交通事故コラム詳細

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外傷性散瞳の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

眼科領域の外傷のひとつに外傷性散瞳があります。複視や視力障害と比較して事案数が少ないですが、ときどき相談されることがあります。

 

本記事は、外傷性散瞳の後遺症が後遺障害に認定されるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日: 2024/9/8

 

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外傷性散瞳とは

 

目を打った後に、瞳孔(黒目の部分)が広がったままになった状態です。

 

光に対する瞳孔の調整能力が消失または減弱しているため、まぶしくて生活しづらい後遺症を残します。

 

 

交通事故での外傷性散瞳の原因

 

目をぶつけることによって生じる外傷性散瞳の原因は以下の2つです。
 

  • 眼球への鈍的外力による瞳孔括約筋損傷
  • 視神経もしくは動眼神経損傷

 

 

外傷性散瞳の症状

 

瞳孔が収縮しないので、まぶしい状態が続きます。特に明るい所に行くと、まぶしさが悪化します。

 

 

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外傷性散瞳で後遺障害に認定されると損害賠償金を請求できる

 

外傷性散瞳で後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

 

 

後遺障害慰謝料とは

交通事故で後遺障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。

 

 

後遺障害等級

後遺障害慰謝料

1級

2800万円

2級

2370万円

3級

1990万円

4級

1670万円

5級

1400万円

6級

1180万円

7級

1000万円

8級

830万円

9級

690万円

10級

550万円

11級

420万円

12級

290万円

13級

180万円

14級

110万円

 

 

後遺障害逸失利益とは

後遺障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。

 

後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。

 

 

後遺障害逸失利益の計算式

後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

 

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

 

 

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外傷性散瞳の後遺障害

 

外傷性散瞳の後遺障害等級は、対光反射と羞明の程度で決まります。

 

 

11級相当

両眼について対光反射が著しく制限され、著明な羞明を訴え労働に著しく支障をきたすもの

 

 

12級相当

  • 1眼について対光反射が著しく制限され、著明な羞明を訴え労働に著しく支障をきたすもの
  • 両眼の対光反射はあるが不十分であり、羞明を訴え労働に支障をきたすもの

 

 

14級

1眼の対光反射はあるが不十分であり、羞明を訴え労働に支障をきたすもの

 

 

14級

1眼について対光反射は認められるが不十分であり、羞明を訴え労働に支障をきたすもの

 

 

 

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【弁護士必見】外傷性散瞳の後遺障害認定ポイント

 

後遺障害認定の実務で問題になるのは、羞明の程度の基準が明示されていないことです。障害認定必携においても、外傷性散瞳の具体的基準は記載されていません。

 

医学的に散瞳の定義は瞳孔5.0㎜以上です。このため、明所で瞳孔が5.0㎜以上かつ左右差が0.5㎜以上あれば、健側と比べて散瞳していると言えます。

 

対光反射および羞明の基準を満たし、かつ眼部への鈍的外力もしくは視神経管周囲の骨折が存在すれば、事故との因果関係があるため後遺障害が認定される可能性はあります。

 

外傷性散瞳でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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外傷性散瞳の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故による外傷性散瞳が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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交通事故による外傷性散瞳でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

 

Traffic accident patient

 

 

眼のケガで認定される後遺障害等級

視力障害

視力の後遺障害は、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズで矯正した視力)で審査されます。視力障害で考えられる後遺障害とその等級は、以下のとおりです。

 

等級

認定基準

1級1号

両眼が失明

2級1号

1眼が失明、もう1眼は視力が0.02以下

2級2号

両眼の視力が0.02以下

3級1号

1眼が失明、もう1眼は視力が0.06以下

4級1号

両眼の視力が0.06以下

5級1号

1眼が失明、もう1眼は視力が0.1以下

6級1号

両眼の視力が0.1以下

7級1号

1眼が失明、もう1眼は視力が0.6以下

8級1号

1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下

9級1号

両眼の視力が0.6以下

9級2号

1眼の視力が0.06以下

10級1号

1眼の視力が0.1以下

13級1号

1眼の視力が0.6以下

 

