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高次脳機能障害2級の後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

高次脳機能障害は、事故や病気によって脳が損傷を受けた結果、認知機能や行動に影響を及ぼす障害です。その中でも「2級」と判定されるケースは、日常生活や社会生活に大きな支障をきたすレベルに該当します。

 

しかし、高次脳機能障害の診断や等級の判定は複雑であり、どのような基準で「2級」と認定されるのか、またその影響はどの程度なのかを正しく理解することは容易ではありません。

 

本記事では、高次脳機能障害2級の認定基準や具体的な症状、等級制度の仕組みについて詳しく解説します。後遺障害の申請を検討している方や、慰謝料・補償について知りたい方にとって、必要な情報を分かりやすくお伝えします。

 

 

最終更新日: 2025/2/8

 

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高次脳機能障害2級とは

高次脳機能障害2級には4種類の認定基準がある

高次脳機能障害2級の認定基準は、以下の4つの制度で定められています。

 

  1. 自賠責保険
  2. 労災保険
  3. 障害者手帳
  4. 障害年金

 

各制度の認定基準は異なりますが、共通して高次脳機能障害による生活や労働への支障の程度が評価のポイントとなります。

 

適切な認定を受けるためには、各制度の基準を理解し、必要な手続きを行うことが重要です。

 

 

1. 自賠責保険の後遺障害2級の認定基準

自賠責保険では、高次脳機能障害が「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」と定義されています。

 

具体的には、判断力の低下や情動の不安定などがあるため、日常生活が自宅内に限定されるケースが該当します。

 

 

2. 労災保険の後遺障害2級の認定基準

労災保険では、高次脳機能障害が「生命維持に必要な身の回りの動作は可能であるが、労務に服することができないもの」とされています。

 

具体的には、食事や入浴などの日常生活動作に介護が必要なケースが該当します。自賠責保険は、労災保険の認定基準に準拠しているため、実務的にはほぼ同じです。

 

 

3. 障害者手帳2級の認定基準

高次脳機能障害による日常生活や社会生活への制約が認められると、「器質性精神障害」として精神障害者保健福祉手帳の2級が交付される可能性があります。

 

申請には、医師の診断書が必要で、初診日から6ヶ月以上経過後に作成されたものを提出します。

 

 

4. 障害年金2級の認定基準

障害年金では、高次脳機能障害が「労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害」と定義されています。

 

具体的には、認知障害や人格変化などの精神神経症状が著明で、日常生活に著しい制限があるケースが該当します。

 

 

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高次脳機能障害2級の後遺障害

高次脳機能障害の後遺障害認定基準

高次脳機能障害の後遺障害は、障害の程度に応じて1級から14級までの等級が設けられています。等級認定基準は、脳の損傷の程度や症状の重さに基づいて決定されます。

 

具体的には、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力、社会行動能力の4つの能力の喪失程度によって、以下のような等級に評価されます。

 

等級

認定基準

具体例

1級1号

高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの

  • 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの

  • 高次脳機能障害による高度の認知症や情意の荒廃があるため、常時監視を要するもの

2級1号

高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、随時介護を要するもの

  • 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの

  • 高次脳機能障害による認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とするもの

  • 重篤な高次脳機能障害のため自宅内の日常生活動作は一応できるが、1人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要とするため、随時他人の介護を必要とするもの

3級3号

生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの

  • 4能力のいずれか1つ以上の能力が全部失われているもの

  • 4能力のいずれか2つ以上の能力の大部分が失われているもの

5級2号

高次脳機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの

  • 4能力のいずれか1つの能力の大部分が失われているもの

  • 4能力のいずれか2つ以上の能力の半分程度が失われているもの

7級4号

高次脳機能障害のため、軽易な労務にしか服することができないもの

  • 4能力のいずれか1つの能力の半分程度が失われているもの

  • 4能力のいずれか2つ以上の能力の相当程度が失われているもの

9級10号

通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの

  • 高次脳機能障害のため4能力のいずれか1つの能力の相当程度が失われているもの

12級13号

通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すもの

  • 4能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われているもの

14級9号

通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの

  • MRI、CT等による他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるもの

 

 

2級の後遺障害認定基準

高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、随時介護を要するもの

 

  • 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの
  • 高次脳機能障害による認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とするもの
  • 重篤な高次脳機能障害のため自宅内の日常生活動作は一応できるが、1人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要とするため、随時他人の介護を必要とするもの

 

 

2級に該当する具体的な症状

2級に該当する症状としては、記憶障害や注意障害、問題解決能力の著しい低下、感情のコントロールが困難であることなどが挙げられます。

 

具体的には、重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要します。

 

また、重篤な高次脳機能障害のため、自宅内の日常生活動作は一応できるが、一人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要とします。

 

 

2級と3級との違い

2級と3級の主な違いは、日常生活や社会生活における制限の程度です。2級では、日常生活に著しい制限があり、他者の支援が随時必要です。

 

一方、3級では、社会生活において一定の制限があるものの、日常生活はある程度自立して行えるとされています。

 

 

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高次脳機能障害2級の認定ポイント【弁護士必見】

症状固定は受傷後1年以降が望ましい

後遺障害3級の認定を受けるには、症状固定の時期をいつにするかの判断が重要になります。

 

症状固定とは、治療を続けても回復が期待できない状態で、高次脳機能障害では受傷後1年以降に症状固定と判断されることが一般的です。

 

症状固定まで1年まで待機するのは、脳の回復には時間がかかり、障害の程度が安定するまで少なくとも1年程度を要するためです。

 

さらに、高次脳機能障害を引き起こすほどの頭部外傷では、外傷性てんかんを併発する可能性もあります。

 

外傷性てんかんの発症は、受傷直後ではなく、数ヵ月経過してから現れることも多いため、慎重な経過観察が必要です。

 

<参考>
外傷性てんかんの後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

 

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高次脳機能障害の後遺障害認定ポイントは多岐にわたる

後遺障害2級に限らず、高次脳機能障害で適切な等級認定を受けるには、多くの注意点や落とし穴が存在します。

 

加えて、後遺障害認定を受けた後も、保険会社との示談交渉においてさまざまな課題を乗り越えなければならず、十分な準備と専門的なサポートが欠かせません。

 

高次脳機能障害の後遺障害認定ポイントやピット―フォールへの対応法は、こちらのコラムで詳述しています。興味のある方は参照してください。

 

<参考>
高次脳機能障害の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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高次脳機能障害2級の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で残った高次脳機能障害が後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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高次脳機能障害2級の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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高次脳機能障害2級の慰謝料相場

 

高次脳機能障害2級における後遺障害慰謝料の相場は、適用される基準によって異なります。一般的に、弁護士基準(裁判基準)では、2級の後遺障害慰謝料は1,637万円とされています。

 

一方、自賠責基準では、2級の後遺障害慰謝料は1,202万円と定められています。これらの金額はあくまで目安であり、実際の慰謝料額は個々の事案や交渉状況によって変動する可能性があります。

 

適切な賠償を受けるためには、専門家である弁護士に相談して、具体的な状況に応じたアドバイスを受けることが重要です。

 

弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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まとめ

 

高次脳機能障害2級は、記憶や判断力の低下により日常生活や仕事に大きな支障をきたす状態です。

 

自賠責保険や労災保険、障害者手帳、障害年金の各制度で認定基準が異なりますが、共通して生活や労働への影響が評価されます。

 

後遺障害2級では食事や着替えなどに随時介護が必要で、一人での外出が困難です。3級との違いは支援の必要度で、2級は日常生活全般に支援を要します。

 

交通事故で受傷した高次脳機能障害に関してお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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