医療裁判は勝てないと言われています。医療裁判で勝てる確率は約20%しかないと言われています。
医療ミス(医療過誤)が起こっても、患者さんは泣き寝入りしなければいけない厳しい状況に見えます。
しかし、実際の医療裁判は、数字と少し異なります。本記事は、医療過誤の真実と医療裁判の実際を理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2025/6/10
Table of Contents
医師は医療訴訟が怖い?
医療訴訟は、勝率で見ると医師側に著しく有利です。このため、医師は医療ミスを起こしても、医療裁判で負ける可能性は低いと高を括っているのでしょうか。
しかし実際には、ほとんどの医師は、患者さんから医療訴訟を提起されることを恐れて日常診療を行っています。
医療行為をするたびに、医療訴訟の可能性を考えながら実施していると言っても過言ではありません。これだけ医師は医療訴訟に過敏になるのは、以下の理由によります。
- 治療結果が悪いと医療訴訟を起こされる危険性がある
- 医療訴訟を起こされると大きな負担がかかる
医師にとっても、医療訴訟は「怖い」ものです。問題が発生しないように、常に細心の注意を払って医療行為を行っているのが現実なのです。
治療結果が悪いと医療訴訟を起こされる危険性がある
前述のように、医療は不確実な領域なので、ベストを尽くしても治療結果が悪い症例は珍しくありません。
治療結果が悪い=医療ミスでは決して無いのです。しかし、患者の立場では、治療結果が悪いと何らかの医療ミスの存在を疑います。
つまり医師の立場では、治療結果が悪いだけで医療ミスの疑いをかけられることになります。
医師にとっては、何も悪いことをしていないのに、医療訴訟のリスクが常に存在するという極めて苦しい状況なのです。
医療訴訟を起こされると大きな負担がかかる
仮に、医療訴訟が発生した場合、医師には多大な負担が発生します。医療訴訟で使用する証拠を整理したり、相手側弁護士への反論を検討しなければいけません。
ただでさえ超多忙な日常診療に加えて、追加業務が発生するわけですから、医師の立場ではたまったものではありません。
しかも、医療訴訟になる事案の多くは、医療ミスではなく単に治療結果が悪いだけのケースが多いです。
医師の立場では、患者から難癖をつけられているのと同じなので、医療訴訟を恐れる気持ちを理解できるでしょう。
医療訴訟は勝てないのか
医療訴訟の勝訴率は約20%
医療訴訟で勝てる確率は20%前後で推移しています。医療訴訟では、原告側(患者さん側)はかなり不利な状況です。
医療訴訟の勝率は20%しかないため、医療訴訟の解決のために、裁判ではなく示談や調停での解決が、現実的な解となる事案が多いです。
実際には医療過誤ではない事案が多い
裁判になるのは、治療結果が悪いケースばかりです。しかし、弊社の経験では、不可抗力で治療結果が悪くなったものがほとんどです。
医療は不確実性に満ちた領域なので、ベストを尽くしても治療結果が悪いことは日常茶飯事です。
そして、医師は日々研鑽に励んでいるため、明らかな知識不足による事案は滅多に無いのが実情です。
医療ミスではなく、単に結果が悪かっただけでは、医療訴訟を提起しても勝てる可能性はありません。
医療訴訟の勝訴率が低いのは、医療ミスではない事案が多いことも理由の1つと言えます。
医療訴訟の勝訴率の低さで諦める必要はない
明確な医療過誤は示談や調停になるケースが多い
医療側に明確な過失があれば、医療訴訟にならずに示談や調停に移行するケースが多いです。このため、医療訴訟の勝訴率の低さで諦める必要はありません。
一方、医療ミスが存在したかどうかは、診療録や各種検査を精査しなければ判断できません。このため、協力医による医療調査が重要になります。
医療訴訟の協力医を探すことは難しい
しかし、医療ミスが疑われる事案では、医療調査を引き受けてくれる協力医は滅多にいません。
多くの事案で高度の専門性が求められるため、適切な協力医を見つけ出すのは至難の業と言えます。
医療訴訟の勝訴率の低さに怯む必要はありませんが、協力医を見つけるのは難しいのが現実です。
<参考>
協力医の探し方と意見書のもらい方|医療過誤、医療訴訟
メディカルコンサルティングができること