 

<参考>
【医師が解説】交通事故と視力低下の因果関係を証明するポイント

 

 

調節機能障害(目のピントが合わない)

眼はカメラのレンズのように、見たい距離に応じて網膜上に焦点を合わせる機能を持っています。この機能を調節機能といいます。

 

等級

認定基準

11級1号

両眼の眼球に著しい機能調節障害を残すもの

12級1号

1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの

 

目の調節機能障害(ピントが合わない)は、アコモドポリレコーダーという調節機能検査装置で検査します。

 

「著しい調整機能障害を残すもの」は、反対側の眼よりも調整機能が1/2以下に減少したものをいいます。

 

ただし、人は加齢によって眼の調節機能が減少します。このため、55歳以上では調整機能障害として認定されません。

 

 

<参考>
【医師が解説】事故後の目がぼやける症状は後遺症?|医療鑑定

 

 

運動障害

注視野が減じたもの

 

眼球は、6本の眼筋によってスムーズに動きます。眼筋が麻痺すると眼がずれてしまい、注視野が狭くなったり複視が残ります。

 

等級

認定基準

11級1号

両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの

12級1号


1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの

 

「眼球に著しい運動障害を残すもの」は、眼球の注視野が1/2以下に減少したものをいいます。

 

 

複視

 

複視とは、1つの物が二重に見える状態です。両眼で見たときに二重に見える「両眼複視」が一般的ですが、片眼で見たときに二重に見える「単眼複視もあります。複視の後遺障害認定では、「両眼複視」が対象となります。

 

等級


認定基準

10級2号

正面を見た場合に複視の症状を残すもの

13級2号

正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

 

 

<参考>
【医師が解説】複視が後遺障害認定されるポイント|医療鑑定

 

 

視野障害

視野とは、片眼で一点を見ている時に見える範囲です。視野が小さくなると後遺障害に認定されます。

 

等級

認定基準

9級3号

両眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの

13級2号

1眼の半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの

 

視野の異常は、大きく分けて狭窄、半盲、視野変状の3種類があります。視野狭窄は視野が狭くなることで、半盲症は視野の右半分や左半分が見えなくなる状態です。

 

視野変状には,視野欠損と暗点があります。視野欠損は視野が不規則に失われているもの、暗点は視野の中に見えない部分があるものです。

 

 

まぶたの欠損障害

等級

認定基準

9級4号

両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

11級3号

1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

13級4号

両目のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの

14級1号

1眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの

 

「まぶたに著しい欠損を残すもの」は、目を閉じたときに、まぶたで角膜を完全に覆えないものをいいます。

 

「まぶたの一部に欠損を残すもの」は、目を閉じたときに。まぶたで角膜を完全に覆えるものの、白目が露出している状態です。

 

 

まぶたの運動障害

等級

認定基準

11級2号

両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

12級2号

1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

 

「まぶたに著しい運動障害を残すもの」は、以下のいずれかの状態が該当します。

 

  • まぶたを開けた時に、まぶたが完全に瞳孔を覆ってしまうもの
  • まぶたを閉じた時に、角膜を完全に覆えないもの

 

 

<参考>
【医師が解説】目とまぶたの後遺障害とは?|交通事故の医療鑑定

 

 

外傷性散瞳

外傷性散瞳とは、目を打った後に瞳孔が広がったままになる状態です。

 

瞳孔の光に対する調整能力が失われたり弱まったりするため、まぶしさを感じて生活が困難になる後遺症を引き起こします。

 

 

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まとめ

 

眼科領域の外傷のひとつである外傷性散瞳は、複視や視力障害と比較して事案数が少ないです。

 

しかし、光に対する瞳孔の調整能力が消失または減弱しているため、まぶしくて生活しづらい後遺症を残します。

 

後遺障害認定の実務で問題になるのは、羞明の程度の基準が明示されていないことです。

 

医学的に散瞳の定義は瞳孔5.0㎜以上です。このため、明所で瞳孔が5.0㎜以上かつ左右差が0.5㎜以上を散瞳の認定基準と考えてよいでしょう。

 

 

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