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【医師が解説】尾てい骨が痛い!骨折は後遺症になるのか|交通事故

尾てい骨の痛みを訴える人は多いです。尻餅をついて尾骨を骨折した場合以外にも、妊娠中にも痛み感じやすいです。

 

本記事は、尾てい骨骨折の痛みが取れない時の対処法と、交通事故で受傷した尾てい骨骨折が後遺障害に認定されるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日:2024/4/19

 

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尾てい骨骨折(尾骨骨折)とは

 

尾てい骨(尾骨)とは、背骨の一番下にある骨です。尾てい骨は、動物のしっぽの名残と言われています。

 

尾てい骨はお尻の真ん中の上にあって少し出っ張っているため、尾てい骨を骨折すると椅子に座る際に痛みが出やすいです。

 

 

tail bone fracture

 

 

尾てい骨骨折の原因

 

尻もちをついて骨折するケースが最も多いです。転倒、転落、スポーツ、交通事故などで尻もちをついて重傷します。ときどき分娩時に骨折するケースもあります。

 

 

尾てい骨骨折(尾骨骨折)の症状

 

尾てい骨を骨折すると、痛みをはじめとして以下のような症状が出る可能性があります。

 

  • 痛み
  • 腫れ
  • 痛みのために気分が悪い
  • 便が出にくい

 

 

痛み

尾てい骨骨折で最も多い症状は痛みです。尾骨は体の表面に近い骨なので、骨折するとかなりの痛みを感じます。

 

 

腫れ

尾てい骨骨折を受傷すると、尾骨周囲に腫れが出ます。しかし、尾骨はお尻にあるので、医師でなければ腫れの存在に気付かないケースもあります。

 

 

痛みのために気分が悪い

尾てい骨骨折に限らず、骨折するとあまりの痛みのために気分が悪くなる人が多いです。

 

 

便が出にくい

尾てい骨骨折が大きくずれ(転位)ていると、骨が直腸を圧迫して便が出にくくなるケースが稀にあります(排便障害)。

 

 

尾てい骨骨折の治療

尾てい骨骨折のほとんどは経過観察を行うだけで骨癒合します。ずれ(転位)が大きい場合には、稀に経直腸的に徒手整復するケースもあります。

 

 

尾てい骨骨折の座り方

 

最も推奨される座り方は、円座を使用する方法です。円座とは、真ん中に穴のあるドーナツ型のクッションです。

 

円座は真ん中に穴があるので、座っても尾骨が宙に浮いた状態になり痛みを感じにくいです。

 

 

tail bone fracture cushion

 

 

尾てい骨骨折の寝方

 

尾てい骨骨折でやってはいけない寝方はありません。しかし、上を向いて寝ていると尾てい骨が寝具に当たって痛いです。

 

このため、痛みが続いている間は、横向きで寝る方が良いでしょう。

 

 

尾てい骨骨折(尾骨骨折)の後遺症

 

尾てい骨骨折によって、どのような後遺障害が残りうるのでしょうか。主な後遺障害は神経障害と変形障害です。

 

 

神経障害

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

 

尾てい骨骨折後の尾骨痛を、画像検査で他覚的所見に証明できる事案が該当します。

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

 

尾てい骨骨折後の尾骨痛を他覚的に証明できるほどの画像所見が残っていないものの、治療経過から神経症状(痛み)の存在が推認される事案が該当します。

 

 

変形障害

12級5号:骨盤骨に著しい変形を残すもの

 

尾てい骨が大きくずれた状態で骨癒合すると、尾部に大きな骨性隆起が残ります。

 

変形障害に該当するためには「裸体になったときに外部から見てその変形が明らかに分かる程度」という条件をクリアする必要があります。

 

 

<参考>
【医師が解説】骨盤骨折の後遺症が等級認定されるポイント|交通事故

 

 

inquiry

 

Traffic accident patient

 

 

【弁護士必見】尾骨骨折の後遺障害認定ポイント

尾骨骨折で後遺障害認定は難しい

尾骨骨折は交通事故で比較的よく見かける骨折です。しかし、尾骨骨折が後遺障害に認定される可能性は高くありません。

 

その理由は、尾骨骨折の痛みや変形を客観的に証明することが難しいからです。

 

尾骨は人によって形態がさまざまです。このため、骨折によって生じた変形なのか、もともとの骨の形態なのか判断し難いケースが多いです。

 

 

滑液包炎併発例ではMRI検査が必要

変形を残した尾骨骨折後に尾部の痛みが続く症例では、尾骨と皮膚の間に滑液包炎を併発している可能性があります。

 

このようなケースでは、尾骨のMRI検査を実施することで滑液包炎の存在を客観的に証明できれば、後遺障害に認定される可能性があります。

 

 

尾骨骨折では正常分娩困難にならない

尾骨骨折の後遺障害として、9級17号(生殖器に著しい障害を残すもの)や11級10号(胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの)に該当する可能性があると記載されているサイトが散見されます。

 

しかし臨床的に尾骨骨折のみで正常分娩困難とはなりません。したがって、尾骨骨折のみでは9級17号や11級10号には該当しません。

 

 

 

nikkei medical

 

 

まとめ

 

尾てい骨を骨折すると椅子に座る際に痛みが出やすいです。尾てい骨骨折の際には、真ん中に穴のあるドーナツ型のクッション(円座)を使用しましょう。

 

尾骨骨折で後遺障害認定は難しいです。可能性として14級9号が最も考えやすいですが、滑液包炎併発例ではMRI検査が必要です。

 

交通事故で受傷した尾骨骨折でお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

 

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Traffic accident patient

 

 

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