、医師意見書や追加資料を提出して、医学的裏付けを強化します。

 

医師意見書で、初回審査で不足していた根拠を補完することで、後遺障害認定基準への適合性を主張できます。

 

 

示談交渉を有利に進めるための活用術

医師意見書は、眼窩底骨折による慰謝料を、保険会社に請求する際の交渉材料として活用できます。

 

専門医によって作成された医学的文書なので、当方の主張を裏付けて妥当な賠償を請求する根拠となります。

 

 

裁判や調停での医学的証拠

医師意見書は、裁判や調停で後遺障害等級の医学的根拠を示すための証拠資料となります。

 

診断や治療経過、後遺症の残存根拠を専門的に記載して、裁判官に当方の主張を伝える重要な役割を果たします。

 

 

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眼窩底骨折の医師意見書を入手するステップ

医師意見書を依頼・取得する具体的な流れ

眼窩底骨折の医師意見書の取得は、まず相談書、診断書、画像検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。

 

見積金額の了承後、医師意見書の骨子案(検討項目)が提案されます。骨子案に問題が無ければ、約4週間で初稿(医師意見書案)が提出されます。

 

医師意見書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に医師意見書の原本が発送される流れが一般的です。

 

 

医師意見書作成時に必要となる資料や検査データ

眼窩底骨折の異議申し立てで使用する医師意見書の作成には、以下のような書類や資料が必要です。

 

  • 相談書(依頼時にお渡しします)
  • 画像などの各種検査
  • 後遺障害診断書
  • 診断書
  • 診療報酬明細(レセプト)
  • 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 車の損傷写真 など
  • 後遺障害等級結果連絡書
  • 診療録(カルテ)

 

 

症状や治療経過、日常生活の支障程度が分かる資料が多いほど、医師意見書の信頼性が高まります。

 

 

医師意見書費用の目安

概要

価格

整形外科

23万円

脳神経外科、脳神経内科

29万円

耳鼻科、眼科、歯科など

29万円

精神科

31万円

訴訟加算(整形外科)

4万円

訴訟加算(その他の科)

1万円

多部位加算(3部位以上)

3万円/数

特急対応加算

2万円

難事案加算

6万円~

反論意見書

-5万円

 

医師意見書の作成に必要な料金は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。

 

  • 診療科目
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 弁護士特約の有無
  • 納品時期

 

 

眼窩底骨折では、30万円前後の料金負担で各領域の専門医による医師意見書の作成が可能です。

 

弊社の医師意見書作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

医師意見書の完成までにかかる期間

眼窩底骨折の医師意見書を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には4週間ほどで初稿(医師意見書案)が納品されます。

 

医師意見書案への修正依頼に、専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。

 

 

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【弁護士必見】眼窩底骨折が後遺障害に認定されるポイント

 

眼窩底骨折が、適切な後遺障害等級に認定されるには、以下のような後遺障害認定基準をすべて満たす必要があります。

 

  • 事故と症状に整合性がある
  • 後遺症と各種検査が一致している
  • 事故後から症状固定まで症状が続いている
  • 常に後遺症が存在している

 

 

シンプルに見えますが、すべてをクリアしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの後遺障害認定基準が存在します。

 

医師意見書の価値は、後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。

 

この目的を達成するためには、医師意見書を受任する医療鑑定会社が、後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。

 

眼窩底骨折が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
眼窩底骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

 

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眼窩底骨折の後遺障害認定サポートにおける当社の支援内容

弁護士向けのサービス一覧

弊社では、交通事故で受傷した、眼窩底骨折の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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眼窩底骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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眼窩底骨折の医師意見書でよくある質問

眼窩底骨折による複視の有無はどのように評価されますか?

複視の有無は、正面や特定方向での視野が二重に見えるかを、問診とヘスチャート検査等で確認します。

 

これらの結果を医師意見書へ客観的に記載して、後遺障害認定基準(10級2号・13級2号など)に照らして評価します。

 

 

眼球陥没(眼球が奥に引っ込む)の程度はどのように記載しますか?

眼球陥没の程度は、ミリ単位で左右差を画像検査(CT検査)で計測して、外見や視野への影響も記載します。

 

医師意見書では、治療経過とともに残存症状として明確に記載して、医学的資料として提出します。

 

 

眼窩底骨折で画像所見(CT・MRI)はどの程度必要ですか?

CT検査やMRI検査の画像所見は、骨折部位や骨の陥没、神経損傷の有無を示す医学的根拠として不可欠です。

 

画像所見がないと後遺障害に認定されにくいため、医師意見書には具体的な画像所見を必ず記載します。

 

 

視力低下がある場合、それは眼窩底骨折によるものと考えられますか?

視力低下が眼窩底骨折に起因するかは、外傷の部位や合併症(神経損傷など)を踏まえて医学的に判定します。

 

医師意見書では、画像所見や治療経過をもとに因果関係の有無を記載して、他疾患との鑑別も行います。

 

 

眼窩底骨折の後遺障害等級ではどのような等級が想定されますか?

後遺障害等級は、複視が残れば10級2号や13級2号、しびれ等の神経症状では12級13号や14級9号に認定されます。

 

視力障害は1級1号〜13級1号に、醜状障害は12級や7級に認定される可能性があります。

 

 

眼窩底骨折の意見書で医師が特に記載すべきポイントは何ですか?

医師意見書では、後遺症の症状、画像診断結果、後遺障害認定基準への適合性などが重要です。

 

必要に応じて定量的な記載や他疾患との鑑別も加えて、医学論文を引用して詳述することが求められます。

 

 

眼窩底骨折の後遺障害認定のために意見書以外に提出すべき資料はありますか?

意見書以外に、診断書、カルテ、画像検査(CT・MRI)、ヘスチャートなど各種検査資料の提出が有用です。

 

これらを組み合わせて医学的根拠を補強することが、後遺障害に認定されるカギとなります。

 

 

眼窩底骨折では何科の医師が意見書を作成すべきですか?

眼窩底骨折の場合、形成外科、耳鼻科、眼科、脳神経外科の専門医が意見書を作成することが一般的です。

 

後遺症の部位や症状の内容によって適切な科を選び、診断・治療経過を専門的に記載してもらいましょう。

 

 

 

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まとめ

 

眼窩底骨折とは、眼球を支える骨が強い衝撃で破損する骨折で、複視、眼球運動障害、頬のしびれ、眼球陥没などが生じます。

 

医師意見書は、こうした後遺症と画像所見の関係を専門医が詳しく説明する文書で、診断書では補えない医学的根拠を補強します。

 

後遺障害認定では、後遺症を客観的に示すことが不可欠であり、医師意見書は異議申し立てや裁判で重要です。

 

眼窩底骨折の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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