交通事故で保険会社が嫌がることを、被害者は絶対に知っておく必要があります。保険会社が嫌がることを知らないと、被害者が損をする確率が高まるからです
保険会社が嫌がることには、被害者に良い結果をもたらすものと、悪い結果をもたらすものがあります。
本記事は、年間1000例の交通事故事案を取り扱っている医療鑑定医師が、交通事故で保険会社が嫌がることについて説明しています。
最終更新日: 2024/5/16
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交通事故で保険会社が嫌がることは2種類ある
交通事故で保険会社が嫌がることには、2通りの意味があります。それは、被害者に良い結果をもたらすものと、悪い結果をもたらすものです。
被害者に良い結果をもたらす保険会社が嫌がることを知っておくと、交通事故での保険会社の対応を有利に進められる可能性が高まります。
一方、被害者に悪い結果をもたらす保険会社が嫌がることを知ることで、地雷を踏んでしまい不利な状況に追い込まれる事態を避けることができます。
被害者に良い結果をもたらす保険会社が嫌がること
自賠責保険の正しい知識を知っている
弊社は、保険会社とも多数の取引があります。各社の事故担当者からたくさんの事案相談を受けますが、交通事故被害者が自賠責保険の定石を知っていると手強いと感じています。
交通事故で最も多い、むちうちを例にとってみましょう。むちうちでは、受傷後3日以内の医療機関への受診が必須です。
そして医師に症状を正確に伝えられる手法を知っていると、客観的なエビデンスが積み上がっていきます。エビデンスで固められたむちうち患者さんは、それだけで手強い存在になります。
自賠責保険の正しい知識を持っているか否かは、保険会社の事故担当者のやりにくさに直結すると言ってよいでしょう。
<参考>
通院頻度が適正である
前述の自賠責保険の正しい知識を知っているに通じます。交通事故被害者の通院頻度が適正であると、保険会社の担当者にとって手強い交通事故被害者になります。
通院頻度の適正さは、むちうち症状の存在を示す強力なエビデンスなのです。
弁護士に依頼する
交通事故の受傷早期から弁護士が介入している事案は、保険会社の担当者にとって、やりにくさとやりやすさの両面があります。
まずやりにくさに関しては、弁護士は交通事故処理のプロなので、素人の交通事故被害者のようにやり込めることができません。何事も慎重に対応する必要があります。
そして、一般的に弁護士はレスポンスが遅いです。弁護士を介して資料を収集するため、事案進行が進まずに停滞してしまうケースが多いです。
一方、やりやすさに関しては、弁護士はビジネスで取り組んでいるので輩的な言動はありません。ビジネスライクに事案を進めていけるメリットはあります。
裁判を起こす
弁護士が介入すると裁判を起こされる可能性があります。訴訟提起されると、保険会社の事故担当者の業務が増加します。
保険会社の事故担当者の立場では、弁護士に裁判を起こされると業務量が増えるため嫌なことと言えます。
そんぽADRセンターに苦情を入れる
そんぽADRセンターとは、日本損害保険協会が運営する交通事故被害者の対応窓口です。
そんぽADRセンターに苦情を入れられると、保険会社の事故担当者は対応する必要があります。業務量が増えるため、保険会社の事故担当者が嫌がることと言えます。
被害者に悪い結果をもたらす保険会社が嫌がること
威圧的な態度をとる
交通事故被害者に悪い結果をもたらす保険会社が嫌がることの筆頭は、保険会社の事故担当者に対して威圧的な態度をとることです。
被害者の立場では、保険会社の対応に不満がある点も多いのは理解できます。しかし、それを理由にして、保険会社の事故担当者に対して威圧的な態度をとるのはNG行動です。
保険会社の事故担当者に対して威圧的な態度をとると、すぐに保険会社は弁護士を介入させます。こうなると、交通事故被害者にとって百害あって一利なしです。
倫理的な面からも、保険会社の事故担当者を恫喝する等の行動はご法度と考えましょう。
<参考>
高圧的な態度をとる|交通事故のむちうちが嘘だとバレる?【整形外科医が回答】
詐病を疑わせる言動がある
威圧的な態度と並んで保険会社の事故担当者が嫌がることは、詐病を疑わせる言動です。これには常識から乖離した整骨院への過度な通院も含まれます。
詐病に対して、保険会社は毅然とした態度を取ります。くれぐれも症状を正確に医師に伝えましょう。
<参考>
交通事故のむちうちが嘘だとバレる?【整形外科医が回答】
過剰な医療サービスや休業損害補償の請求
保険会社の事故担当者が嫌がる行動に、過剰な医療サービスや休業損害補償の要求があります。むちうちで半年間休業などといった極端な事案が後を絶ちません。
弊社が保険会社から依頼を受けて取り組んだ事案でも、医学的に証明不可能なケースが多いです。過剰な請求はご法度でしょう。
客観的資料のない請求をする
弊社に直接相談があるわけではありませんが、医師意見書を作成する際にどうしても目を通さざるを得ないのは双方の準備書面です。
結構な確率で、年収計算をオーバーに申告している事案を見かけます。保険会社としては毅然とした態度を取らざるを得ないでしょう。
法律的には認められない請求をする
時価評価が50万円の自動車の修理費用が100万円かかるような全損事案では、補償額の上限は50万円です。これでは自動車を買えないので、被害者の立場では困ったことになります。
しかし、法律的には100万円の請求はできません。泣き寝入りになるものの、法律的には認められない請求なので仕方ないです。
法律的には認められないのに無理やり請求すると、保険会社としても毅然とした態度を取らざるを得ません。
保険会社の担当者はいい人が多い
弊社は定期的に保険会社の事故担当者と協議していますが、親身に交通事故被害者の立場に立って事故対応する人が多いです。
世間一般で思われているような誠意がなく横柄な態度の人にはお目にかかったことがありません。意外に思われるかもしれませんが、保険会社の事故担当者はいい人が多いのです。
保険会社の事故担当者が毅然とした態度を取るのには、それなりの理由があると思うべきでしょう。
<参考>
日経メディカル|治療費の支払い打ち切りの背後に過剰医療も?!
まとめ
交通事故被害者の立場では、保険会社が嫌がることを知っておく必要があります。保険会社が嫌がることには、被害者に良い結果をもたらすものと、悪い結果をもたらすものがあります。
被害者に良い結果をもたらす保険会社が嫌がることは、自賠責保険の正しい知識です。
一方、被害者に悪い結果をもたらす保険会社が嫌がることは、威圧的な態度をとったり詐病を疑わせる言動です。過剰な医療サービスや休業損害補償の請求も要注意しょう。
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