医療ミスなのかについての医療調査
医療訴訟の多くは、単に治療結果が悪いだけで医療ミスではありません。単に治療結果が悪いだけでは、医療訴訟で勝てる確率は著しく低いです。
勝訴できる可能性の無い不毛な医療訴訟を防ぐためには、第三者による、医療ミスかどうかについての医療調査の実施が望ましいです。
弊社では、ほぼすべての科の事案で医療ミスか否かの医療調査(意見書作成可否調査)が可能です。詳細は、以下のコラム記事をご確認ください。
<参考>
医療事故における医療調査の基本内容とは?費用も解説|医師意見書
医療調査できる診療科一覧
弊社では、以下のようにほぼ全科の医療調査を実施できます。
- 整形外科
- 脳神経外科
- 耳鼻咽喉科
- 眼科
- 消化器外科
- 呼吸器外科
- 心臓血管外科
- 産婦人科
- 泌尿器科
- 脳神経内科
- 循環器内科
- 消化器内科
- 呼吸器内科
- 腎臓内科
- 血液内科
- 小児科
- 放射線科
- 精神科
- 皮膚科
- 形成外科
- ⻭科
- 麻酔科
- 救急科
- 感染症科
- ペイン科
- 病理
医療訴訟で使用する医師意見書
意見書作成可否調査で医療ミスであることが判明した場合、各科の専門医による顕名の医師意見書を作成することが可能です。
医療ミスの可能性がある事案でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
尚、個人の方は、必ず弁護士を通じてご相談ください。個人の方からの直接のお問い合わせは、固くお断りしております。
<参考>
医療訴訟の医師意見書|160名の各科専門医による圧倒的実績
医師意見書の作成にかかる費用
医療調査(意見書作成可否調査)
医療訴訟用の医師意見書を作成できるのかを判断するために、医療調査(意見書作成可否調査)を必須とさせていただいています。
意見書作成可否調査では、各科の専門医が、診療録や画像検査などの膨大な資料を精査いたします。
概要 | 価格 |
基本料 | 140,000円 |
動画の長い事案 | 170,000円 |
追加質問 | 45,000円 / 回 |
※ すべて税抜き価格
※ 意見書作成には医療調査(意見書作成可否調査)が必須です
※ 意見書作成には別途で意見書作成費用がかかります
※ 意見書作成に至らなくても医療調査の返金は致しません
医師意見書
医療調査(意見書作成可否調査)の結果、医療ミスが判明して、医師意見書を作成する際には、別途で医師意見書作成費用がかかります。
概要 | 価格 |
一般の科 | 400,000円~ |
精神科 | 450,000円~ |
心臓血管外科 | 500,000円~ |
施設(老健、グループホームなど) | 350,000円~ |
弊社が医療訴訟で医師意見書を作成した実例
弊社には全国の法律事務所から医療訴訟の相談が寄せられます。これまで下記のような科の医師意見書を作成してきました。
- 脳神経外科
- 脳神経内科(神経内科)
- 整形外科
- 一般内科
- 消化器外科
- 消化器内科
- 呼吸器外科
- 心臓血管外科(成人)
- 心臓血管外科(小児)
- 循環器内科
- 産科
- 婦人科
- 泌尿器科
- 精神科
- 歯科
一方、眼科や美容整形外科に関しては相談件数が多いものの、実際に医療過誤である事案はほとんど無いです。このため弊社においても、医師意見書の作成実績がありません。
まとめ
医療訴訟では医師が勝つ確率が高いものの、多くの医師は日々の診療で訴訟を強く意識しています。
治療結果が悪いだけで医療ミスを疑われることが多く、仮に訴訟になれば精神的・時間的負担が非常に大きいからです。
実際には医療の多くが不確実で、結果が悪くても過失とは限りません。そのため、訴訟では患者側の勝訴率が低いです。
一方、明確な医療ミスかどうかを判断するためには、各科の専門医による詳細な医療調査が不可欠です。
医療ミスの可能性がある事案でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
尚、個人の方は、必ず弁護士を通じてご相談ください。個人の方からの直接のお問い合わせは、固くお断りしております。
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