交通事故コラム詳細

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2025.9.1

骨折・脱臼

中手骨骨折の異議申し立てを成功させるポイント|交通事故の後遺障害認定

交通事故で受傷した中手骨骨折の後遺障害等級認定に納得できず、どうすればよいか悩んでいる方は少なくありません。

 

骨折自体は癒合していると判断されても、握力の低下や指の動かしにくさ、しびれといった症状が残り、日常生活や仕事に大きな影響を与えるケースがあります。

 

しかし、こうした症状が適切に評価されず「非該当」となるケースも少なくないのが現実です。そのようなときに取れる有効な手段が「異議申し立て」です。

 

異議申し立てでは、医学的な証拠を提示して、なぜ後遺障害に該当するのかを主張することが重要です。

 

本記事では、中手骨骨折の異議申し立てが非該当になりやすい理由や、手続きの流れ、成功のための具体的なポイントを詳しく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/9/1

 

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中手骨骨折が非該当になる理由

中手骨骨折で非該当と判断されやすいケース

中手骨骨折において非該当とされやすい事例は、指の可動域制限が残っているケースです。

 

中手骨の表面には、指を動かす腱が走行しています。骨折部で腱が癒着して、指の可動域制限が残りやすいです。

 

しかし、骨癒合しているという理由で、骨折と指の可動域制限との因果関係を否定されるケースが後を絶ちません。

 

 

中手骨骨折の後遺障害認定基準(手指の機能障害)

等級

認定基準

7級7号

1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの

8級4号

1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの

9級13号

1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの

10級7号

1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの

12級10号

1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの

13級6号

1手のこ指の用を廃したもの

 

7級7号:1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの

 

親指はDIP関節(第1関節)、その他の指ならPIP関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものです。著しい運動障害とは、関節の可動範囲が健側の1/2以下になることです。

 

 

8級4号:1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの

 

親指のDIP関節(第1関節)、その他の指ならPIP関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものです。著しい運動障害とは、関節の可動範囲が健側の1/2以下になることです。

 

 

9級13号:1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの

 

親指のDIP関節(第1関節)、その他の指ならPIP関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものです。著しい運動障害とは、関節の可動範囲が健側の1/2以下になることです。

 

 

10級7号:1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの

 

親指のDIP関節(第1関節)もしくはMP関節、その他の指ならPIP関節(第2関節)もしくはMP関節に著しい運動障害を残すものです。著しい運動障害とは、関節の可動範囲が健側の1/2以下になることです。

 

 

12級10号:1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの

 

ひとさし指、なか指又はくすり指のPIP関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものです。著しい運動障害とは、関節の可動範囲が健側の1/2以下になることです。

 

 

13級6号:1手のこ指の用を廃したもの

 

こ指のPIP関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものです。著しい運動障害とは、関節の可動範囲が健側の1/2以下になることです。

 

 

 

中手骨骨折の後遺障害認定基準(手指の神経障害)

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

 

画像所見から、骨折部の痛みを証明できるものです。著明な変形や偽関節の所見があれば、認定される可能性があります。

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

 

手の甲の痛みの原因を明確に証明できないものの、治療経過や画像所見から痛みの存在が疑わしい事案が認定される可能性があります。

 

 

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中手骨骨折の異議申し立て手順ガイド

異議申し立ての流れと必要書類

異議申し立ては、まず「異議申立書」を作成して、事故日、異議の理由・希望する等級などを記載します。

 

あわせて、新たな診断書や追加の画像検査(CT、MRIなど)、医師意見書画像鑑定報告書などの医学的資料を添付することが重要です。

 

非該当理由を分析したうえで、後遺障害認定基準をに足りない資料や客観的根拠を補って再提出しましょう。

 

 

中手骨骨折の異議申し立ての申請先

申請先は初回申請による手続き方法によって異なります。事前認定を選択していた場合は、加害者側の任意保険会社に提出します。

 

一方、初回申請が被害者請求の場合は、加害者側の自賠責保険会社へ異議申立書と追加資料を提出します。

 

どちらのケースでも、提出された資料は損害保険料率算出機構へ送付されて審査されます。

 

 

異議申し立ての費用と時間は?

異議申し立て自体に特別な費用はかかりませんが、新たな診断書や画像検査の費用は自己負担となります。

 

審査期間は2~4ヶ月程度が一般的ですが、内容や混雑次第で半年以上かかる場合もあります。

 

 

中手骨骨折の効果的な異議申し立て準備

異議申し立てを成功させるポイントは、非該当理由を徹底的に分析して、後遺障害認定基準に不足している医学的根拠を補充することです。

 

必要に応じて、新たな画像検査や診断書、医師意見書画像鑑定報告書などの医学的資料を取得しましょう。

 

 

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中手骨骨折の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】

中手骨骨折が非該当になる原因を分析

中手骨骨折が非該当とされる主な原因には、診断書の記載不備や、画像所見の不足、指の可動域制限の原因を証明する客観的な医学的証拠の不足が挙げられます。

 

また、事故との因果関係や症状の一貫性が明確でないと、医学的な妥当性を証明できず、後遺障害が認められにくくなります。

 

 

<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

中手骨骨折の後遺障害認定条件をクリア

中手骨骨折の後遺障害認定では、指の可動域が健常側の半分以下であることや、画像検査等で神経症状(痛み・しびれ等)が医学的に証明される必要があります。

 

また、一定期間の治療を経ていても、日常生活や就労への支障が明確でないと、認定条件を満たさないと判断されます。

 

 

 

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異議申し立てでは新たな医証が必須

異議申し立ての成功には、後遺障害認定基準を満たすための新たな医証が必要不可欠です。具体的には、追加の画像検査、第三者による医師意見書画像鑑定報告書などです。

 

新たな医証がない異議申し立ては、後遺障害認定に結びつきにくいです。足りない検査や診断記録を補う医学的資料を集めることが重要です。

 

 

<参考>

 

 

中手骨骨折の後遺障害認定ポイント

中手骨骨折の後遺症が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事でも紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
中手骨骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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中手骨骨折の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した中手骨骨折の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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中手骨骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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中手骨骨折の異議申し立てでよくある質問

中手骨骨折で「非該当」と判断されたのはなぜですか?

中手骨骨折が非該当となる主な理由は、診断書の記載不足のために後遺症を合理的に証明できない場合や、画像所見で異常が明確でないときです。

 

特に、指の可動域制限や痛みなどの症状の原因を客観的に示せないと、後遺障害に認定されない傾向があります。

 

 

どのような場合に異議申し立てをすべきですか?

中手骨骨折で後遺障害認定が非該当だったり、想定より低い等級だったら、異議申し立てを検討しましょう。

 

非該当理由を分析して、後遺障害認定基準を満たすための新たな医証を用意する必要があります。

 

 

中手骨骨折の異議申し立てで等級が上がる可能性はありますか?

非該当理由を精査したうえで、後遺障害認定基準をクリアするための新たな医証を追加提出することで、等級が上がる可能性があります。

 

ただし、異議申し立ての成功率は高くないため、十分な事前準備が重要です。

 

 

異議申し立ては何回でもできますか?

異議申し立てに回数制限はありませんが、新たな証拠や資料がないと再度同じ判断になる可能性が高いです。

 

また、損害賠償請求権自体には時効(人身損害は原則5年)があるので注意が必要です。

 

 

中手骨骨折でよく認定される等級はどのくらいですか?

中手骨骨折でよく認定される等級として、痛みの後遺障害として12級13号や14級9号があります。

 

また、指の可動域制限のために「指の用を廃したもの」として、12級10号や13級6号に認定されることもあります。

 

 

 

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まとめ

 

中手骨骨折は交通事故で多いケガの1つですが、後遺障害認定では非該当になりやすい傾向があります。

 

骨折後に腱の癒着で指が動きにくくなっても、骨癒合していることを理由に事故との因果関係を否定されるケースが少なくありません。

 

後遺障害等級は、画像検査や診断書で後遺症の存在を証明できるかが重要で、等級は7級から14級まで幅広く設定されています。

 

異議申し立てでは、非該当理由を分析して、追加の画像検査や医師意見書など新たな医証を揃えることが成功の鍵です。

 

中手骨骨折の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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